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39 JS直筆用紙ゲット!
しおりを挟む三十九話 JS直筆用紙ゲット!
日曜もあっという間に終わり月曜の朝。
オレは小さく唸りながら教室の机に入っていた一枚の紙を見つめる。
「んーーーー」
そこにはすっごく簡潔に『しね』の二文字。
筆跡的には女っぽいんだけど一体誰なんだ? 三好・小畑・多田以外の女子でオレをいじめそうなやつ……。
オレは脳内で何度も目を通したイジメノートに書かれていた名前と内容を思い出していく。
ーー……が、該当するものがない。
ていうか案外こういう直球的なものってあんまりなかったっぽいからな。
もしかしたら他クラスの奴が面白がってオレを標的にした……? まぁまったく傷ついてはいないんだけどね。
周囲をチラッと見渡してみるも、誰1人オレに見向きもしていない。
これはまた腕がなるぜ……。
早速オレは放課後三好と多田を呼び出して話を聞くことにした。
◆◇◆◇
「いや、私は知らないかなー」
いつもの図工室前の女子トイレ内の個室。 三好が『しね』と書かれた紙を見ながら首を左右に振る。
そして多田も三好と同じで犯人に心当たりがないようで「ウチの周りにもそんなこと言ってる子いなかったよ」と三好の持つ紙を覗き込んでいた。
なるほどな。
誰かを構ってるような感じもしないし、本当に2人はこの件について何も知らないのだろう。
「じゃあさ、この筆跡に見覚えとかないか? 全体的に丸っぽい字だし、絶対女子だと思うんだけど」
そう尋ねてみるとどうだろう。 三好が「いや……ていうか女子ってほとんどこんな字だよ」と呆れながら答える。
「え、そうなの?」
「そうだよ。 今私らの年代ってこんな感じの文字が可愛いってなってるの。 もしかして福田知らなかった?」
「まったく知らなかった」
オレは三好と多田にそれっぽいことをしたという話を聞いたらすぐにオレに連絡を入れるよう指示。 従順なる奴隷たちは嫌な顔1つせずに了承した。
◆◇◆◇
あれから家に帰り部屋へと戻ったオレは再びその紙をランドセルから取り出してじっと見つめる。
「ーー……ていうかアレだよな。 ラブレターとかと一緒でこの誹謗文も女の子が書いてることに変わりはないんだ。 てことは実質的にJS直筆の紙ゲットってことでいいんだよな?」
もう周囲の目も気にする必要ない。
オレはそれを鼻に押し当て勢いよく息を吸い込んだ。
スゥーーーーーーーンッ!!!
うん。 完全に無臭だがオレの脳内補正が影響しているのか、ほのかに甘い香り……JSの香りが全身を駆け巡る。
本当にこれは誰が書いたのだろう。 可愛い子なら今後もこの紙で楽しませてもらうけど、めちゃめちゃ醜い顔だったり実は男が書いてました……とかだったら絶対に許さん!!!
「よし、決めた。 明日ちょっと早めに行ってカメラ回しとくか」
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