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紹介されても……
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水族館は、電車で20分ほどした所にある。駅から5分ほど歩いたところで水族館に到着した。
着いた時には12時前になっていたので、広美さんの提案でまずはカフェスペースに行くことになった。
カフェスペースといっても、お店は3件だけで、食事が取れそうなところは1件しかないので迷わずにそこに入った。
お昼前という事で、お客さんも既に何人かが座っている。
「たいして種類は無いんだよね。カレーに丼物にハンバーガーにお子様ランチだって。何にする?」
「う~ん。ハンバーガーは何となく気分じゃないし……。お子様ランチってわけにはいかないから、丼かカレーだよね……。どうしようかな」
「陽菜は、やっぱ迷うね。私は親子丼にするわ。草津さんは?」
未だに迷い続けている田端さんを横目に、広美さんが私を振り返った。
「あ、私はカレーで」
食事のノロい私は、なるべく早く食べれそうなのを選んだ。カレーなら美味しいし、ルウとご飯を一緒に飲み込めるから、他の物より早く食べれそうだ。
「俺はかつ丼」
「ええっ? もうみんな決めちゃったの!? じゃあ、じゃあ私もカレーライス!」
4人全員のオーダーが決まった処で注文を済ませ、番号札を貰い空いている席に着いた。
4人掛けの席だったのだが、広美さんと田端さんは当然のように隣同士に座ったので、必然的に私と城田君が隣同士になった。
「じゃあ、改めて紹介するね。健一郎は兄さんの部活の後輩で、同い年だよ。学校は私らの通う天満じゃなくて、相模高校だけどね」
「部活?」
思わず零れた私の言葉に、城田君が頷いた。
「バスケやってんだ。信二さん……、広美のお兄さんには結構しごかれてる」
「期待してるんだってよ。ね、草津さんも一度見に行くと良いよ! かなりカッコいいから、ヤバいよ?」
「そう、なんだ」
「妃愛梨さんなら歓迎だな。是非来てよ。って言っても、他校の生徒が見学に来るのはちょっと敷居が高いよな。天満との対抗試合とかあればいいんだけどなあ」
「…………」
紹介されているのだから仕方が無いのかもしれないけど、この城田君との事を進めようとしている広美さんに、止めて欲しいと思ってしまう。
だけどそんな気持ちに広美さんは気づく気配も無くて、私と城田君を仲良くさせたくてしょうがないようだった。
その後、番号を呼ばれてカウンターまで取りに行き、それぞれ食事に入る。
話題はあちこちに飛びはしたけれど、ほとんどが城田君と広美さんのお兄さんのエピソードで、その話を通して、いかにこの城田君が先輩から可愛がられている存在なのかを、私に知らせたいようだった。
着いた時には12時前になっていたので、広美さんの提案でまずはカフェスペースに行くことになった。
カフェスペースといっても、お店は3件だけで、食事が取れそうなところは1件しかないので迷わずにそこに入った。
お昼前という事で、お客さんも既に何人かが座っている。
「たいして種類は無いんだよね。カレーに丼物にハンバーガーにお子様ランチだって。何にする?」
「う~ん。ハンバーガーは何となく気分じゃないし……。お子様ランチってわけにはいかないから、丼かカレーだよね……。どうしようかな」
「陽菜は、やっぱ迷うね。私は親子丼にするわ。草津さんは?」
未だに迷い続けている田端さんを横目に、広美さんが私を振り返った。
「あ、私はカレーで」
食事のノロい私は、なるべく早く食べれそうなのを選んだ。カレーなら美味しいし、ルウとご飯を一緒に飲み込めるから、他の物より早く食べれそうだ。
「俺はかつ丼」
「ええっ? もうみんな決めちゃったの!? じゃあ、じゃあ私もカレーライス!」
4人全員のオーダーが決まった処で注文を済ませ、番号札を貰い空いている席に着いた。
4人掛けの席だったのだが、広美さんと田端さんは当然のように隣同士に座ったので、必然的に私と城田君が隣同士になった。
「じゃあ、改めて紹介するね。健一郎は兄さんの部活の後輩で、同い年だよ。学校は私らの通う天満じゃなくて、相模高校だけどね」
「部活?」
思わず零れた私の言葉に、城田君が頷いた。
「バスケやってんだ。信二さん……、広美のお兄さんには結構しごかれてる」
「期待してるんだってよ。ね、草津さんも一度見に行くと良いよ! かなりカッコいいから、ヤバいよ?」
「そう、なんだ」
「妃愛梨さんなら歓迎だな。是非来てよ。って言っても、他校の生徒が見学に来るのはちょっと敷居が高いよな。天満との対抗試合とかあればいいんだけどなあ」
「…………」
紹介されているのだから仕方が無いのかもしれないけど、この城田君との事を進めようとしている広美さんに、止めて欲しいと思ってしまう。
だけどそんな気持ちに広美さんは気づく気配も無くて、私と城田君を仲良くさせたくてしょうがないようだった。
その後、番号を呼ばれてカウンターまで取りに行き、それぞれ食事に入る。
話題はあちこちに飛びはしたけれど、ほとんどが城田君と広美さんのお兄さんのエピソードで、その話を通して、いかにこの城田君が先輩から可愛がられている存在なのかを、私に知らせたいようだった。
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