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第四章
初めての訪問3
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「お母さーん、来てくれたよ」
玄関で、梓が大きな声で家の人を呼んでいる。
いや…、来てくれたって、僕の方がお邪魔させてもらう立場なんだけど…。
奥の方からドタドタト複数の足音が近づいてくる。見ると、180cm近い大きな男の人が2人玄関にやって来ていた。も、もしかしてお兄さん?
しかも梓のお兄さんだけあって、かなりのイケメンだ。
「やあ、いらっしゃい雪乃丞君。待ちかねてたよ」
「あ、今日はお招きいただいてありがとうございます」
慌てて僕はぺこりと頭を下げる。
「ちょっと兄貴、雪乃条は本名じゃないから。本当の名前は由紀也だって教えただろ?」
「ワリ、ワリ」
「ええっと、由紀…由紀也。こっちが長兄で習」
「よろしく」
「こちらこそよろしくお願いします」
「で、こっちが弘毅」
「よろしくな」
「よろしくお願いします」
梓は家の奥の方に目をやりながら、首を傾げる。
「お母さんは?」
「さっき味醂が切れてたとか言って買い物行ってる。そろそろ帰って来るんじゃ…」
弘毅さんがそう言っている最中に玄関が開いて、お母さんが帰って来た!
わー、緊張する~。
「ただいまー、あらあら! まあ、本当に雪乃丞!? いやだわ、素顔もすっごい美少年!」
おばさんは、凄いハイテンションで僕の肩をぱしぱし叩く。
「ちょっとお母さん、由紀也だって教えたでしょ?」
「え~? 良いじゃない雪乃丞で。ホントほれぼれする美少年ね~」
「あの、初めまして! 今日はお招きいただいてありがとうございます。あの、これたいしたものじゃないんですけど、皆さんで召し上がってください」
雪乃丞でも由紀也でも、僕としてはどっちでもいい。
僕はテンパりながらお母さんに挨拶をして、買ってきたゼリーを手渡した。
「あらまあ、却って気を使わせてしまったわね。有難う、美味しそうね。後でみんなでいただきましょう。玄関先もなんだから、ほら、入って入って」
僕は促されるまま、ドキドキしながら梓の家に足を踏み入れた。
玄関で、梓が大きな声で家の人を呼んでいる。
いや…、来てくれたって、僕の方がお邪魔させてもらう立場なんだけど…。
奥の方からドタドタト複数の足音が近づいてくる。見ると、180cm近い大きな男の人が2人玄関にやって来ていた。も、もしかしてお兄さん?
しかも梓のお兄さんだけあって、かなりのイケメンだ。
「やあ、いらっしゃい雪乃丞君。待ちかねてたよ」
「あ、今日はお招きいただいてありがとうございます」
慌てて僕はぺこりと頭を下げる。
「ちょっと兄貴、雪乃条は本名じゃないから。本当の名前は由紀也だって教えただろ?」
「ワリ、ワリ」
「ええっと、由紀…由紀也。こっちが長兄で習」
「よろしく」
「こちらこそよろしくお願いします」
「で、こっちが弘毅」
「よろしくな」
「よろしくお願いします」
梓は家の奥の方に目をやりながら、首を傾げる。
「お母さんは?」
「さっき味醂が切れてたとか言って買い物行ってる。そろそろ帰って来るんじゃ…」
弘毅さんがそう言っている最中に玄関が開いて、お母さんが帰って来た!
わー、緊張する~。
「ただいまー、あらあら! まあ、本当に雪乃丞!? いやだわ、素顔もすっごい美少年!」
おばさんは、凄いハイテンションで僕の肩をぱしぱし叩く。
「ちょっとお母さん、由紀也だって教えたでしょ?」
「え~? 良いじゃない雪乃丞で。ホントほれぼれする美少年ね~」
「あの、初めまして! 今日はお招きいただいてありがとうございます。あの、これたいしたものじゃないんですけど、皆さんで召し上がってください」
雪乃丞でも由紀也でも、僕としてはどっちでもいい。
僕はテンパりながらお母さんに挨拶をして、買ってきたゼリーを手渡した。
「あらまあ、却って気を使わせてしまったわね。有難う、美味しそうね。後でみんなでいただきましょう。玄関先もなんだから、ほら、入って入って」
僕は促されるまま、ドキドキしながら梓の家に足を踏み入れた。
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