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のあと星の箱庭🐭チューチュールート1話
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第1章
不思議の国の無骨なテント
★⭐︎ ★⭐︎ ★⭐︎ ★⭐︎ ★⭐︎ ★⭐︎
迷い込んだ不思議な学園で見つけた、無骨なテント。
テントの中に居たのは、ねずみの国の王子様。王子様はマフィアでヘンテコで
いっぱいいっぱい大混乱!
★⭐︎ ★⭐︎ ★⭐︎ ★⭐︎ ★⭐︎ ★⭐︎
少し学園にも慣れてきた。転校当初は連日クラスメイトから質問の嵐だったけど、それもだいぶ落ち着いて今はクラスメイトの1人として落ち着いた。クラスメイトの顔も名前も言えるくらいになって話せる友達も沢山できた。でもひとみちゃんがやっぱり一番話しやすい友達かも!最初にひとみちゃんに話しかけてもらって良かったなあ。
ちょっと不思議なのが、私のすぐ後ろの席。ずっと机が寂しそうにぽつんとしている。私が転校してから一度も登校しているのを見たことがない。
学園には慣れてきたけど、まだ行けてない場所もあって、今日はひとみちゃんに園庭を案内してもらうことになった。
園庭だけでもとっても広い学園だなあ、迷ってしまいそう。
園庭は綺麗に手入れされた色鮮やかな花々が咲き誇り、透明な水飛沫をあげる噴水やゆっくり休めそうな素敵なベンチがあって、まるでファンタジーなおとぎ話に出てくるお庭みたいだ。
ふと、おとぎ話のお庭に不似合いなものが目に入った。キャンプとかで見るアウトドア用の無骨なテント?のようなものが建てられている。あれは何だろう?
「【のあ】ちゃん!あそこには近づかない方がいいよ!」
ひとみちゃんが心底嫌そうな顔をしながら止めてくる。そんなこと言われると余計気になる...。
テントの近くをよく見ると、小さな生き物がチョロチョロ出たり入ったりしている。あれは何だろう?ハムスター?ネズミ?に近いのかな...でもネズミにしては手が大きい...もっと近くで見なきゃわからないかも...。
「【のあ】ちゃんってばー!」
ひとみちゃんの言うことに従わなきゃって気持ちと、好奇心とで揺れて、少しの差で好奇心が勝って、小さな生き物を追いかけてしまった。なんかちょっと白うさぎを追いかけるアリスになった気分、周りもとってもファンタジーなお庭だし。
よし、小さな生き物に近づいた!と思った瞬間、思ったよりテントに近づきすぎちゃったみたい!中から出てきた人とぶつかりそうになっちゃった。
「ごめんなさい!私前をちゃんと見てなくて...」
急いで避けようと後ろに下がろうとしたら足がもつれちゃった!あ、転ぶ!と思ったけど、大丈夫だった。どうやらテントから出てきた人に支えて貰ったようで、お礼を言おうと思って顔をあげたらびっくり!
金色の髪をした綺麗な顔をした外国人の男の子がこちらを覗き込んでいた。おとぎ話の絵本の挿絵で見たような王子様みたい!
唖然としていると、
「Ciao bella! 君は転校生のヒーラー能力者だな!ヒーラー能力者は貴重だし便利だからな!是非君はチューチューファミリーに入ってその能力を活用すべきだ!」
王子様の見た目には不似合いな単語を、いきなり矢継ぎ早に喋られて驚いてしまった。え、私のこと知ってるの?!ヒーラー能力?って何のこと?チューチューファミリーって何?!
あと距離が近いっ...///
外国の人ってみんなこうなのかな?!
「あ、あのちょっと近い...です!」
「はいはい!そこまで!【のあ】ちゃんを返して!」
いつのまにか走ってきたひとみちゃんに手を引かれて、やっと離れた。まだ心臓がドキドキしてる...。ひとみちゃんは私を守るように男の子と私の間に入った。
「Ciao bella! 君は予知夢能力者だな!予知夢能力も使える能力だ!是非チューチューファミリーに入ってその能力を活用すべきだ!」
「はいはい、入らない!じゃあね!」
ひとみちゃんは私の手を引いてテントから離れてしまう。金髪の王子様に気を取られて、最初の目的だった小さい生き物の正体はわからなかった。わかったのは、園庭に不似合いな無骨なテントには、ちょっぴり不思議なことを言うキラキラと光る金色の髪と吸い込まれそうな碧い目をした、王子様のような顔をした男の子がいることだけ。
園庭から離れると、ひとみちゃんはくるっと振り返って私の肩を掴んだ。
「【のあ】ちゃん!わかったでしょ?!この学園には色々な奴がいるの!特にあの"テントの人"は一方的に喋ってくるし、話は通じないし、何でこっちの能力知ってるかわからないの!怖いからもう近寄らない方がいいよ!」
「うーん、色々びっくりはしたけど怖い人では無いと思うんだけど...おとぎ話の王子様みたいだったし!」
「顔は良いかも知れないけど中身は意味不明なの!表情もロボットみたいで機械的な感じだし喋ってる内容も意味わから無いし!絶対悪い奴だって!」
「悪い人では無いと思うんだけどなあ」
「もー!いいから!ね、危ないから絶対近寄っちゃ駄目だよ!」
ね!と念を押されてしまった。ひとみちゃんが心配してくれてるのはわかるんだけど、どうしても不思議がいっぱいで気になってしまう。ごめんね、ひとみちゃん。多分、私またテントに近づいちゃう...。
なんだかわくわくしちゃう。おとぎ話の主人公にでもなった気分!
