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エピローグというより番外編?
出会ってくれてありがとう
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百均はあきらめて、そこでお喋りをする事にした。
二人で並んで座った。目の前には親子連れや友達同士、それに仲良さそうなカップルが手を繋いで歩いている。
「不思議だなあ……」
「え?」
ほんの少し前まで、男の子と楽しそうにしてる女の子を見ても、幸せそうだなとか楽しそうだなとかそんな風に思った事はなかった。それどころか、自分とは違う世界に住んでいる人達なんだと思っていて、興味すら沸かなかったのに。
「今こうしてヒロくんと一緒にいることがね」
「ええっ!? なんで?」
ヒロくんの目は真ん丸だ。もう忘れちゃってるの?
「だって私、男嫌いでしょ?」
「ああ……、うん。……そう言うこと」
「うん。もちろん今も男嫌いは直ってないけど、でも信用出来る男の人もいるんだなって、ヒロくんのおかげで知ることが出来た」
「未花ちゃん……」
「ヒロくん」
「うん?」
「大好きだよ。ありがとうね、私の事いつも守ってくれて」
「未花ちゃん! そんなの俺も……、未花ちゃんのことが大好きだ。誰よりも傍にいて守りたいと思ってるから、これからも俺のことをずっと頼ってよ」
真剣な顔。本当にそう思っているんだろうな。
「……うん」
でもやっぱり絶対、誰彼かまわず過剰反応してしまうこの癖だけは、直さなきゃって思う。だってヒロくんの為にも、もちろん私の為にも、やっぱりもっとしっかりしたいって思うもの。
パッパーッ!
クラクションの音に気が付いて顔を上げると、お父さんが車の中から手を振って合図をしていた。
「来たみたい。行こうね」
「あ、俺も行く。挨拶しなくちゃ」
「うん」
チラッとヒロくんの顔を見る。やっぱりちょっと緊張しているみたいだ。
それでもヒロくんは逃げようとせず、ちゃんとしようと思ってくれるんだよね。
「お父さん、迎えに来てくれてありがとう」
「ああ」
「でね、こちら秋永浩朗君。いつも送り迎えしてもらって、色々助けてもらってるって言ってた人だよ」
私がそう言ってヒロくんに振り返ると、彼はビシッと姿勢を正した。
「初めまして。未花さんとお付き合いさせていただいています、秋永です。よろしくお願いします」
よく通る声ではきはきと挨拶をした後、ヒロくんはぺこりと頭を下げた。
「初めまして。未花からいろいろ聞いてるよ。ストーカーも撃退してくれたんだってね。ありがとう」
「いえ、そんな大した事じゃないですから……」
「ハハ。妻の言う通り、随分と謙遜した子だね。秋永君―― 」
「はい」
「今度またぜひ家に遊びに来てくれよ。良ければその時、男同士ゆっくり喋ろう。……家は女ばっかだから」
「はい、是非!」
すっごく嬉しそうな声だ。お父さんがヒロくんに対して、すでに好印象だと知って心底ホッとしたんだろう。
「じゃあまたね、ヒロくん。今日はありがとう」
「こちらこそ。じゃあまた学校で」
お父さんが車を発車した。ヒロくんが、バイバイと私に手を振る。私もヒロくんの姿が見えなくなるまで手を振り続けた。
「感じのいい子だね」
「うん。最初は放っておいてよって思ったけど、今では感謝してる」
「そうか。それは良かった」
笑顔で返事をするお父さんを見て、本当にそうだと思った。
ヒロくんに出会うまでの私は意固地というか、男嫌いなんだからしょうがないじゃないかって開き直るところがあって、関係のない善意の男の人にまで殴り掛かってしまうことを、本気で直そうとすら思っていなかった。
……自分勝手だったんだよね、私も。
車の中から見る景色は、どんどんどんどん流れて行く。まるで時間が、ものすごい速さで進んでいるかのようだ。私もきっと、自分なりに進んでいるんだろうな。ヒロくんと出会えたことで―― 。
「未花ちゃん、おはよう」
「おはよう、ヒロくん」
キラキラと輝く太陽。またいつもの朝が始まった。
「手、繋ごう」
「うん」
差し出されたヒロくんの手を取ると、キュッと握られた。その温かい掌は、やっぱり気持ちいい。
私と出会ってくれてありがとう。そんな気持ちで、私もヒロくんの手のひらをキュッと握り返した。
二人で並んで座った。目の前には親子連れや友達同士、それに仲良さそうなカップルが手を繋いで歩いている。
「不思議だなあ……」
「え?」
ほんの少し前まで、男の子と楽しそうにしてる女の子を見ても、幸せそうだなとか楽しそうだなとかそんな風に思った事はなかった。それどころか、自分とは違う世界に住んでいる人達なんだと思っていて、興味すら沸かなかったのに。
「今こうしてヒロくんと一緒にいることがね」
「ええっ!? なんで?」
ヒロくんの目は真ん丸だ。もう忘れちゃってるの?
