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第五章
訪問者、2人+2人 (2)
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「あ、由紀」
「お疲れ。休憩入ったのか?」
「うん」
僕は梓の隣に座って、姉さんからオレンジのショートケーキを受け取った。梓はブルーベリーのレアチーズで、佐藤にはフルーツ満載のタルトだった。
「佐藤君、これ。ホントに有難う、助かりました」
姉さんが佐藤のクリーニング済みのカーディガンを手渡した。
「いや、却って気を使わせちゃって」
「千代美さん、佐藤は頼りになるし優しいしお買い得ですよ。な、由紀」
「うん。姉さんも優しいうえに頑張り屋だからお買い得だよ」
何故か僕と梓でお互いを褒め合ってしまう。梓も姉さんの恋を応援しようと、気を使ってくれているようだ。
「牧野…。何だお買い得って」
「由紀也も…。変なこと言わないでよ」
姉さんはちょっと顔を赤くしている。
「そんな事より、由紀也は女装なんかしてるけど…学校では上手くやっているのかしら」
姉さんが話題を変えようと、僕の話題を振ってきた。
「…すこぶる上手く行っていますよ。上手すぎて被害者続出ですけど」
佐藤が笑いを含み、思わせぶりな顔をして見せる。
「被害者? 由紀也、あんた何してるの?」
「ば、何もしてないよっ! 佐藤君!」
「佐藤もその内の一人だったもんな」
今度は梓が笑いをかみ殺している。
「言ってろ」
佐藤は苦笑いをし、梓は吹き出し、僕はバツの悪い顔をする。その状態を見て、姉さんだけがぽかんとしていた。
「由紀、クラスの男子にモテモテなんですよ」
「梓!」
「あ~、女装の由紀也、美少女だもんねえ」
ちょっと!
何で僕が肴になっているんだよっ!
も~っと思っていると、団員の向井さんが顔を出した。
「由紀也君、お客さんが来てますよ」
「え? 客?」
振り向くと中学時代に同じクラスになったことのある町田咲と倉田加奈がそこに居た。
町田と倉田が小さく手を振りながら僕に合図をしている。
「久しぶり―」
「うわ、え? どしたの」
「会いたかったから、来ちゃった。ね?」
…ね?って、ちょっと…。
やましい事は何にもないけど、後ろの梓がかなり気になる。
選りにもよって何で今なんだ!?
「お疲れ。休憩入ったのか?」
「うん」
僕は梓の隣に座って、姉さんからオレンジのショートケーキを受け取った。梓はブルーベリーのレアチーズで、佐藤にはフルーツ満載のタルトだった。
「佐藤君、これ。ホントに有難う、助かりました」
姉さんが佐藤のクリーニング済みのカーディガンを手渡した。
「いや、却って気を使わせちゃって」
「千代美さん、佐藤は頼りになるし優しいしお買い得ですよ。な、由紀」
「うん。姉さんも優しいうえに頑張り屋だからお買い得だよ」
何故か僕と梓でお互いを褒め合ってしまう。梓も姉さんの恋を応援しようと、気を使ってくれているようだ。
「牧野…。何だお買い得って」
「由紀也も…。変なこと言わないでよ」
姉さんはちょっと顔を赤くしている。
「そんな事より、由紀也は女装なんかしてるけど…学校では上手くやっているのかしら」
姉さんが話題を変えようと、僕の話題を振ってきた。
「…すこぶる上手く行っていますよ。上手すぎて被害者続出ですけど」
佐藤が笑いを含み、思わせぶりな顔をして見せる。
「被害者? 由紀也、あんた何してるの?」
「ば、何もしてないよっ! 佐藤君!」
「佐藤もその内の一人だったもんな」
今度は梓が笑いをかみ殺している。
「言ってろ」
佐藤は苦笑いをし、梓は吹き出し、僕はバツの悪い顔をする。その状態を見て、姉さんだけがぽかんとしていた。
「由紀、クラスの男子にモテモテなんですよ」
「梓!」
「あ~、女装の由紀也、美少女だもんねえ」
ちょっと!
何で僕が肴になっているんだよっ!
も~っと思っていると、団員の向井さんが顔を出した。
「由紀也君、お客さんが来てますよ」
「え? 客?」
振り向くと中学時代に同じクラスになったことのある町田咲と倉田加奈がそこに居た。
町田と倉田が小さく手を振りながら僕に合図をしている。
「久しぶり―」
「うわ、え? どしたの」
「会いたかったから、来ちゃった。ね?」
…ね?って、ちょっと…。
やましい事は何にもないけど、後ろの梓がかなり気になる。
選りにもよって何で今なんだ!?
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