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第二章

やっぱりデマじゃないの

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「何度も言ってるけど悪いのは秋永君だよ。京子を責めるなんてお門違いだよ」
「だから! そんなこと言うんなら、私が納得いくように説明してって言ってるんじゃないの」
「うるさいわね! 京子、こんな人の言うこと気にしないでいいからね。ほら行こう」

 柑奈がグイッと京子さんを引き寄せて、三人で彼女をかばうように連れ去って行こうとする。

「ちょっ、逃げる気?」

 京子さんを引っ張ろうとする私の手を払い、四人は勢いよく走り出した。

「ちょっと!」

 本気で走り去っていく彼女らに唖然とした。なんて早さよ!

「あれ? 京子だー。相変わらず仲いいなあ」
「え?」

 突然の背後からの声に驚いて振り返ると、同じクラスの美鈴ちゃんが立っていた。

 あれ? 美鈴ちゃん京子さんの事知ってるんだ。でも青竹中学じゃなかったような……。

「美鈴ちゃん、あの人知ってるの?」

「ん? うん、去年同じクラスだったんだ。あの四人仲良くてさ、いっつもつるんで騒がしかったよ。それとさ……、あ、まあこれはいいか」

 美鈴ちゃんは余分なことを喋るところだったと言わんばかりに、パッと自分の口を手でふさいだ。

「え? 何よ。気になるじゃない。そんなところで黙られちゃ」

「あ……、ん~。あの子たちね、秋永君のこと好きだったみたいでさ、四人でよくキャアキャア盛り上がってたんだよ」

「ええっ!?」

 私が思わず驚きの声を上げると、美鈴ちゃんは慌てて付け加えた。

「あ、もちろん秋永君は知らないと思うよ? 普通に話はしてたと思うけど、積極的な感じじゃなかったし」
「……じゃあ、ヒロくんがそのころ誰かと付き合ってたとかってのは……?」

「秋永君が……? それは無いと思うな。女子と喋らないことも無かったけど、あの頃の秋永君は男子と騒いでることの方が楽しいって感じだったし。それにさ、結構秋永君モテるでしょ? それで互いに抜け駆け禁止って感じで、監視し合ってる感じだったもん」

「……そうなんだ。分かった、ありがとう」

 何だ、中学の時からの友達じゃなかったんだ。盲点だったわ。

 ……それにしても、やっぱり嫌がらせのデマなんじゃないの! いくら私がヒロくんと付き合ってるのが許せないからって、あんな嘘を吐くなんて絶対許せない。 
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