4 / 5
3話
のあと星の箱庭🐭チューチュールート3話
しおりを挟む
ひとみちゃんに怒られつつも、毎日テントに通うようになった。
悪い人かもしれないんだけど、なんだか気になっちゃう。毎日話しているとだんだん変化があって、時々会話が成立する時が出てる気がする。ひとみちゃんに怒られるまでの間だけど、ちょっとずつ会話ができるようになっていくのにワクワクしている自分がいる。全然懐かなかった野良猫がだんだん撫でられるようになるみたいな嬉しいような感覚。
今日はどれくらいお話できるかなあって楽しみになっている。
ちょっとした日々の楽しみに心躍らせながら教室に入ると、ひとみちゃんが真っ青な顔をしていた。
「ひとみちゃん!どうしたの?!体調悪いの?保健室行く?」
「【のあ】ちゃん...昨日イヤリング落としちゃって...酷い予知夢見て...イヤリングが悪い予知夢から守ってくれてたんだけど...」
たしかに、いつもひとみちゃんの耳で輝いている大きなアメジスト色の宝石が今日は付いてなかった。
「どこで無くしちゃったかわかる?私も探すよ!」
「たぶん...昨日校舎から出るまではあったから園庭だと思う...」
「休み時間を使って探しに行こう!大丈夫、きっと見つかるよ!」
「【のあ】ちゃん...ありがとう。」
その日は休み時間のたびに園庭をぐるぐる歩いて探し回った。でも見つからなくて、結局学校が終わってからも探し続けることになった。
確か昨日もテントに行ったから、あそこかもしれない。行ってみよう!
屈んで、園庭の花壇の下まで覗き込んで探すけど見つからない。これだけ広い学園だし、もしかしたら見つけるまで数日かかっちゃうかも...。でもひとみちゃんのために頑張らなきゃ!ひとみちゃんには元気でいて欲しいもん!
「Ciao bella! 君はヒーラー能力者の【のあ】!赤い髪飾りが似合っているな!しゃがみ込んで何をしているんだ?」
「きゃっ!」
いつも驚いてる気がする...お話ししたいけど、イヤリングが見つかるまでお喋りは当分お休みかもなあ。
「ひとみちゃんがイヤリングを落としちゃったから、一緒に探してるの」
「予知夢能力者のイヤリングなのに、どうして君が探すんだ?」
「え、友達だから...?」
「友達だから?よくわからないな。見つけたところで君には何の利益も無いだろう」
うーん、友達を手伝うのはあたり前のことだと思ってたからなあ...。利益がどうとかすら考えてすら無かった...。どうしよう...改めて言われると何のためなのかな...?
「ひとみちゃんが困ってるから何とかしたくて、笑顔になってほしい私の我儘...かな?」
これで答えになってるのかな...うーん、わからない...。
「自分の我儘、で動くのか」
私の答えを聞いて、チューチューくんは驚いた顔をして、一言だけ呟いて、真顔で黙ってしまった...。
私、変なこと言っちゃった...?!だって友達のために動くのに損得とか、そんなに考えたことなんて無いもんー!!!
「そういう考えもあるんだな」
「Ragazzi!」
チューチューくんが何か言った声に合わせて、学園中から「ちゅー!」「ちゅー!」と鳴き声が聞こえてきて、沢山のねずぬいさんたちが集まってきた。うわあすごい!こんなにいっぱいいたんだあ!
