青色の瞳

天邪鬼

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読書の邪魔はしないでほしい

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帰り道とか、たまに
クラスの同性、あるいは異性同士
キャッキャ、キャッキャ言いながら集まっている奴らがいるけど...あれはなんなんだ?
いや、どうでもいい話を大きな声で喋ってんじゃねえよとか、集団でしか行動出来ないのかよ邪魔だから早く家に帰れとか
そういうことを言いたいわけじゃねえ
別に構わん。
短い高校生活を、好きな友達と楽しく過ごしてるんだ。
多少邪魔でもまあ、声に出すほどでもない。
俺が気になるのは、なんであそこまで仲のいい友達が出来るのかだ。
クラスメイトは決して友達ではない。
あくまでクラスメイトだ。
討論できる友達が俺にはいないので、自分で考えることにしよう。
まずは、席が隣、あるいは前後だった場合。
教科書を貸してくれたり、わからない問題を聞いたり、落ちた消しゴムを拾った時に触れる手、......違う違う。
というか、それで友達にはなれない。
じゃぁ...なんだ、部活?
ああ、そうだ。部活だ。
部活なら嫌でも帰る時間は揃うだろうし、趣味も合う、授業と違って生徒同士の会話も多いだろうし、まあ俺が部活に入ったところで友達ができるなんてことはないんだけどな!!
なんだか悲しくなってきた!
「おい、お前」
え、俺?
「アホ毛」
あ、俺じゃない。
自分のことだと一瞬でも思ったのが恥ずかしい。て、ん?俺はアホ毛も寝癖もついていないが、この教室に俺以外に人がいるのか?
あたりを見渡す。
早く起きすぎて、興味本位がてら、朝6時台に登校してきてるから、クライスメイトどころか、教室陣すらほとんど来ていないだろう。
だから、ここにアホ毛とやらがいるとすれば......
「アホ毛じゃないよ、失礼なこと言うなあ」
俺が小説を読んでいて気がついていないという可能性しかない。
「うるせえよ」
「うるさいのは君だよ、朝っぱらから」
「いいだろ誰もいねえんだから」
「いるよ、僕と君合わせて3人も」
「3人...?」
こっち見ないでください。
小説を読んでいて気づいてないみたいにしてますけど、視線は感じるんで、見ないでください。
「2人だろ」
俺は一体誰の視線を感じていたんですか?
自意識ですか?自分で自分を見つめてる感じですか?誰かわかんねーけど一生恨むぞこの野郎。
知らぬ間に恨まれるなんて可哀想に。
「まあ、いいや。おいアホ毛。お前どういうことだこれ」
「なに」
「俺の妹に怪我させたのお前だろ」
「違うよ」
「お前だろ」
「違う」
「とぼけんじゃねえぞ!!」
「意見を聞く気がないなら最初から聞くなよ」
「は?」
「違う違うって言ってんのに、決めつけんな」
「......違うのか?」
「君の妹に怪我をさせたのは僕だ」
今のとぼけはなんだったんだよアホ毛ーー!
くそうぜえなこいつ、こんなやつ俺のクラスにいたのかよ。
「だろうな」
ドスッ...と、音がした。
嫌な空気を感じ、小説の隙間から、音の下方向を覗く。















ナイフ...?













アホ毛の胸に、銀色のナイフが...


いわゆる銀食器


その先端が、人間の胸に...ドスッと、刺さって...


え...、え、あ...はぁぁぁああああ!?
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