アリスが不思議の国の穴に入る時も、こんな気持ちだったのかしら?
不思議の国の無骨なテント
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迷い込んだ不思議な学園で見つけた、無骨なテント。
テントの中に居たのは、ねずみの国の王子様。王子様はマフィアでヘンテコで
いっぱいいっぱい大混乱!
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少し学園にも慣れてきた。転校当初は連日クラスメイトから質問の嵐だったけど、それもだいぶ落ち着いて今はクラスメイトの1人として落ち着いた。クラスメイトの顔も名前も言えるくらいになって話せる友達も沢山できた。でもひとみちゃんがやっぱり一番話しやすい友達かも!最初にひとみちゃんに話しかけてもらって良かったなあ。
ちょっと不思議なのが、私のすぐ後ろの席。ずっと机が寂しそうにぽつんとしている。私が転校してから一度も登校しているのを見たことがない。
学園には慣れてきたけど、まだ行けてない場所もあって、今日はひとみちゃんに園庭を案内してもらうことになった。
園庭だけでもとっても広い学園だなあ、迷ってしまいそう。
園庭は綺麗に手入れされた色鮮やかな花々が咲き誇り、透明な水飛沫をあげる噴水やゆっくり休めそうな素敵なベンチがあって、まるでファンタジーなおとぎ話に出てくるお庭みたいだ。
ふと、おとぎ話のお庭に不似合いなものが目に入った。キャンプとかで見るアウトドア用の無骨なテント?のようなものが建てられている。あれは何だろう?
「【のあ】ちゃん!あそこには近づかない方がいいよ!」
ひとみちゃんが心底嫌そうな顔をしながら止めてくる。そんなこと言われると余計気になる...。
テントの近くをよく見ると、小さな生き物がチョロチョロ出たり入ったりしている。あれは何だろう?ハムスター?ネズミ?に近いのかな...でもネズミにしては手が大きい...もっと近くで見なきゃわからないかも...。
「【のあ】ちゃんってばー!」
ひとみちゃんの言うことに従わなきゃって気持ちと、好奇心とで揺れて、少しの差で好奇心が勝って、小さな生き物を追いかけてしまった。なんかちょっと白うさぎを追いかけるアリスになった気分、周りもとってもファンタジーなお庭だし。
よし、小さな生き物に近づいた!と思った瞬間、思ったよりテントに近づきすぎちゃったみたい!中から出てきた人とぶつかりそうになっちゃった。
「ごめんなさい!私前をちゃんと見てなくて...」
急いで避けようと後ろに下がろうとしたら足がもつれちゃった!あ、転ぶ!と思ったけど、大丈夫だった。どうやらテントから出てきた人に支えて貰ったようで、お礼を言おうと思って顔をあげたらびっくり!
金色の髪をした綺麗な顔をした外国人の男の子がこちらを覗き込んでいた。おとぎ話の絵本の挿絵で見たような王子様みたい!
唖然としていると、
「Ciao bella! 君は転校生のヒーラー能力者だな!ヒーラー能力者は貴重だし便利だからな!是非君はチューチューファミリーに入ってその能力を活用すべきだ!」
王子様の見た目には不似合いな単語を、いきなり矢継ぎ早に喋られて驚いてしまった。え、私のこと知ってるの?!ヒーラー能力?って何のこと?チューチューファミリーって何?!
あと距離が近いっ...///
外国の人ってみんなこうなのかな?!
「あ、あのちょっと近い...です!」
「はいはい!そこまで!【のあ】ちゃんを返して!」
いつのまにか走ってきたひとみちゃんに手を引かれて、やっと離れた。まだ心臓がドキドキしてる...。ひとみちゃんは私を守るように男の子と私の間に入った。
「Ciao bella! 君は予知夢能力者だな!予知夢能力も使える能力だ!是非チューチューファミリーに入ってその能力を活用すべきだ!」
「はいはい、入らない!じゃあね!」
ひとみちゃんは私の手を引いてテントから離れてしまう。金髪の王子様に気を取られて、最初の目的だった小さい生き物の正体はわからなかった。わかったのは、園庭に不似合いな無骨なテントには、ちょっぴり不思議なことを言うキラキラと光る金色の髪と吸い込まれそうな碧い目をした、王子様のような顔をした男の子がいることだけ。
園庭から離れると、ひとみちゃんはくるっと振り返って私の肩を掴んだ。
「【のあ】ちゃん!わかったでしょ?!この学園には色々な奴がいるの!特にあの"テントの人"は一方的に喋ってくるし、話は通じないし、何でこっちの能力知ってるかわからないの!怖いからもう近寄らない方がいいよ!」
「うーん、色々びっくりはしたけど怖い人では無いと思うんだけど...おとぎ話の王子様みたいだったし!」
「顔は良いかも知れないけど中身は意味不明なの!表情もロボットみたいで機械的な感じだし喋ってる内容も意味わから無いし!絶対悪い奴だって!」
「悪い人では無いと思うんだけどなあ」
「もー!いいから!ね、危ないから絶対近寄っちゃ駄目だよ!」
ね!と念を押されてしまった。ひとみちゃんが心配してくれてるのはわかるんだけど、どうしても不思議がいっぱいで気になってしまう。ごめんね、ひとみちゃん。多分、私またテントに近づいちゃう...。
なんだかわくわくしちゃう。おとぎ話の主人公にでもなった気分!
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