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メイデスの森へ!
154 クリスタルロック
しおりを挟む百五十四話 クリスタルロック
途中ミーナと合流し魔物の方へ3人で向かった私たち。
「あ、いた!」
まるで猿のような全身が毛に覆われた魔物が奇声をあげながら暴れまわっている。
ーー…大きくしたおちんちんを振り回しながら。
「グオアアアアアアア!!」
もはや股間から生えたメイス。
1メートルほどにも及ぶそれを振り回しながら周りの木々を粉砕。その先からは白い液体がビチャビチャとばらまかれている。
「あ! あいつにゃ! でもあんなにチンコ大きかったかにゃ…?」
ミーナが目を細めながら観察する。
「え、ミーナあの魔物のおちんちん見たの!?」
「にゃあ。あいつミーナを襲おうとしたんだにゃ。だからミーナ、あいつの気を緩ませてキンタマ蹴り上げてやったんだにゃ!」
ミーナが蹴り上げた時の仕草を見せつけながら説明する。
「お。おいミーナ、そこって男にとって大事なところではないのか!?」
「そうらしいけど関係ないにゃ。あいつのタマが潰れて使えなくなろうが、ミーナを襲ったあいつが悪いにゃ」
「た…確かにそうだが…」
アンネが顔を真っ赤に染めながら魔物のおちんちんに視線を向ける。
「しかしあれだな…男のアレって、あんなに大きくなるもんなんだな。アンネ初めて見たぞ」
「んーにゃ、あれは化け物サイズにゃ。あんなの入れられたら死んじゃうにゃ」
「ん? 入れるって何にだ?」
アンネは頭上にはてなマークを浮かべながらミーナを見る。
「いやいや、もう…! そんなこと話してる場合じゃないでしょ!」
早く倒してウルゼッタたちを探さないと。
私は覇王ミルキーポップを構え、魔物に向かって【苺爆弾】を撃ち込む。
無数の苺の銃弾が魔物にクリーンヒット。凄まじい爆煙が周囲一帯に立ち込める。
「おい、そんなことしたら森にも被害が及ぶじゃないか!」
アンネが私の腕を掴んで攻撃を止める。
「え、でもまずあの魔物の動きを止めることが先決じゃない?」
「しかし森を壊しちゃあ意味ないだろう!」
「じゃあどうするの?」
「まったく。ちょっと見ていろ」
そう言うとアンネは私の前にたち両手を前にかざす。
「ちょっとアンネちゃん、多分あれで倒したと思うんだけど」
「いや、あいつはまだ元気だぞ。まだ動いている臭いがするからな」
「ー…え?」
煙が徐々に薄まっていき、魔物の姿が少しずつ見え始める。
「あ、本当だ」
私の渾身の【苺爆弾】を受けてあんなに元気だなんて…。
魔物はこちらをギロリと睨みつけ、体ごとこちらに向ける。
「残念だったな…今の俺は最強状態なんだ! そんな攻撃くらいなら効かないんだよ!!」
魔物は巨大なおちんちんをブンブン振りながら私に怒鳴りつける。
「え…まじ?」
「あぁ…俺のスキル…【ドMパワー】でなぁ!!」
「ドM…パワー?」
「あぁそうだ!! このスキルは俺に快感を伴う激痛が走るとその痛みに応じて強くなるというもの…そしてそこのお前!!」
魔物が私の後ろにいるミーナを指差す。
「み、ミーナにゃ!?」
「そうだ俺のエンジェル! お前が俺の金玉を蹴った際、一個潰れちまってるんだよ!!」
そう言うと魔物は片腕で巨大おちんちんを抱え込み、もう片方の手で玉袋を持ち上げる。
「本当だ!!」
片方は丸いものが中に入ってるけど、もう片方はなんと言うか…グニャッとなっている。
「これが死ぬほど痛くて…だけど心のどこかで快感で…もう言葉ではいい表せない!!」
魔物が近くの木におちんちんをぶつけて破壊させる。
「おい魔物のお前! これ以上森を破壊するな!」
アンネが魔物に叫ぶ。
「なんだガキィ! じゃあお前が俺のこの如何しようも無い感情を受け止めるって言うのか!? あぁ!?」
「アンネちゃん! ここは私がなんとかするから後ろに下がって!」
私は後ろからアンネに声をかけるもー…
「大丈夫だ」
アンネは大きく深呼吸をして魔物を見据える。
「逃げないとはいい根性してるな…! わかった、なら俺が満足するまで楽しませてもらうぞおお!!!」
魔物が勢いよくアンネに襲いかかる。
ーー…しかし。
「クリスタルロック」
アンネが小さく呟く。
「ーー…!!??」
魔物足下に水色に光る魔法陣が出現したかと思うと、次の瞬間にはひし形のクリスタルが出現。魔物を中に閉じ込めている。
「な…なんだこれは…! くっ、出られん!!」
魔物が中からクリスタルを殴っているがビクともしない。
「エルフの姫代々に受け継がれている封印魔法だ。そう簡単に出られると思うな」
アンネがゆっくりと捕らえた魔物の方に向かって歩み寄る。
「ーー…封印魔法?」
「そうだ。この魔法で代々エルフの里ー…ないしはここメイデスの森を襲ってきた脅威から守られてきたと言っても過言ではない。アンネは先代からそう聞いている」
アンネはクリスタルに再び手をかざす。
「ー…どうするの?」
「地面に埋めて永久に封印するのだ。こいつはエルフの血が途絶えぬ限り永久に出られることなはい」
「ーー…な、なんだとこのガキぃー!!!」
魔物の入ったクリスタルが徐々に地面へとめり込んでいく。
中で必死にもがいているが、やはりビクともしていない。
ーー…さすが長年生きているエルフの魔法。
私はそう感心しながらその光景を眺めていた。
しかし。
『カァーーーーッ!!!』
『カァーーーーッ!!!』
森の上空からカラスの鳴き声。
カラスの鳴き声なんだけど、どこか寒気を覚えるような感覚だ。
「なんにゃ? カラスの喧嘩かにゃ?」
ミーナが上を見上げる。
私もつられて上を見上げるとー…
「ーー…!!??」
二匹のカラスが猛スピードでこちらに向かって突っ込んできている。
「な、なんにゃ!?」
それらは一直線にアンネの方に。
「アンネちゃん! 危ない!」
「え?」
アンネが私たちの方を振り返る。
それと同時くらいだろうー…2体のカラスがアンネに直撃。
その衝撃で大きな土煙が舞った。
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