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天使と悪魔
優しくて冷たい天使 3
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別に俺が不機嫌だからというわけではないが、しばらくは雨続きだった。雨が余り好きでは無い俺は、ほとんど部屋にこもりっきりだった。
だから、芙蓉ともあまり顔を合わせることも無かった。同居しているとは言っても俺と芙蓉はそれほど親しい訳でも無いので、別段不思議な事でもなんでも無く、まあ至って二人にとっては普通な事だったのだ。
だけど今日は久々にお天道様が顔を出している。おかげで俺はちょっと気分が良くなって、散歩にでも行こうかなと部屋を出た。
お日様を好きな悪魔なんてきっと俺くらいだ。だから俺は異端児で、魔界でも一人で浮いていた。
そんなことをつらつらと考えながら、青々と茂る緑を見る。
うん、気持ちが良いや。
一人ご満悦で歩いていると、突然後ろから声をかけられた。
「あの」
振り向くと先日の彼女、早野由美が立っていた。
俺は、ちょっと違和感を覚える。偶然か?
それとも芙蓉に会いたくて、家を調べて待ち伏せしていたのか?
…どちらにせよ恋の力だよな。よっぽど芙蓉が好きなんだろう。
「あの、芙蓉さんとは親しいんですか?」
…まあ、確かに、先日のアレを見ていたら仲良しに見えるかもしれない。しかも同居しているとくれば尚更だ。
だけど残念ながら俺と芙蓉は友達同士では無いし、俺はあいつに監視されている身分だ。
「良いとは言えないんじゃ無いかなあ」
俺は、少しうんざりしながら付け加える。
「あいつ、すっげー冷たいし」
「そんな事ないですっ」
俺のそっけない言葉に、すぐに早野さんが否定する。
「え?」
びっくりした。だってあんなに冷たくあしらわれていたのに。
「だって、あんな優しい笑顔で子供たちに接してるんですよ? 冷たい訳ないです」
ああ…そうだ。しおれた花を生き返らせたり、俺をユウマから助けてくれたり、真奈美の熱を下げてくれた。
あいつが本当に冷たいやつなら、どれもこれも気に留める事でもない事のはずだ。
「そうなんだよな…ホント。わけ分かんねーんだよ、あいつ」
氷のように冷たいかと思えば時々見せる芙蓉の意外な優しい一面に、俺はいつも思考が追い付かないでいる。
だから、芙蓉ともあまり顔を合わせることも無かった。同居しているとは言っても俺と芙蓉はそれほど親しい訳でも無いので、別段不思議な事でもなんでも無く、まあ至って二人にとっては普通な事だったのだ。
だけど今日は久々にお天道様が顔を出している。おかげで俺はちょっと気分が良くなって、散歩にでも行こうかなと部屋を出た。
お日様を好きな悪魔なんてきっと俺くらいだ。だから俺は異端児で、魔界でも一人で浮いていた。
そんなことをつらつらと考えながら、青々と茂る緑を見る。
うん、気持ちが良いや。
一人ご満悦で歩いていると、突然後ろから声をかけられた。
「あの」
振り向くと先日の彼女、早野由美が立っていた。
俺は、ちょっと違和感を覚える。偶然か?
それとも芙蓉に会いたくて、家を調べて待ち伏せしていたのか?
…どちらにせよ恋の力だよな。よっぽど芙蓉が好きなんだろう。
「あの、芙蓉さんとは親しいんですか?」
…まあ、確かに、先日のアレを見ていたら仲良しに見えるかもしれない。しかも同居しているとくれば尚更だ。
だけど残念ながら俺と芙蓉は友達同士では無いし、俺はあいつに監視されている身分だ。
「良いとは言えないんじゃ無いかなあ」
俺は、少しうんざりしながら付け加える。
「あいつ、すっげー冷たいし」
「そんな事ないですっ」
俺のそっけない言葉に、すぐに早野さんが否定する。
「え?」
びっくりした。だってあんなに冷たくあしらわれていたのに。
「だって、あんな優しい笑顔で子供たちに接してるんですよ? 冷たい訳ないです」
ああ…そうだ。しおれた花を生き返らせたり、俺をユウマから助けてくれたり、真奈美の熱を下げてくれた。
あいつが本当に冷たいやつなら、どれもこれも気に留める事でもない事のはずだ。
「そうなんだよな…ホント。わけ分かんねーんだよ、あいつ」
氷のように冷たいかと思えば時々見せる芙蓉の意外な優しい一面に、俺はいつも思考が追い付かないでいる。
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