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嫉妬と羨望と
約束という名の命令
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ルウクは立ち上がり、鏡の前に立ってみる。鏡に映る自分は包帯のせいもあってか大分痛々しく見えた。
「みんな大仰なんだよな……。そりゃ少しは痛いけど、安静にするほどの事では無いと思うんだけど」
普段動き回っているルウクは大人しくしている事が苦手だった。真面目な性格だという事もあるのだが、主が忙しくしているのに従者である己がのんびりと過ごすことに、罪悪感に苛まれてしまうのだ。
一人で悶々としているとハイドがシガと一緒に戻って来た。シガはハイドから既に事情を伝え聞いていたので、単刀直入に切り出した。
「ハイドから、君が剣術や銃の訓練を受けたいと言っていると聞いたのだが」
「はい。今日のような事が起こった時に、セレン様を煩わせることの無いよう強くなりたいと思います」
「なるほど……。意志は固そうだが、まずはセレン様に許可を頂かなくては」
「分かりました。セレン様にはきちんと許可を頂きます。……もし許可を頂けたら、その時は口添えしていただけますか?」
「もちろん、約束しよう。まあ、私としてもルウクには、ある程度の訓練は必要だと思うし、セレン様にとってもその方が結果オーライになると思うのだがね」
「それは、どういう……?」
「ナイキ侯爵が彼の配下であるクラウンを、護衛兼秘書に推しているのだよ。確かにそれは必要な事かとは思うのだが、セレン様にとってはあの手のタイプとは意思の疎通が難しいのでないかと思うのだ」
「……ナイキ侯爵の配下の方ですか」
シガの説明にルウクも心配になって来た。ルウクの中のナイキ侯爵は、有能ではあっても大事な主を煩わせる要注意人物なのだ。その彼が推しているクラウンと言う人も、有能ではあっても冷たい人のような気がして胸の内がざわざわと不安な気持ちになってくる。
「まあ、そんな深刻な顔をしなさんな。侯爵は優秀なお方だ。その侯爵が推す人に間違いは無いだろう。ただ、問題となるのはセレン様との相性の問題だけだから、その点に関しては我々がカバーしていけばいい話だ」
「そうだよ! 何かあっても私らが付いているさ!」
「痛っ」
しけた顔をしているルウクの肩を、ハイドがバシンと勢いよく叩いた。そのせいで傷に響き、顔を顰める。
「うわっ、ごめんルウク! 怪我してたんだよな、忘れてた!」
「だ、大丈夫です……。あの、シガ殿」
「うん?」
「明日、セレン様にこの件を了承して下さるよう頼みます。許可が出たら真っ先にご報告させていただきますので、口添えの方、どうかよろしくお願いします」
「ああ、分かった。……だがセレン様は何とおっしゃるかな」
ルウクの頼みを軽く請け負ったものの、シガは苦笑している。どうやらハイドだけではなく、シガもセレンの渋面が脳裏に浮かんだようだった。
翌朝、ルウクは早起きをして身支度をし、いつもより早い時間に執務室へと向かった。訓練を受ける許可をセレンから得るために、2人きりの方が話を切り出し易いと思ったからだ。
ノックをしようと、ドアの前で立ち止まった処で、後ろから声を掛けられた。
「早いな。傷は大丈夫なのか?」
「あ、おはようございます。セレン様! はい、大したことありませんから!」
「そうか。でも無理はするなよ」
「はい」
ルウクの返事にニコリと笑って、セレンは部屋の鍵を開ける。そして、持っている鍵束の中から一つ外してルウクに差し出した。
「持ってろ。私が所用でいない時に、入れないと困るだろう?」
「は、はい。畏まりました!」
セレンから差し出された鍵を握りしめ、元気よく返事を返した。大事な執務室の鍵だ。その一つを持つことを許されて、暗に信用していると言われたような気がして、ルウクの背筋がキュッと伸びる。
部屋に入り、窓を開けて空気を入れ替える。そしていつものようにお茶の準備を整えた。
紅茶を淹れて振り返ると、既にセレンは何かの資料に目を通している。邪魔にならないようにカップをテーブルの脇に置く。
「ありがとう」