しばらくねずぬいさんたちは園庭中を走り回って、ちょっとして一匹(匹でいいのかな?)こちらに来たと思ったら、大きな手でアメジストがついたイヤリングを手に持っていた。
「ひとみちゃんのイヤリング!」
すぐにひとみちゃんのところに持っていくと、イヤリングを見た瞬間ひとみちゃんの目がいつもみたいに宝石のようにキラキラ輝いて、見つかって良かった。って心から思った。
「見つけてくれてありがとう、【のあ】ちゃん!これおばあちゃんから貰った大事なイヤリングだったんだ!金具が壊れちゃってたのね、見つかって本当に良かった...。」
「見つけたのは私じゃなくてチューチューくんなの、ねずぬいさんたちが探してくれて」
「え?!そうなの?!」
ひとみちゃんは驚いた顔をしたけど、チューチューくんの方を向いて頭を下げた。
「イヤリングを見つけてくれてありがとう...。貴方のこと何も知らないのに、勝手に色々悪く言ってごめんなさい。」
「マフィアは悪いものだから気にするな!俺こそ、【のあ】にいいことを教えてもらった!」
「え?私何も教えてないよ?」
「自分の我儘で動くのもいいものだ!礼を言われるというのは存外嬉しいんだな!知らなかった!」
私としてはその場で捻り出した頓珍漢な答えだった気がするんだけど...。でもチューチューくんが嬉しそうで良かった。
チューチューくん、いつの間にかこんな風に笑えるようになってたんだなあ。
悪い人かもしれないんだけど、なんだか気になっちゃう。毎日話しているとだんだん変化があって、時々会話が成立する時が出てる気がする。ひとみちゃんに怒られるまでの間だけど、ちょっとずつ会話ができるようになっていくのにワクワクしている自分がいる。全然懐かなかった野良猫がだんだん撫でられるようになるみたいな嬉しいような感覚。
今日はどれくらいお話できるかなあって楽しみになっている。
ちょっとした日々の楽しみに心躍らせながら教室に入ると、ひとみちゃんが真っ青な顔をしていた。
「ひとみちゃん!どうしたの?!体調悪いの?保健室行く?」
「【のあ】ちゃん...昨日イヤリング落としちゃって...酷い予知夢見て...イヤリングが悪い予知夢から守ってくれてたんだけど...」
たしかに、いつもひとみちゃんの耳で輝いている大きなアメジスト色の宝石が今日は付いてなかった。
「どこで無くしちゃったかわかる?私も探すよ!」
「たぶん...昨日校舎から出るまではあったから園庭だと思う...」
「休み時間を使って探しに行こう!大丈夫、きっと見つかるよ!」
「【のあ】ちゃん...ありがとう。」
その日は休み時間のたびに園庭をぐるぐる歩いて探し回った。でも見つからなくて、結局学校が終わってからも探し続けることになった。
確か昨日もテントに行ったから、あそこかもしれない。行ってみよう!
屈んで、園庭の花壇の下まで覗き込んで探すけど見つからない。これだけ広い学園だし、もしかしたら見つけるまで数日かかっちゃうかも...。でもひとみちゃんのために頑張らなきゃ!ひとみちゃんには元気でいて欲しいもん!
「Ciao bella! 君はヒーラー能力者の【のあ】!赤い髪飾りが似合っているな!しゃがみ込んで何をしているんだ?」
「きゃっ!」
いつも驚いてる気がする...お話ししたいけど、イヤリングが見つかるまでお喋りは当分お休みかもなあ。
「ひとみちゃんがイヤリングを落としちゃったから、一緒に探してるの」
「予知夢能力者のイヤリングなのに、どうして君が探すんだ?」
「え、友達だから...?」
「友達だから?よくわからないな。見つけたところで君には何の利益も無いだろう」
うーん、友達を手伝うのはあたり前のことだと思ってたからなあ...。利益がどうとかすら考えてすら無かった...。どうしよう...改めて言われると何のためなのかな...?
「ひとみちゃんが困ってるから何とかしたくて、笑顔になってほしい私の我儘...かな?」
これで答えになってるのかな...うーん、わからない...。
「自分の我儘、で動くのか」
私の答えを聞いて、チューチューくんは驚いた顔をして、一言だけ呟いて、真顔で黙ってしまった...。
私、変なこと言っちゃった...?!だって友達のために動くのに損得とか、そんなに考えたことなんて無いもんー!!!
