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千年に一人の逸材
監視されている?
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ここ数日、俺は嫌な視線を感じていた。
それはユウマの時のようなゾッとするような奴では無くて、誰かに監視されているといった嫌な視線だ。そしてその視線は不思議な事に、俺が一人で外に出ている時だけ感じられる。そしてそれはマンションの近くに来ると、何故か消えてなくなるのだ。
今も気分転換にと一人で出かけていたら案の定、いつもの視線にまとわりつかれ気分が悪くなったので、結局は短時間で帰ってきてしまったのだ。
「あー、もう! 気持ち悪い」
玄関で文句を言いながら靴を脱いでいると、芙蓉が顔を出した。
「なんだ? 帰って来るなり」
「わっかんねーんだけどさ、何か俺、監視されてるみたいなんだよな」
「え? 監視? まさか、この間の奴か?」
「ああ、違う。ユウマじゃない。それよりはどっちかって言うと、芙蓉寄り?」
「俺? 俺は、いちいち監視なんてしていないぞ」
「だよなー。でも何か上からって感じで、どんな奴か探ってやる―みたいな、ヤな感じ」
俺がそう言うと、芙蓉は「あー」と言う顔をした。何だ? やっぱり芙蓉がらみか?
俺がじっと芙蓉を見ていると、何だかバツの悪い顔をする。
「悪い。多分、お前の想像は当たってる。向こうの奴だ」
「向こうって、天界?」
「ああ」
「何で? 俺、天界にリストアップされる覚えはないんだけど!」
「大丈夫だ。そういう意味じゃないから無視してて良い」
「え~何それ? 意味分かんないんだけど」
「だから! 無視してろ」
どうやら俺に迷惑をかけている自覚はあるようなんだけど、その理由を教える気は無さそうだ。
俺はじと目で芙蓉を睨み続けるが、芙蓉はそれを気にも留めていないようだ。腹が立つ!
「ほら、それよりボランティアに行く時間だぞ? それとも、今日は休むか?」
「行くに決まってんだろ! ちょっと待ってろ!」
なんだかんだと結局はごまかされてしまった。
芙蓉は聞いても教えてくれない事が多いよな。やっぱ俺ってあんまり相手にされてないんだろうな…。
友達になりたいって思っているのは俺だけで、芙蓉にとっての俺はただの監視対象の落ちこぼれの悪魔ってだけなんだろう。
…自分で考えてて、何だか落ち込んできた。もう考えるのはよそう…。
それはユウマの時のようなゾッとするような奴では無くて、誰かに監視されているといった嫌な視線だ。そしてその視線は不思議な事に、俺が一人で外に出ている時だけ感じられる。そしてそれはマンションの近くに来ると、何故か消えてなくなるのだ。
今も気分転換にと一人で出かけていたら案の定、いつもの視線にまとわりつかれ気分が悪くなったので、結局は短時間で帰ってきてしまったのだ。
「あー、もう! 気持ち悪い」
玄関で文句を言いながら靴を脱いでいると、芙蓉が顔を出した。
「なんだ? 帰って来るなり」
「わっかんねーんだけどさ、何か俺、監視されてるみたいなんだよな」
「え? 監視? まさか、この間の奴か?」
「ああ、違う。ユウマじゃない。それよりはどっちかって言うと、芙蓉寄り?」
「俺? 俺は、いちいち監視なんてしていないぞ」
「だよなー。でも何か上からって感じで、どんな奴か探ってやる―みたいな、ヤな感じ」
俺がそう言うと、芙蓉は「あー」と言う顔をした。何だ? やっぱり芙蓉がらみか?
俺がじっと芙蓉を見ていると、何だかバツの悪い顔をする。
「悪い。多分、お前の想像は当たってる。向こうの奴だ」
「向こうって、天界?」
「ああ」
「何で? 俺、天界にリストアップされる覚えはないんだけど!」
「大丈夫だ。そういう意味じゃないから無視してて良い」
「え~何それ? 意味分かんないんだけど」
「だから! 無視してろ」
どうやら俺に迷惑をかけている自覚はあるようなんだけど、その理由を教える気は無さそうだ。
俺はじと目で芙蓉を睨み続けるが、芙蓉はそれを気にも留めていないようだ。腹が立つ!
「ほら、それよりボランティアに行く時間だぞ? それとも、今日は休むか?」
「行くに決まってんだろ! ちょっと待ってろ!」
なんだかんだと結局はごまかされてしまった。
芙蓉は聞いても教えてくれない事が多いよな。やっぱ俺ってあんまり相手にされてないんだろうな…。
友達になりたいって思っているのは俺だけで、芙蓉にとっての俺はただの監視対象の落ちこぼれの悪魔ってだけなんだろう。
…自分で考えてて、何だか落ち込んできた。もう考えるのはよそう…。
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