上 下
176 / 244
メイデスの森へ!

176 イルレシオン無双

しおりを挟む

 百七十六話  イルレシオン無双


 あぁ…なんか申し訳ないなぁ。


 絆創膏をアソコに貼り付け【神の完全隠密】を発動させた私は、苦笑いでその様子を見ていた。


 「いや、エルフたちもうちょっと頑張ろうよ」


 第一防衛ラインらしき場所で構えていたエルフたちはツクヨミの触手により戦闘不能。
 木の上で状況を確認していた者たちもヒミコの扇子で発生させた雷を伴う竜巻により一瞬で墜落してしまう。

 そのまま第二防衛ラインらしき場所に向かったんだけどー…。


 『主人様、この先に罠があります』

 
 イルレシオンが罠が設置されている箇所を的確に指示していく。


 「あの、イルレシオン? あなたどうしてそこまで詳しくわかるんですの?」


 ウルゼッタが苦笑いで罠を破壊しながら尋ねる。


 『愚かな策です。原始的な罠ならば警戒していましたが、罠から微弱な魔力が漏れ出でいてバレバレです』

 「ーー…そうなんですのね」

 『どういたしましょうか。私が単体で敵陣へ突っ込んでもよろしいのですが』


 イルレシオンが里の方角を見据える。
 

 「ずいぶん自信がおありですのね」

 『はい。実は皆さんが難しい話し合いをしている間、1人で戦地だった場所へ赴き…機械人形たちの残骸を吸収していたのです』


 イルレシオンが自慢げに話す。


 「おや、ガルフさんと行ったわけではなかったのですね」

 『はい。あの肥えた男性にかなりお怒りのようでしたので』


 ーー…ペヤンティーナのことだね。


 『それでどういたしましょうか。今の私はランク50ー…単体でエルフ相手に無双できるくらいにはなっているかと思われます』

 「ーー…ガチですの?」

 『はい。あの攻撃型や防御型ー…他にも特殊なタイプの機械人形の固有技を習得しております』


 イルレシオンが手を前にかざすとあの青白い盾のようなものが出現。本当に習得してしまっているらしい。


 「ーー…まぁいいですわ。危なくなったらおそらくこの近くで私たちを見ているであろうナタリーが助けてくれますわ」


 ウルゼッタが周囲を見渡す。


 うん、その通りだよウルゼッタ。私が近くにいるって分かっててくれて嬉しいな。



 『了解しました。それではイルレシオン、無理のない範囲で軽い殲滅を開始します』



 ◆◇◆◇



 「なんだ!? なんだあの機械人形は!!!」


 エルフたちが一斉に放つ矢をイルレシオンは防御型の盾を展開しそれを防ぎ、同時に威力を少し弱めた攻撃型の光線を敵陣に放つ。


 「先輩ー! もうここは持ちませんー!!」

 「ダメだ、ギリギリまでここは守り抜く! ーー…ってあれ、さっきの機械人形、どこへ行った!?」


 エルフが周囲を見渡しているとその背後にイルレシオンが出現。


 『なるほど、これが暗殺型の固有技ですか。これは便利ですね』

 「「ーー…!!??」」

 『ではこの防衛ラインは爆破しましょう』


 イルレシオンは防壁代わりになっていた巨大な岩を爆発型の固有技を使い爆破させた。
 

 「て…撤退ーー!!」


 その場にいたエルフたちが急ぎ足で撤退を始めるもー…


 「遅かったわね」

 「ぶー! みーちゃんにもやらせてよー!」

 「今度はミーナが分厚い壁を破壊してやるにゃ!!」

 「アソコがかなり疼きだしましたわーーー!!!」


 イルレシオンの後ろを追っていたツクヨミ・ヒミコ・ミーナ・ウルゼッタによりあっさり確保されてしまっていた。


 「くっー…! これ本当に人間の強さなのか!? 強すぎる…」

 
 確保されたエルフたちは皆悔しがるもツクヨミたちは前を向き前進していった。
 ーーー…ウルゼッタを除いて。


 エルフの前にウルゼッタが立つ。


 「な…なんだ!?」


 「んはぁ…っ、我慢なりませんわ。本当はナタリーのがよろしかったのですけど仕方ありません。私…今無性に乳首を吸いたくて仕方ありませんの」

 
 ウルゼッタがエルフの1人に近づき上着に手を掛ける。



 「ーー…!!?? や、やめー…」


 「いただきますわーーー!!!!」



 ああああああん!!! 羨ましい!!!
 本当なら吸われる役目、私だったはずなのにいい!!!


 「ーー…気になるけどイルレシオンの近くにいないと…!」


 私は悔し涙を流しながらもウルゼッタとエルフたちに背を向け、先へ先へと進むイルレシオンを追った。
  
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた

楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。 この作品はハーメルン様でも掲載しています。

アニラジロデオ ~夜中に声優ラジオなんて聴いてないでさっさと寝な!

坪庭 芝特訓
恋愛
 女子高生の零児(れいじ 黒髪アーモンドアイの方)と響季(ひびき 茶髪眼鏡の方)は、深夜の声優ラジオ界隈で暗躍するネタ職人。  零児は「ネタコーナーさえあればどんなラジオ番組にも現れ、オモシロネタを放り込む」、響季は「ノベルティグッズさえ貰えればどんなラジオ番組にもメールを送る」というスタンスでそれぞれネタを送ってきた。  接点のなかった二人だが、ある日零児が献結 (※10代の子限定の献血)ルームでラジオ番組のノベルティグッズを手にしているところを響季が見つける。  零児が同じネタ職人ではないかと勘付いた響季は、献結ルームの職員さん、看護師さん達の力も借り、なんとかしてその証拠を掴みたい、彼女のラジオネームを知りたいと奔走する。 ここから第四部その2⇒いつしか響季のことを本気で好きになっていた零児は、その熱に浮かされ彼女の核とも言える面白さを失いつつあった。  それに気付き、零児の元から走り去った響季。  そして突如舞い込む百合営業声優の入籍話と、みんな大好きプリント自習。  プリントを5分でやっつけた響季は零児とのことを柿内君に相談するが、いつしか話は今や親友となった二人の出会いと柿内君の過去のこと、更に零児と響季の実験の日々の話へと続く。  一学年上の生徒相手に、お笑い営業をしていた少女。  夜の街で、大人相手に育った少年。  危うい少女達の告白百人組手、からのKissing図書館デート。  その少女達は今や心が離れていた。  ってそんな話どうでもいいから彼女達の仲を修復する解決策を!  そうだVogue対決だ!  勝った方には当選したけど全く行く気のしない献結啓蒙ライブのチケットをプレゼント!  ひゃだ!それってとってもいいアイデア!  そんな感じでギャルパイセンと先生達を巻き込み、ハイスクールがダンスフロアに。 R15指定ですが、高濃度百合分補給のためにたまにそういうのが出るよというレベル、かつ欠番扱いです。 読み飛ばしてもらっても大丈夫です。 検索用キーワード 百合ん百合ん女子高生/よくわかる献血/ハガキ職人講座/ラジオと献血/百合声優の結婚報告/プリント自習/処世術としてのオネエキャラ/告白タイム/ギャルゲー収録直後の声優コメント/雑誌じゃない方のVOGUE/若者の缶コーヒー離れ

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...