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新たな旅路2!
102 問題の冒険者
しおりを挟む百二話 問題の冒険者
「今出せるものと言ったらこれくらいですがー…。」
小さな小屋へと案内された私たちのもとへ、大量のおにぎりが詰められた大皿が運ばれて来た。
運んでくるのは全て男性。
「あの、女の人はどこに?」
「冒険者たちに見つからないよう、奥の屋敷で集まってもらっています。我々のようなむさ苦しい男だらけで申し訳ない。」
なるほど。ここの集落は女性を大切に扱ってくれる人ばかりなんだ。
ーー…て言うかここまで親切な対応受けたのって久しぶりじゃない?
私の記憶上だとナルテアの武器屋のおじさんくらいだ。
そんなことを考えている間にもおにぎりを乗せたお皿が次々と目の前に。
「さ…流石にこんな多くは食べられませんわ。。」
見るからに男性10人分くらいの量。ウルゼッタが少し引きながらおにぎりを眺める。
「この集落ではお米を多く生産していまして。肉や魚などはあまりございませんがよろしければお召し上がりください。お代の方は結構です。迷惑をかけてしまいましたのでその償いとさせてください。」
「あー、じゃあお言葉に甘えて。ありがとうございますいただきます。」
私たちはそこでお腹いっぱいになるまで新鮮なお米の味を堪能した。
◆◇◆◇
おにぎりを食べ始めてどのくらい経っただろうか。
小屋の扉が勢いよく開かれる。
「リーダー…! き、来ました!!」
男が額から大量の汗を垂れ流しながらリーダーの男性に視線を向ける。
「どうした。客人の前だぞ。」
「奴らだ。奴らが来たんだ!!」
かなり急いで知らせに来たのだろうー…報告し終えた男性はその場でしゃがみ込んで息を整える。
「何かしら。さっきあなたが言ってた冒険者たち?」
ツクヨミが集落のリーダーに尋ねる。
「そのようです。あなた方はここで身を潜めていていただければ。」
「大丈夫ですの? あれでしたら加勢いたしますけれど。」
口元に米粒をつけたウルゼッタが立ち上がり提案。腰に下げたクリスタルソードに手を添える。
「いえ。女性に怪我をさせるわけにはいきません。」
そう言うとここにいた男性たちは緊張した面持ちでお互いに頷きあい、外へと出ていった。
「ーー…どうする?」
私は皆を見渡す。
「どうすると言われましてもねぇ。ここにいるよう言われましたし。」
「みーちゃん、みんなが心配。」
ヒミコが私の服を引っ張る。
「ーー…分かった。ちょっと様子見てくるよ。危なそうだったらマルくん呼び出して知らせるね。」
私はアソコに絆創膏を貼り付け、男性たちが向かった方向へと走った。
◆◇◆◇
「あ、いた。」
集落の出入り口に男性10名程が武器を構えて冒険者たちを牽制中。
問題の冒険者たちはどうやら五人組らしい。
武器を構えられていると言うのにかなり余裕の表情ー…相当自分たちの実力に自信があるのだろうか。
背後の建物からは銃やボウガンを構えた男性たちが冒険者目掛けて狙いを定めている。
「なぁ、これはどう言うことだ?」
冒険者の1人が一歩前へ。
「見ての通りだ。我々はもうお前たちの力は借りない! とっととこの集落から消えてくれ!」
「それが恩人に向けた言葉か!? あぁ!?」
冒険者がブチギレる。
しかし集落側の男性も黙ってはいない。
「だから我々も出来る限りの謝礼はした! しかしお前たちはそれでは飽き足らずにー……!!!」
ーー…大金と若い女性を要求したと。。
それからしばらく続くと思われた話し合いは急に途切れることとなる。
冒険者の中の1人が手を前にかざして魔法陣を展開。
そこから光の矢が出現。それは勢いよく撃ち出され、男性のお腹を貫通させた。
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