気づいたセレンが資料を脇に除けて、カップに口を付けた。その様子を見て、セレンが見ていた資料は緊急性が無い物だと判断し、ルウクは訓練の許可をもらうために拳を握って気合を入れた。
「どうした」
「え? あっ、あの、実はお話があります」
相変わらず敏い主だ。話し出す切っ掛けを与えてもらったのは有り難いが、逆にルウクの緊張は増していた。
「……なんだ」
声のトーンがいつもよりも若干低い。どうやらルウクの緊張を察し、警戒心を抱いてしまったようだ。だがこんな事で怯んでいては主を守ることも出来ない。ルウクは慎重に話を切り出した。
「実は、この傷が治ったら剣術や銃の訓練を受けたいと思っているのですが――」
「必要ない」
まだ話の途中だというのに、セレンは即座に却下の意を示した。これにはさすがのルウクも面食らう。
「ですがセレン様……」
「必要ないと言ったら必要ない。昨日の事を気にしているのなら、尚更だ。私だって自分の身くらい自分で守れる。それに不本意ではあるが……一応、警護にはクラウンが就くことになった。ルウクがボディーガードのような真似をすることは無い」
「それはっ……。確かに僕のような素人が訓練を受けたところで大した力にはならないかもしれません。ですがそれでも……、僕は僕の手でセレン様をお守りしたいんです」
「ルウク……」
「生意気な事を言ってすみません。ですが今までの状況とは明らかにセレン様のお立場が違います。以前には許されていたことも、現在では許されない事がどうしてもあるのだと思うのです。それでも僕はセレン様のお傍で、セレン様のお役に立ちたいと切に願っているのです」
過去に例の無い庶子である国王の誕生。そして第一秘書として仕えるものは農民出身の従者。セレンとしてはそれに異を唱える者がたとえ出て来たとしても、相手にする気は無い。
元々、国王になってしまっている自分自身が異例中の異例なのだ。ルウクの事もひっくるめて問題だと騒がしくなるのなら、自分が国王を辞すればいいとすら思っているくらいだ。
だが、どうやらこのセレンが現在最も信頼する従者の考えは違うようだ。この真面目な従者は、セレンがいつでも辞めてやると本気で思っていることを知らないらしく、必死でそんな自分の役に立ちたいと思っている。
「……約束は覚えているか?」
「約束、ですか?」
突然のセレンの問いかけに、ルウクは一瞬戸惑った。セレンと何か約束を交わしたことがあっただろうかと、必死で思い出そうとした。
「あ、ええっと……」
おろおろと考えていると、セレンが少し不貞腐れた表情になった。その表情に公務的なものでは無いと気づき、個人的に交わした会話を思い出そうと、記憶を必死でたどる。
「あ……」
「思い出したか?」
シザク王が亡くなった時に交わした会話だ。何か力になりたいと申し出たルウクに、主が口にした約束という名の命令。
「はい。僕は、セレン様のお傍にずっといます。決してセレン様より先に亡くなったりしません」
「……絶対だな」
「はい」
人の一生とは自身がそうしたいと願っていても、絶対だと言い切れるものでは無い。それでもこの主の為なら、どんな無茶な願いでも叶えたくなる。
自分ではどうしようもない生まれのせいで皆に疎まれ続けてきたこの主は、己の望まない状況下においてもそれを受け入れ、重責を担おうとしている。そんな主をルウクはどんなに大変でも支えていきたいと思った。
「仕方がないな……。分かった、許可しよう」
「あ、有難うございます!」
「ただし! 私の事を身を挺して守ろうだなんて考えるなよ。それから、相手にやられそうだと感じたら先に相手を倒すくらいの気持ちになれ。相手を傷つけることを躊躇するくらいなら、私の事を守ろうだなんて考えるな」
「セレン様……」
「約束できるか?」
「はい。お約束します」
セレンの言う通り、生温い考えでは護衛など出来ないだろう。そう頻繁にギーン男爵のようにセレンを襲おうとする輩が現れるとは思わないが、万が一の時の心得はやはり必要だ。ややもすると甘い考えに陥りそうな自分に言い聞かせながら、ルウクは返事を返した。
「だが、まずはその傷を治してからだな。手続きはシガにでも頼んでおくと良い。ハイドの時も確か彼が手配していた」
「はい……」
