【R18】『エロステータス』が見えるようになった俺は、追放した勇者パーティーを全員寝取る

あむあむ

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半魔賢者

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 ライは大きな声を上げるとその場でたたらを踏む。
 そんな彼女を見てメメは「はッ」と鼻で笑う。

「今どき珍しくもないでしょ? オバサン」
「オバ……私はまだそんな年ではありません」
「サバを読んでも私にはわかるって」

 言われてみればライの年齢を知らないな。
 見た目的に言えば20台後半か、カーラより少し上くらい?
 声も若いし、サバを読んでいるよう感じないが。
 強いて言えば、喋り方が大人っぽいくらいだろう。

「そう、見た目から察するに……貴女は淫魔とのハーフ」
「正解、私の名前はメメ・メントール。よろしく、新入り」
「メメ・メントール……」

 しかし、さっきからどうしたというのだ。
 ライの反応がやけに大きい気がする。
 ここまで喜怒哀楽の激しい女性ではなかったと思うけど。
 それだけ今の環境が勇者パーティーの時とは変化している、ということなのか。
 
「どうした、握手しないのか?」

 メメは自身の右手を差し出し握手を求めた。
 けれどライは口元に指を当て、ジッと観察をしている。

「いえ、今回は控えさせていただきます」
「むッ……私は敵じゃないぞ」
「分かっています。ただ、クセでして」
「癖?」
「淫魔と分かっている以上、簡単に身体には触れさせられません」

 淫魔のような精神を攻撃するタイプに接近をしない。
 癖っていうのは、そういう意味だ。
 昔までのメメなら彼女の『無礼』に対し怒っていた。
 けれど「仕方がない」と無理強いすることはなかった。

「話に聞いていた通り、頭が良いみたいだね」
「この中であれば誰よりも賢いと自負しています」
「謙遜もしないところ、嫌いじゃないよ」
「光栄です、ケイオス様の相棒にそう言っていただけるとは」
「相棒……そう! 私がケイオスの相棒だ! あはは!」
「俺の相棒って言われて嬉しいのか、メメ」
「勿論だとも、ケイオス!」

 鼻を鳴らしながらご機嫌そうに俺に近づいてくるメメ。
 一回睡眠を挟んだから、心も身体もしっかりと回復したみたいだ。
 よかった、本当に。

「これで準備が整ったな、復讐の!」
「あぁ、怒涛の数週間だったが、ようやくだ」
「新入り、お前が入ったってことは勇者に勝てるんだろ?」
「勿論ですよ、ご期待にお答えしましょう」
「じゃあ皆集まれ、作戦会議をするぞ!」

 メメの声に呼ばれ、皆が円卓を囲んで座った。
 裏切り、騙し、殺し、許した者達が全員同じ目的で。

「よし、まずはアルフレドのステータスと能力だが──」

 俺の知っている情報を公開し、共有。
 ライの指示により戦略を構築していく。
 これだけのメンバーが揃っても、総力戦になってしまう。
 それほどまでに勇者の力は絶大だ。

 だが、勝てる。

 俺は絶対に成し遂げる。
 あと少しで、このドス黒い感情からも開放されるだろう。
 勇者から隠れ、怯える日々ともおさらばだ。
 穏やかな日々が戻ってくる。

 ──それから、どうする?

 メメはもう、人間に対する復讐心を忘れている。
 そう言えば、カタリナは孤児を助ける教会を開きたいと言っていたな。
 カーラは自分の子供達を探したい、と。
 レックとカットルはギルドで強敵を探し続けるのだろうか。
 ライは多分、また別のパーティーに入るかも。
 復讐を手伝ってもらった恩返しに、彼女達の力になりたい。

 俺の人生は、これから始まるのだ。
 勇者を倒して、初めて俺が始まる。
 だから、だからこそ、必ず倒す。

「──ケイオス様、聞いていますか?」
「あ、あぁ、大丈夫だ、ライ。作戦は了解、直ぐに行くか」

 ライの提案した作戦に異論はなかった。
 ぼーっとしている場合ではないと、俺は自らの頬を叩き鼓舞させる。
 その様子を見たカーラが手を上げた。

「ご主人様、見たところ全員が満身創痍です。一日休息を」
「カーラさんの言っていることは理解できますが、時間がありませんよ」
「でも、このままでは勝算が」
「現状可能な最善手を提案したつもりです。何か代案がありますか?」
「……」

 しばらく考えても、沈黙が続くだけ。
 カーラも現状の戦力で時間を掛けることは、自らの首を絞めることになると分かっている。
 そんな彼女に対し、俺は背中を押すように続けた。

「ライの言うとおりだ、時間を掛ければ掛けるほど俺達は不利になる」
「アルフレド様から奇襲を仕掛けられれば、勝算は0になりますよ」
「わ、わかったわよ、でも、カタリナは戦場には出せないわよ」
「ご安心ください。カタリナさんは最後方で回復役、一番安全ですよ」
「カーラ、ライの作戦は完璧、お前の力も必要なんだ」
「……っ、はいはい、わかり、ました」

 押し問答の末、ようやくカーラも納得してくれたみたいだ。
 きっとライの作戦は、彼女の気持ちを読み取ってのことだろう。
 直ぐ、これから直ぐに会いに行く。
 先手必勝は弱者の特権、十二分に使わせてもらう。

 ……と、それっぽい理由をつけてはみたものの。
 結局は俺が待ち切れないだけだ。
 早く、早く、早く、鼓動が早まり、額から汗が流れる。
 手の震えは武者震いだ。

「行くぞ、みんな……俺について来い」

 
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