「だって私、男嫌いでしょ?」
「ああ……、うん。……そう言うこと」
「うん。もちろん今も男嫌いは直ってないけど、でも信用出来る男の人もいるんだなって、ヒロくんのおかげで知ることが出来た」
「未花ちゃん……」
「ヒロくん」
「うん?」
「大好きだよ。ありがとうね、私の事いつも守ってくれて」
「未花ちゃん! そんなの俺も……、未花ちゃんのことが大好きだ。誰よりも傍にいて守りたいと思ってるから、これからも俺のことをずっと頼ってよ」
真剣な顔。本当にそう思っているんだろうな。
「……うん」
でもやっぱり絶対、誰彼かまわず過剰反応してしまうこの癖だけは、直さなきゃって思う。だってヒロくんの為にも、もちろん私の為にも、やっぱりもっとしっかりしたいって思うもの。
パッパーッ!
クラクションの音に気が付いて顔を上げると、お父さんが車の中から手を振って合図をしていた。
「来たみたい。行こうね」
「あ、俺も行く。挨拶しなくちゃ」
「うん」
チラッとヒロくんの顔を見る。やっぱりちょっと緊張しているみたいだ。
それでもヒロくんは逃げようとせず、ちゃんとしようと思ってくれるんだよね。
「お父さん、迎えに来てくれてありがとう」
「ああ」
「でね、こちら秋永浩朗君。いつも送り迎えしてもらって、色々助けてもらってるって言ってた人だよ」
私がそう言ってヒロくんに振り返ると、彼はビシッと姿勢を正した。
「初めまして。未花さんとお付き合いさせていただいています、秋永です。よろしくお願いします」
よく通る声ではきはきと挨拶をした後、ヒロくんはぺこりと頭を下げた。
「初めまして。未花からいろいろ聞いてるよ。ストーカーも撃退してくれたんだってね。ありがとう」
「いえ、そんな大した事じゃないですから……」
「ハハ。妻の言う通り、随分と謙遜した子だね。秋永君―― 」
「はい」
「今度またぜひ家に遊びに来てくれよ。良ければその時、男同士ゆっくり喋ろう。……家は女ばっかだから」
「はい、是非!」
すっごく嬉しそうな声だ。お父さんがヒロくんに対して、すでに好印象だと知って心底ホッとしたんだろう。
「じゃあまたね、ヒロくん。今日はありがとう」
「こちらこそ。じゃあまた学校で」
お父さんが車を発車した。ヒロくんが、バイバイと私に手を振る。私もヒロくんの姿が見えなくなるまで手を振り続けた。
「感じのいい子だね」
「うん。最初は放っておいてよって思ったけど、今では感謝してる」
「そうか。それは良かった」
笑顔で返事をするお父さんを見て、本当にそうだと思った。
ヒロくんに出会うまでの私は意固地というか、男嫌いなんだからしょうがないじゃないかって開き直るところがあって、関係のない善意の男の人にまで殴り掛かってしまうことを、本気で直そうとすら思っていなかった。
……自分勝手だったんだよね、私も。
車の中から見る景色は、どんどんどんどん流れて行く。まるで時間が、ものすごい速さで進んでいるかのようだ。私もきっと、自分なりに進んでいるんだろうな。ヒロくんと出会えたことで―― 。
「未花ちゃん、おはよう」
「おはよう、ヒロくん」
キラキラと輝く太陽。またいつもの朝が始まった。
「手、繋ごう」
「うん」
差し出されたヒロくんの手を取ると、キュッと握られた。その温かい掌は、やっぱり気持ちいい。
私と出会ってくれてありがとう。そんな気持ちで、私もヒロくんの手のひらをキュッと握り返した。
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