実は既にシガに頼んであるのだが、ルウクはあえてそのことは言わずにいた。隠すほどの事では無いが、いちいち指摘することでも無い。何もかも正直に報告すれば良いというわけでは無いだろうと、ルウクは判断した。
「みんな大仰なんだよな……。そりゃ少しは痛いけど、安静にするほどの事では無いと思うんだけど」
普段動き回っているルウクは大人しくしている事が苦手だった。真面目な性格だという事もあるのだが、主が忙しくしているのに従者である己がのんびりと過ごすことに、罪悪感に苛まれてしまうのだ。
一人で悶々としているとハイドがシガと一緒に戻って来た。シガはハイドから既に事情を伝え聞いていたので、単刀直入に切り出した。
「ハイドから、君が剣術や銃の訓練を受けたいと言っていると聞いたのだが」
「はい。今日のような事が起こった時に、セレン様を煩わせることの無いよう強くなりたいと思います」
「なるほど……。意志は固そうだが、まずはセレン様に許可を頂かなくては」
「分かりました。セレン様にはきちんと許可を頂きます。……もし許可を頂けたら、その時は口添えしていただけますか?」
「もちろん、約束しよう。まあ、私としてもルウクには、ある程度の訓練は必要だと思うし、セレン様にとってもその方が結果オーライになると思うのだがね」
「それは、どういう……?」
「ナイキ侯爵が彼の配下であるクラウンを、護衛兼秘書に推しているのだよ。確かにそれは必要な事かとは思うのだが、セレン様にとってはあの手のタイプとは意思の疎通が難しいのでないかと思うのだ」
「……ナイキ侯爵の配下の方ですか」
シガの説明にルウクも心配になって来た。ルウクの中のナイキ侯爵は、有能ではあっても大事な主を煩わせる要注意人物なのだ。その彼が推しているクラウンと言う人も、有能ではあっても冷たい人のような気がして胸の内がざわざわと不安な気持ちになってくる。
「まあ、そんな深刻な顔をしなさんな。侯爵は優秀なお方だ。その侯爵が推す人に間違いは無いだろう。ただ、問題となるのはセレン様との相性の問題だけだから、その点に関しては我々がカバーしていけばいい話だ」
「そうだよ! 何かあっても私らが付いているさ!」
「痛っ」
しけた顔をしているルウクの肩を、ハイドがバシンと勢いよく叩いた。そのせいで傷に響き、顔を顰める。
「うわっ、ごめんルウク! 怪我してたんだよな、忘れてた!」
「だ、大丈夫です……。あの、シガ殿」
「うん?」
「明日、セレン様にこの件を了承して下さるよう頼みます。許可が出たら真っ先にご報告させていただきますので、口添えの方、どうかよろしくお願いします」
「ああ、分かった。……だがセレン様は何とおっしゃるかな」
ルウクの頼みを軽く請け負ったものの、シガは苦笑している。どうやらハイドだけではなく、シガもセレンの渋面が脳裏に浮かんだようだった。
翌朝、ルウクは早起きをして身支度をし、いつもより早い時間に執務室へと向かった。訓練を受ける許可をセレンから得るために、2人きりの方が話を切り出し易いと思ったからだ。
ノックをしようと、ドアの前で立ち止まった処で、後ろから声を掛けられた。
「早いな。傷は大丈夫なのか?」
「あ、おはようございます。セレン様! はい、大したことありませんから!」
「そうか。でも無理はするなよ」
「はい」
ルウクの返事にニコリと笑って、セレンは部屋の鍵を開ける。そして、持っている鍵束の中から一つ外してルウクに差し出した。
「持ってろ。私が所用でいない時に、入れないと困るだろう?」
「は、はい。畏まりました!」
セレンから差し出された鍵を握りしめ、元気よく返事を返した。大事な執務室の鍵だ。その一つを持つことを許されて、暗に信用していると言われたような気がして、ルウクの背筋がキュッと伸びる。
部屋に入り、窓を開けて空気を入れ替える。そしていつものようにお茶の準備を整えた。
紅茶を淹れて振り返ると、既にセレンは何かの資料に目を通している。邪魔にならないようにカップをテーブルの脇に置く。
「ありがとう」
気づいたセレンが資料を脇に除けて、カップに口を付けた。その様子を見て、セレンが見ていた資料は緊急性が無い物だと判断し、ルウクは訓練の許可をもらうために拳を握って気合を入れた。
「どうした」
「え? あっ、あの、実はお話があります」
