絆創膏をアソコに貼った私が無双して世界を救う！？

絆創膏…どうしよう！

03 準備

　三話　　準備


　「では諸君。　神の果実から授かった物を有効に活用して、頑張ってくれたまえ。」

　最後に国王が私たちに激励の言葉をかけ、集まりは解散。
　ちなみに絆創膏というハズレくじを引いた私は、王国の人たちの情けで密かに３００００ディアをもらうことができた。


　さて、まずはどこへ行こうか…。

　小さな村で何も考えずに過ごしてきた私は何をやればいいのか分からなかったので、とりあえず装備を整えに武器屋さんへと向かうことにした。



「こ、こんにちはー。」

　緊張しながら木造の扉を開ける。
　すると中からまるまる太ったおじさんがカウンターからこちらを覗くようにして見ていた。

「おう、いらっしゃい。　お嬢ちゃん初めて？」

「あ、はい。　あの私、この度魔王討伐に選ばれたナタリーです。　よろしくお願いします！」

　どうしていいのか分からず、とりあえず挨拶をする。
　村のおばあさまも挨拶はきちんとって言ってたし。

「これはこれは。　てことは君は勇者だね！　いやー勇者様が私の店を選んでくれるなんてねー！」

　おじさんは満足げに頷きながら私を見る。

「それで、ナタリーちゃん…だったかな。　どんな武器をお探しで？」

「えーと…それが、何を買ったらいいのか分からなくて。」

「そうなの？　じゃあレベルは？」

「レベル？」

「え！　レベル知らないの！？」

　おじさんは目を大きく開いて近づいてくる。

「なんだ腕輪ちゃんとあるじゃないか。　その腕輪を前に掲げてみて。」

「ー…これですか？」

　私は言われた通りに左手につけていた腕輪を前に掲げる。
　すると自分のステータス情報が目の前に浮かび上がった。


●ナタリー
【レベル】１
【装備】なし
【数値】攻：５　防：２　魔攻：０　魔防：２　
【スキル】なし



「うわ、すごい。」

　この腕輪、王国に行くときに村のおばあさまから渡されてはいたんだけど、まさかこれがステータスを見るアイテムだったなんて。

「それであの…これで装備できるものってどれですかね。」

　私はそのステータス画面を見せながらおじさんに尋ねる。
しかし…。

「え、あ…いや。　ごめんね、ナタリーちゃんに売れる武器、これしかないや。」

　そういって出されたのは片手剣。
　しかも安っぽい。
　値段はー…１０ディア！？


「ーー…え、これだけですか？」


　他にもあるのにどうして…と私は壁に飾られている武器を見渡す。


「その低…ステータスではこれが限度だよ。」

「そ…そんな……。」


　なんか思い描いていたスタートとまるで違う。
　とは言いつつも申し訳ないからタダでいいとおじさんが言うので、私はそれを片手に弱い魔獣がでる草原へと向かった。



●ナタリー
【レベル】１
【装備】片手剣
【数値】攻：８　防：２　魔攻：０　魔防：２　　
【スキル】なし