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第五章
束の間の休息 1
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稽古から解放されてシャワーを浴びた後、姉さんの部屋に直行した。
「あの後、どうだった?」
「梓ちゃんなら機嫌直ってたみたいよ?」
「そっか、良かった…。じゃなくて! 佐藤君とは進展あった?」
「そんなに簡単にあるわけないでしょ? …でも、今度映画でも見に行こうかって話になった」
「うわ、凄いじゃん」
「…佐藤君映画とか結構見るんだって。普段はDVDとかレンタルで見る方が多いらしいんだけど、たまには映画館も良いかもって事になって…」
「へえ~」
「ちょっと先の話しになるんだけどね」
「ああ、みんなで遊びに行く約束が入っているからな」
「そうなの?」
「佐藤君の友達を好きな子がいてさ、ダブルデートを頼まれたんだけど、僕の方にいろいろ事情があったから佐藤君に押し付ける形になっちゃったんだ」
僕の端折った説明に、姉さんはキョトンとしていた。でも詳しい事情には興味は無さそうなのでそのまま流すことにする。
「脈ありそうだね。頑張れよ」
「うん。ありがと、頑張るね」
僕のエールに姉さんは、はにかみながら頷いた。
テスト勉強と稽古をこなすという怒涛の二週間が過ぎて、今日の僕は疲れがピークに来ていた。
テスト最終日。みんなが安堵の息を吐いている時、僕は完全に脱力し机に俯せていた。
「由紀、死んでるな」
「うん…。死んでる…」
僕の弱々しい声に、梓が心配そうに顔を覗き込んできた。
「稽古の方…休みとかないのか?」
「今日は休みもらえた…」
「そうか。良かった」
僕の目を見つめながら梓がにっこり笑う。その笑顔に僕の心もほっこりとした。
「梓~」
「なに?」
甘え口調の僕につられてか、梓の声も何だか優しい。
「梓の膝枕でお昼寝したい」
「!!」
梓は一瞬で固まって、「な、何言ってんの」と顔をそむけた。
「あの後、どうだった?」
「梓ちゃんなら機嫌直ってたみたいよ?」
「そっか、良かった…。じゃなくて! 佐藤君とは進展あった?」
「そんなに簡単にあるわけないでしょ? …でも、今度映画でも見に行こうかって話になった」
「うわ、凄いじゃん」
「…佐藤君映画とか結構見るんだって。普段はDVDとかレンタルで見る方が多いらしいんだけど、たまには映画館も良いかもって事になって…」
「へえ~」
「ちょっと先の話しになるんだけどね」
「ああ、みんなで遊びに行く約束が入っているからな」
「そうなの?」
「佐藤君の友達を好きな子がいてさ、ダブルデートを頼まれたんだけど、僕の方にいろいろ事情があったから佐藤君に押し付ける形になっちゃったんだ」
僕の端折った説明に、姉さんはキョトンとしていた。でも詳しい事情には興味は無さそうなのでそのまま流すことにする。
「脈ありそうだね。頑張れよ」
「うん。ありがと、頑張るね」
僕のエールに姉さんは、はにかみながら頷いた。
テスト勉強と稽古をこなすという怒涛の二週間が過ぎて、今日の僕は疲れがピークに来ていた。
テスト最終日。みんなが安堵の息を吐いている時、僕は完全に脱力し机に俯せていた。
「由紀、死んでるな」
「うん…。死んでる…」
僕の弱々しい声に、梓が心配そうに顔を覗き込んできた。
「稽古の方…休みとかないのか?」
「今日は休みもらえた…」
「そうか。良かった」
僕の目を見つめながら梓がにっこり笑う。その笑顔に僕の心もほっこりとした。
「梓~」
「なに?」
甘え口調の僕につられてか、梓の声も何だか優しい。
「梓の膝枕でお昼寝したい」
「!!」
梓は一瞬で固まって、「な、何言ってんの」と顔をそむけた。
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