相変わらず敏い主だ。話し出す切っ掛けを与えてもらったのは有り難いが、逆にルウクの緊張は増していた。
「……なんだ」
声のトーンがいつもよりも若干低い。どうやらルウクの緊張を察し、警戒心を抱いてしまったようだ。だがこんな事で怯んでいては主を守ることも出来ない。ルウクは慎重に話を切り出した。
「実は、この傷が治ったら剣術や銃の訓練を受けたいと思っているのですが――」
「必要ない」
まだ話の途中だというのに、セレンは即座に却下の意を示した。これにはさすがのルウクも面食らう。
「ですがセレン様……」
「必要ないと言ったら必要ない。昨日の事を気にしているのなら、尚更だ。私だって自分の身くらい自分で守れる。それに不本意ではあるが……一応、警護にはクラウンが就くことになった。ルウクがボディーガードのような真似をすることは無い」
「それはっ……。確かに僕のような素人が訓練を受けたところで大した力にはならないかもしれません。ですがそれでも……、僕は僕の手でセレン様をお守りしたいんです」
「ルウク……」
「生意気な事を言ってすみません。ですが今までの状況とは明らかにセレン様のお立場が違います。以前には許されていたことも、現在では許されない事がどうしてもあるのだと思うのです。それでも僕はセレン様のお傍で、セレン様のお役に立ちたいと切に願っているのです」
過去に例の無い庶子である国王の誕生。そして第一秘書として仕えるものは農民出身の従者。セレンとしてはそれに異を唱える者がたとえ出て来たとしても、相手にする気は無い。
元々、国王になってしまっている自分自身が異例中の異例なのだ。ルウクの事もひっくるめて問題だと騒がしくなるのなら、自分が国王を辞すればいいとすら思っているくらいだ。
だが、どうやらこのセレンが現在最も信頼する従者の考えは違うようだ。この真面目な従者は、セレンがいつでも辞めてやると本気で思っていることを知らないらしく、必死でそんな自分の役に立ちたいと思っている。
「……約束は覚えているか?」
「約束、ですか?」
突然のセレンの問いかけに、ルウクは一瞬戸惑った。セレンと何か約束を交わしたことがあっただろうかと、必死で思い出そうとした。
「あ、ええっと……」
おろおろと考えていると、セレンが少し不貞腐れた表情になった。その表情に公務的なものでは無いと気づき、個人的に交わした会話を思い出そうと、記憶を必死でたどる。
「あ……」
「思い出したか?」
シザク王が亡くなった時に交わした会話だ。何か力になりたいと申し出たルウクに、主が口にした約束という名の命令。
「はい。僕は、セレン様のお傍にずっといます。決してセレン様より先に亡くなったりしません」
「……絶対だな」
「はい」
人の一生とは自身がそうしたいと願っていても、絶対だと言い切れるものでは無い。それでもこの主の為なら、どんな無茶な願いでも叶えたくなる。
自分ではどうしようもない生まれのせいで皆に疎まれ続けてきたこの主は、己の望まない状況下においてもそれを受け入れ、重責を担おうとしている。そんな主をルウクはどんなに大変でも支えていきたいと思った。
「仕方がないな……。分かった、許可しよう」
「あ、有難うございます!」
「ただし! 私の事を身を挺して守ろうだなんて考えるなよ。それから、相手にやられそうだと感じたら先に相手を倒すくらいの気持ちになれ。相手を傷つけることを躊躇するくらいなら、私の事を守ろうだなんて考えるな」
「セレン様……」
「約束できるか?」
「はい。お約束します」
セレンの言う通り、生温い考えでは護衛など出来ないだろう。そう頻繁にギーン男爵のようにセレンを襲おうとする輩が現れるとは思わないが、万が一の時の心得はやはり必要だ。ややもすると甘い考えに陥りそうな自分に言い聞かせながら、ルウクは返事を返した。
「だが、まずはその傷を治してからだな。手続きはシガにでも頼んでおくと良い。ハイドの時も確か彼が手配していた」
「はい……」
実は既にシガに頼んであるのだが、ルウクはあえてそのことは言わずにいた。隠すほどの事では無いが、いちいち指摘することでも無い。何もかも正直に報告すれば良いというわけでは無いだろうと、ルウクは判断した。
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