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メイデスの森へ!
176 イルレシオン無双
しおりを挟む百七十六話 イルレシオン無双
あぁ…なんか申し訳ないなぁ。
絆創膏をアソコに貼り付け【神の完全隠密】を発動させた私は、苦笑いでその様子を見ていた。
「いや、エルフたちもうちょっと頑張ろうよ」
第一防衛ラインらしき場所で構えていたエルフたちはツクヨミの触手により戦闘不能。
木の上で状況を確認していた者たちもヒミコの扇子で発生させた雷を伴う竜巻により一瞬で墜落してしまう。
そのまま第二防衛ラインらしき場所に向かったんだけどー…。
『主人様、この先に罠があります』
イルレシオンが罠が設置されている箇所を的確に指示していく。
「あの、イルレシオン? あなたどうしてそこまで詳しくわかるんですの?」
ウルゼッタが苦笑いで罠を破壊しながら尋ねる。
『愚かな策です。原始的な罠ならば警戒していましたが、罠から微弱な魔力が漏れ出でいてバレバレです』
「ーー…そうなんですのね」
『どういたしましょうか。私が単体で敵陣へ突っ込んでもよろしいのですが』
イルレシオンが里の方角を見据える。
「ずいぶん自信がおありですのね」
『はい。実は皆さんが難しい話し合いをしている間、1人で戦地だった場所へ赴き…機械人形たちの残骸を吸収していたのです』
イルレシオンが自慢げに話す。
「おや、ガルフさんと行ったわけではなかったのですね」
『はい。あの肥えた男性にかなりお怒りのようでしたので』
ーー…ペヤンティーナのことだね。
『それでどういたしましょうか。今の私はランク50ー…単体でエルフ相手に無双できるくらいにはなっているかと思われます』
「ーー…ガチですの?」
『はい。あの攻撃型や防御型ー…他にも特殊なタイプの機械人形の固有技を習得しております』
イルレシオンが手を前にかざすとあの青白い盾のようなものが出現。本当に習得してしまっているらしい。
「ーー…まぁいいですわ。危なくなったらおそらくこの近くで私たちを見ているであろうナタリーが助けてくれますわ」
ウルゼッタが周囲を見渡す。
うん、その通りだよウルゼッタ。私が近くにいるって分かっててくれて嬉しいな。
『了解しました。それではイルレシオン、無理のない範囲で軽い殲滅を開始します』
◆◇◆◇
「なんだ!? なんだあの機械人形は!!!」
エルフたちが一斉に放つ矢をイルレシオンは防御型の盾を展開しそれを防ぎ、同時に威力を少し弱めた攻撃型の光線を敵陣に放つ。
「先輩ー! もうここは持ちませんー!!」
「ダメだ、ギリギリまでここは守り抜く! ーー…ってあれ、さっきの機械人形、どこへ行った!?」
エルフが周囲を見渡しているとその背後にイルレシオンが出現。
『なるほど、これが暗殺型の固有技ですか。これは便利ですね』
「「ーー…!!??」」
『ではこの防衛ラインは爆破しましょう』
イルレシオンは防壁代わりになっていた巨大な岩を爆発型の固有技を使い爆破させた。
「て…撤退ーー!!」
その場にいたエルフたちが急ぎ足で撤退を始めるもー…
「遅かったわね」
「ぶー! みーちゃんにもやらせてよー!」
「今度はミーナが分厚い壁を破壊してやるにゃ!!」
「アソコがかなり疼きだしましたわーーー!!!」
イルレシオンの後ろを追っていたツクヨミ・ヒミコ・ミーナ・ウルゼッタによりあっさり確保されてしまっていた。
「くっー…! これ本当に人間の強さなのか!? 強すぎる…」
確保されたエルフたちは皆悔しがるもツクヨミたちは前を向き前進していった。
ーーー…ウルゼッタを除いて。
エルフの前にウルゼッタが立つ。
「な…なんだ!?」
「んはぁ…っ、我慢なりませんわ。本当はナタリーのがよろしかったのですけど仕方ありません。私…今無性に乳首を吸いたくて仕方ありませんの」
ウルゼッタがエルフの1人に近づき上着に手を掛ける。
「ーー…!!?? や、やめー…」
「いただきますわーーー!!!!」
ああああああん!!! 羨ましい!!!
本当なら吸われる役目、私だったはずなのにいい!!!
「ーー…気になるけどイルレシオンの近くにいないと…!」
私は悔し涙を流しながらもウルゼッタとエルフたちに背を向け、先へ先へと進むイルレシオンを追った。
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