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第二章

初デート♪ 4

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 買い物は無事終えたので、後は適当にぶらぶらとウィンドウショッピングだ。 可愛い雑貨屋さんや百均とかにも入った。

「お客様にご案内します。これよりイベント広場で、仮面ダッシュ・シャインのヒーローショーが始まります。皆さんどうぞお楽しみください。繰り返し申し上げます。これよりイベント広場で……」

『仮面ダッシュ』というアナウンスに、私はピクリと反応した。

「ヒロくん、仮面ダッシュだって!」
「行ってみる?」
「うん、いい?」
「もちろん、いいよ」

 仮面ダッシュは今でも変わらず私のヒーローだ。小さい頃気持ちの悪いおじさんや、腹の立つ周りの男子達に触られたり追いかけ回されたりしてうんざりしていた頃、テレビの中で同世代の小さな女の子達を守る強くて優しいヒーローに憧れた。その頃の気持ちは、今もなお忘れてはいない。

「うわ~、ちびっ子達がいっぱいだね」
「だね~」

  屋外に出来た特設ステージの周りには、ちびっ子たちとそのお母さんたちが陣取っていた。もちろん私達と同じ年齢ぐらいの子も、大人だけで来ている人達も何人かいるけれど。

 突如派手な音楽が鳴り響き、ステージ上に、ダッシュとその仲間たちが現れた。子供達は大はしゃぎだ。もちろん私も興奮して拍手を送った。

「未花ちゃん、今もダッシュのシリーズ見てる?」
「うーん、今は時々。寝坊して見ない時の方が多いかも」
「日曜の朝だもんね。俺は、朝ごはん食べながら見てる感じかな」 

「そうなんだー。私朝弱いからなー。でもね、シャインの龍さんがかっこいいから、起きれたらちゃんと見るようにしてるんだ」 

「かっこいい?」
「ん?」
「龍」
「うん、かっこいいでしょ?」 
「……俺よりも?」
「ええ~、何言ってんのよ!」

 呆れと恥ずかしさでヒロくんの肩をパシパシ叩く。
 またちびっ子たちのキャーッという悲鳴に、私達はステージ上に視線を戻した。見るとダッシュの宿敵、怪人ジャバラたちもステージ上に上がっている。

『お前らまた悪さをしに来たのか! ちびっ子たちには指一本触れさせないぞ』
『 小癪なー。今日こそお前を倒してやるからな!』 
「キャー、行けー、シャインー!」
「龍さーん」
「頑張れー!!」
 
 ちびっ子たちの声援で、ステージ上もヒートアップする。怪人達の体当たりに、シャインやその仲間たちもパンチやキックを繰り出した。
 ステージ上を所狭しと暴れまわるシャイン達の活躍に、ちびっ子たちも大はしゃぎだ。

「あ~、うずうずする。あの反射的に繰り出すエルボーが、かっこいいんだよね」
「ハハ……。未花ちゃんの得意技だよね」 
「そうそう、思わずねー、出ちゃうんだよ。行けー、龍さーん!」

 見ているうちに子供達と同じように興奮してきた。ついつい前のめりで龍さんの姿を追いかける。
 そのうちステージ上もクライマックスに近づき、龍さん達ヒーローがピンチに陥った。ダッシュ唯一の女性ヒーロー、メロディが、ジャバラ達に捕まってしまったのだ。子供たちが悲鳴を上げる。 

『良い子のみんなー、俺たちに力を分けてくれー!』

 シャインが大声で呼びかけると、ちびっ子たちが一斉に、「龍さーん!」「頑張れー!」と可愛い大きな声援を送った。シャインはそのちびっ子たちの声援で力を取り戻し奮い立つ。反撃に出たヒーローたちに、子供達も大盛り上がりだ。
 もちろん私もちびっこ達と一緒に燥ぎ、大声で声援を送った。 
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