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メイデスの森へ!
144 迷子!?
しおりを挟む百四十四話 迷子!?
「では、あの森を抜けましょうか!」
ウルゼッタが手前にちょこんと見える森を指差す。
「うん。結構深そうだからそこが心配だなー。」
森の中で野宿とか本当に勘弁してほしい。だって蛇とか普通に出そうだし。
「ヒミコさんはどのくらいで抜けたんですの?」
「んーとね、みーちゃん逃げるのに必死だったから覚えてない。」
「そうですか…。まぁ地図に書いてある大きさから考えても二日は歩き続けないと行けないかもしれませんわね。」
ー…はい、野宿確定。
こうして私たちはヤマタイ国に向かうに当たって必ず通れなけれなならない森ー…【メイデスの森】へと向かった。
◆◇◆◇
「ーー…立ち入り禁止?」
森の中へと伸びる唯一の一本道。その手前には堅牢なバリケードが貼られており、その手前に立て看板。
ー危険。この先入るべからず。ー
「これは想定外ですわね。」
周辺を見渡すと、私たち同様そこで足止めを食らっている人が何人か確認できた。
「あの、何があったんですの?」
ウルゼッタが大きな木の台車に荷物を積んだ商人風の男に話しかける。
「なんでも例のヤマタイ国を滅ぼした邪神の配下の1人がこの森にいるらしいんだ。」
「えぇ!? 邪神の配下がですか!?」
ウルゼッタが驚きのあまり大声で突っ込む。
「そうなの? なら行きまちょ。」
ツクヨミが指をパキッと鳴らしながらバリケードの方へ。
「待って! みーちゃんも!!」
「ご主人様ぁー! ミーナも行くにゃー!!」
「あー! ちょっと待ってって!!」
声をかけて止めようとするもツクヨミたち3人はバリケードの隙間を潜ってそのまま森の中へ駆けていってしまった。
ーー…ていうかあんな狭い隙間を入れるなんて。こういう時に幼児化って使えるんだなぁ。。
「ちょっとどうしますの!? 行っちゃいましたわよ!?」
関心していた私の背中をウルゼッタが叩く。
「あー…うん。じゃあ私たちも行こうか。」
さすがに他の人の前で幼児化するわけにもいかなかったので私たちは離れた場所へ移動。道のない茂みに入りツクヨミたちの行ったであろう方向へと走った。
ーー…のだが。。
「ーー…まぁ。そうなりますわよね。」
ウルゼッタが木に寄りかかりながらため息をつく。
「うん。私もそんな気がしてた。」
そう、迷子。
道無き道を歩いてたんだからしょうがないとはいえ、森の中ってここまで迷うんだ。
「あの、イルレシオン。3人の居場所わかりませんの?」
ウルゼッタが近くを飛ぶイルレシオンに尋ねる。
『どうやらこの森一帯に感知を妨げる魔法が施されているようです。なので私にはわかりかねます。』
「感知を妨げる魔法ー…ですか。」
「あれかな、あの商人のおじさんが言ってた邪神の配下がやってるんじゃないの?」
「あー。ありえますわね。」
『とりあえずここで立ち止まっているのは危険です。休むのなら広めの見晴らしの良いところが良いと提案します。』
イルレシオンは周囲を軽く見回った後、ウルゼッタのもとへ。
「そうですの?」
『はい。ここではイルレシオンの感知能力が使用できません。なのでどうか戦いやすく、敵を認知しやすい場所へ。』
「なるほどですわ。」
こうして私たちは森の中の徘徊を再開。イルレシオンの言っていた広く見晴らしのいい場所を探して周囲に目を配りながら進んでいく。
すると…。
「ー…あ、あれ。」
少し先に開けた場所が。その中心には大きめの池。
「本当ですわ! ちょうど喉も乾いてきたところでしたし、あちらで休憩いたしましょう。」
私たちはその池目指して歩き出す。
『お待ちください。誰かいます。』
「「え?」」
イルレシオンが私たちの前に立ちふさがり動きを止める。
『邪神の配下かもしれません。お気をつけください。』
なんだろう…イルレシオンの表情がガチだ。
「なんですのイルレシオン。あなた邪神のことあまり知らないでしょうに、どうしてそこまで警戒してるんですの?」
ウルゼッタが首を傾げながら尋ねる。
「確かに。イルレシオンなんか知ってるの?」
私たちの問いにイルレシオンは沈黙。その後小さく首を振った。
「あ、あれだよウルゼッタ。イルレシオンはウルゼッタのことが心配だから、そこまで警戒してくれてるんだよ。ね、イルレシオン。」
『は…はい。』
「そうなんですの? それはありがたいですわ。」
「そんな心配だったら先に私が偵察してくるよ。」
私は絆創膏をアソコに装着し、【神の完全隠密】を発動させた状態で池の方へ。
するとそこにはまだ見た目は幼いー…全裸の女の子がいた。
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