「そういう考えもあるんだな」
「Ragazzi!」
チューチューくんが何か言った声に合わせて、学園中から「ちゅー!」「ちゅー!」と鳴き声が聞こえてきて、沢山のねずぬいさんたちが集まってきた。うわあすごい!こんなにいっぱいいたんだあ!
しばらくねずぬいさんたちは園庭中を走り回って、ちょっとして一匹(匹でいいのかな?)こちらに来たと思ったら、大きな手でアメジストがついたイヤリングを手に持っていた。
「ひとみちゃんのイヤリング!」
すぐにひとみちゃんのところに持っていくと、イヤリングを見た瞬間ひとみちゃんの目がいつもみたいに宝石のようにキラキラ輝いて、見つかって良かった。って心から思った。
「見つけてくれてありがとう、【のあ】ちゃん!これおばあちゃんから貰った大事なイヤリングだったんだ!金具が壊れちゃってたのね、見つかって本当に良かった...。」
「見つけたのは私じゃなくてチューチューくんなの、ねずぬいさんたちが探してくれて」
「え?!そうなの?!」
ひとみちゃんは驚いた顔をしたけど、チューチューくんの方を向いて頭を下げた。
「イヤリングを見つけてくれてありがとう...。貴方のこと何も知らないのに、勝手に色々悪く言ってごめんなさい。」
「マフィアは悪いものだから気にするな!俺こそ、【のあ】にいいことを教えてもらった!」
「え?私何も教えてないよ?」
「自分の我儘で動くのもいいものだ!礼を言われるというのは存外嬉しいんだな!知らなかった!」
私としてはその場で捻り出した頓珍漢な答えだった気がするんだけど...。でもチューチューくんが嬉しそうで良かった。
チューチューくん、いつの間にかこんな風に笑えるようになってたんだなあ。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
完結一話追加:囲われサブリナは、今日も幸せ
ジュレヌク
恋愛
サブリナは、ちょっと人とは違う特技のある公爵令嬢。その特技のせいで、屋敷から一歩も出ず、限られた人とのみ接する読書漬け生活。
一方のクリストファーは、望まれずに産まれた第五王子。愛を知らずに育った彼は、傍若無人が服を着て歩くようなクズ。しかも、人間をサブリナかサブリナ以外かに分けるサイコパスだ。
そんな二人が出会い、愛を知り、婚約破棄ごっこを老執事と繰り返す婚約者に驚いたり、推理を働かせて事件を解決したり、ちょっと仲間も増やしたりしつつ、幸せな囲い囲われ生活に辿り着くまでのお話。
なろうには、短編として掲載していましたが、少し長いので三話に分けさせて頂きました。
地味女で喪女でもよく濡れる。~俺様海運王に開発されました~
あこや(亜胡夜カイ)
恋愛
新米学芸員の工藤貴奈(くどうあてな)は、自他ともに認める地味女で喪女だが、素敵な思い出がある。卒業旅行で訪れたギリシャで出会った美麗な男とのワンナイトラブだ。文字通り「ワンナイト」のつもりだったのに、なぜか貴奈に執着した男は日本へやってきた。貴奈が所属する博物館を含むグループ企業を丸ごと買収、CEOとして乗り込んできたのだ。「お前は俺が開発する」と宣言して、貴奈を学芸員兼秘書として側に置くという。彼氏いない歴=年齢、好きな相手は壁画の住人、「だったはず」の貴奈は、昼も夜も彼の執着に翻弄され、やがて体が応えるように……
義弟の為に悪役令嬢になったけど何故か義弟がヒロインに会う前にヤンデレ化している件。
あの
恋愛
交通事故で死んだら、大好きな乙女ゲームの世界に転生してしまった。けど、、ヒロインじゃなくて攻略対象の義姉の悪役令嬢!?
ゲームで推しキャラだったヤンデレ義弟に嫌われるのは胸が痛いけど幸せになってもらうために悪役になろう!と思ったのだけれど
ヒロインに会う前にヤンデレ化してしまったのです。
※初めて書くので設定などごちゃごちゃかもしれませんが暖かく見守ってください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる