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11 衝撃の落し物【挿絵有】

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 十一話  衝撃の落し物


「福田ぁー、ちょっとこっちおいでーー」


 ある日の放課後。 迫真の演技で三好と多田がオレの腕を掴んで教室を出る。


「2組の福田くん大丈夫?」
「あれ流石にやりすぎじゃない? 止めたら?」
「無理無理、だって止めたら次は自分かもしれないじゃん!」


 耳に入ってくるのは他クラスからの同情の声。
 しかし違うんだよなぁ。 オレ、イジメられてるんじゃなくて、イジメさせてあげてるんだよなぁ。

 いや、イジメてもらってる……か?

 今日は期待の新星・小畑美波は習い事のため、三好と多田の2人でオレをいじめることとなっていた……のだが。


「ちょっと多田! ストップ!!」

 
 蹴られてる最中、オレは多田の足をガシッと掴む。


「え、なに? ウチ……なんかダメなことした?」


 多田が少し不安な表情をしながらオレに尋ねる。


「んーとね、もっとこう……蹴る時は足をあげて、少し力を緩めつつ蹴り飛ばすんだ」


 ーー……じゃないとパンツ見えないんだよ。


 女子にいじめられてる時の何がたまらないってさ……あの見下されてる感じと蹴る寸前に見えるあのパンチラ具合なんだよな。
 それがないとどうも興奮が最高潮にまでいかない……もちろんちょうどいい痛みも快感なんだけどね!!


「わ、わかった! こう?」


 多田が今一度オレを蹴る。


 ベシッ


「んー、もうちょっと足を上げて開く感じ」

「こう?」


 ベシッッ


「そうそう完璧。 いい調子だぞ」

「あ、ありがとう」


 いやなんで多田がお礼を言うんだよ。 感謝をするのはオレの方なんだけどな。
 オレはその後リラックスした状態でオレを蹴りまくる2人の姿を見ていたのだが、ここでとあることに気づいてしまう。

 そう、三好を褒めていないじゃないか。


「なぁ三好」

「な、なにさ」

 
「三好はその調子ぃいいい!!!」


 ◆◇◆◇


 その日も満足して帰っていると、ちょうどオレの前を歩いていた女の子のポケットからハンカチがハラリと落ちる。


「ーー……あ、ちょっと! 落ちたよ!」





 オレはそれを拾い上げて駆け寄る。
 すると女の子はビクッと体をビクつかせ、俯きながらハンカチを受け取った。


「あ……ありがとう」

「あーいや別に。 ていうか……んん?」


 偶然女の子のランドセルに視線がいったのだが、よく見るとランドセル……細かい小さな傷がいくつも付いている。
 外で遊んでたりしたらそのうち付いていくかもしれないけど、こんなおとなしい子が……?


 オレがそんな違和感を不思議に感じていると、ハンカチを受け取った女の子はオレに小さくお辞儀。 その後そそくさと自宅があるのであろう方面へと足早に消えていったのだった。

 なんか変な子だったなぁ。


「まぁいっか。 それよりも……」


 ◆◇◆◇


 今日は……いや今日こそはスマートフォンで目覚ましをセットしつつ優香のパンツの香りを堪能してやるんだああああああ!!

 そう、今からオレが味わうのはJKパンツのテイスティングタイム!! せっかくJKの姉がいるんだからこれをせずしてなにをする!!
 自宅に着いたオレは欲望に満ち溢れながら玄関を勢いよく開けたのだが……


「あ、おかえりダイキー」


 ーー……へ?


 18時までまだまだだというのにリビングから優香がひょこっと顔を出している。


「え、なんでいるの?」

 
 オレが若干テンパりながら尋ねるとまさかの返答。
 優香は「んー、ちょっとね。 体調悪かったから早退してきちゃった」と笑いながら答えた。


「え、えええええ!?!?!?早退いいいいい!?!?!?」


 オレは急いで優香のいるリビングへ。
 しかし中に入ってまずオレの視界に飛び込んできたのは制服を脱ぎかけていた優香の姿。
 脱ぎかけの隙間からは普段見えない部分の綺麗な肌が顔を覗かせている。


「ーー……ぬあ!?!? な、なんでお姉ちゃんそんな格好……!!」

「あーごめんね。 私もちょうど帰ってきたところだったから」


 優香が床に置いていたスカートをヒョイっと持ち上げる。  
 その時だった。


「ーー……ん?」


 優香のスカートからポロンと何かが落ちる。


「あ、お姉ちゃんなんか落ちたよー……」


 優香は気づいてなさそうだったので声をかけながら拾い上げて確認すると、それは正方形の白濁色の袋に詰められた何か。
 ていうかこれって……。


「あ、ごめん!!」


 優香が急いでそれを取る。

 いや、あれってもしかしなくてもあれだよな? 
 オレは使うことなくくしゃみで死んじゃったけど、流石に知識はあるぞ。


「お、お姉ちゃん、それって……」

「ごごごめんねダイキ! お姉ちゃん、シャワー浴びてゆっくり休んでるね!!」

「え」


 らしくない返答。 優香はそのまま慌てて自室へ……そしてしばらくの間部屋から出てこなかったのであった。
 

「ーー……嘘だ、嘘だと言ってくれ」


 高校一年生でもう持ってるってことはそれしかないだろ!?
 オレはその場で膝から崩れ落ち、心の中で声を大にしてこう叫んだ。


 オレの姉ちゃん……経験者だったのかよおおおおおおお!!!!!
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