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イケメンとぶつかりました
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授業が終わり、みんなが帰る準備をし始める。
そしてそれぞれが、仲の良い子とおしゃべりをしながら教室を出て行った。
私は人見知りが激しくて自分から話しかけることが出来ないせいで、高校に入学してからまだ、友達と呼べる子を作れていなかった。
廊下を歩いていると、向こうからバタバタと足音が近づいて来る。
「待て! 俺のポテチ返せ、晃!」
「誰が返すか! 俺のチョコ食った癖に!」
何だかやたら子供っぽい喧嘩声と同時に、誰かが私の横を猛スピードで走り抜けて行く。
その後を追うようにやって来た別の誰かが、私を除け損なって思いっきりぶつかった。
「キャッ!」
『倒れる!』と思ったと同時に、抱きしめられて思いっきり地面に転がる。
「って~。……わり。大丈夫か?」
「イッタ……。だ、大丈夫……」
ドクン!
何コレ? どういう状況!?
地面から私を守るかのように私の下敷きになった男の子が、心配そうに私を見ている。私はまるで布団のように、その男子を下に敷いていた。
「怪我とかしてない?」
「あ、やっ! ご、ごめんなさい」
急に話しかけられて我に返り、慌てて飛び退いて、謝った。
それと同時に、心臓がドキドキと煩く鳴り始める。
何? 何コレ……。
戸惑う私を余所に、煩い心臓の音は一向に鳴り止む気配がない。そして今度は顔が熱くなってきた。
目の前には、綺麗な二重の澄んだ瞳。ミルクティー色の柔らかな髪が、優しく風に揺れている。
心配そうに私の顔を窺う男の子にじっと見られていることが凄く恥ずかしくて、とてもじゃないけど直視出来ないよ……。
「…………」
倒れて転がったから、凄い衝撃はあったけど、私を庇うように下敷きになってくれたこの人のおかげで痛くは無い。
……んだけど。
「あ、あの……」
「もう、伶英ったら何してんのよ」
私の下敷きになってまで、助けてくれたお礼を言わなきゃと思っていたところを、誰かの言葉が遮った。
そしてそれぞれが、仲の良い子とおしゃべりをしながら教室を出て行った。
私は人見知りが激しくて自分から話しかけることが出来ないせいで、高校に入学してからまだ、友達と呼べる子を作れていなかった。
廊下を歩いていると、向こうからバタバタと足音が近づいて来る。
「待て! 俺のポテチ返せ、晃!」
「誰が返すか! 俺のチョコ食った癖に!」
何だかやたら子供っぽい喧嘩声と同時に、誰かが私の横を猛スピードで走り抜けて行く。
その後を追うようにやって来た別の誰かが、私を除け損なって思いっきりぶつかった。
「キャッ!」
『倒れる!』と思ったと同時に、抱きしめられて思いっきり地面に転がる。
「って~。……わり。大丈夫か?」
「イッタ……。だ、大丈夫……」
ドクン!
何コレ? どういう状況!?
地面から私を守るかのように私の下敷きになった男の子が、心配そうに私を見ている。私はまるで布団のように、その男子を下に敷いていた。
「怪我とかしてない?」
「あ、やっ! ご、ごめんなさい」
急に話しかけられて我に返り、慌てて飛び退いて、謝った。
それと同時に、心臓がドキドキと煩く鳴り始める。
何? 何コレ……。
戸惑う私を余所に、煩い心臓の音は一向に鳴り止む気配がない。そして今度は顔が熱くなってきた。
目の前には、綺麗な二重の澄んだ瞳。ミルクティー色の柔らかな髪が、優しく風に揺れている。
心配そうに私の顔を窺う男の子にじっと見られていることが凄く恥ずかしくて、とてもじゃないけど直視出来ないよ……。
「…………」
倒れて転がったから、凄い衝撃はあったけど、私を庇うように下敷きになってくれたこの人のおかげで痛くは無い。
……んだけど。
「あ、あの……」
「もう、伶英ったら何してんのよ」
私の下敷きになってまで、助けてくれたお礼を言わなきゃと思っていたところを、誰かの言葉が遮った。
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