51 / 106
第四章
お邪魔虫
しおりを挟む
とりあえず、もうお昼なのでご飯を食べに行くことにする。
梓がハンバーグが食べたいというので、ファミレスに行くことにした。そこならメニューにも困らないだろうし。
近くにある大手のそれに行くと、祝日と言うこともあって結構待ってる人がいる。きっとどこも同じ状態だろうから、とりあえず名前を記入し席が空くのを待つことにした。
入り口近くのソファに1人分空いていたのでそこに梓を座らせて、僕はその隣に立っていた。
何だか、彼氏みたいだ…。と1人で悦に入っていると、突然梓が声をかけられる。
「あれ、牧野だ! 久しぶりー」
声の方を見ると、男が2人立っていた。
「椎名に林、久しぶりだな」
「お前は相変わらずだな。…佐藤と一緒じゃないのか?」
梓に親しげに笑いかけた2人は、僕の存在を目にしたにも関わらず(僕に対して)失礼な事を聞いてきた。
「なんで?」
梓は何でそこで佐藤の名前が出るのかと、不思議そうな顔をした。
「いや、だってお前ら普通に仲良かっただろ」
「なー?」と、もう1人の奴に同意を求める。
「うん、同じ高校受けてたし、てっきり付き合ってると思ってたぞ」
それを聞いた梓は、おかしそうに手を左右に振りながら笑いだす。
「あり得ない、それ絶対ないから。それに今、佐藤好きな子いるよ。な?」
梓は僕を仰ぎ見ながら、いたずらっぽく笑った。
それに僕は苦笑いで返した。
正確には最近までなんだけど、ここでいちいち説明するのもなんなので軽く流しておくことにする。
「…何だよそれ。俺ずっと勘違いしてたんだけど」
椎名とか呼ばれていた奴が、あからさまに不満げな顔をして剥れている。
…何だか嫌な予感がする。もしかしてこいつも梓の事…?
僕がそいつをじっと見ていると、椎名も僕の視線に気が付いたようで、少しきつい目で視線を絡ませてきた。そして、フイと視線を梓に戻す。
「で、順番待ちしてるの? 俺らの方が早く並んでるから、良ければ一緒のテーブルにつく?」
僕は唖然とした。
なんてことを持ちかけてくるんだよ!
「無理だろ、そんな事」
梓は何言ってんのという顔をして、ケロッと断った。
おそらく椎名とかいう奴の気持ちに気が付いてはいないようだ。
だけど、その言葉に戸惑った顔をした椎名には気が付いたようで、梓は言葉を続けた。
「だって、4人ともなるとテーブルが変わって来るだろ? そうなると、もっと後ろに回されちゃうんじゃないのか?」
梓の説明に、僕は「なるほど」と思った。それは椎名も同じようで「仕方ないか」とつぶやいていた。
「2名様でお待ちの椎名さん」
何てナイスなタイミング!
椎名は軽くため息を吐いて、梓に「お先に」と言って2人で手を振り、案内する店員の後をついて行った。
「中学の…?」
「うん、3年の時に同じクラスだった」
「…仲、良かったのか?」
「え…。まあ普通に、今の佐藤や田本達くらいな感じかな」
「ふうん…」
田本と同じくらいと言うことは、他の男子よりは仲は良いかもしれないけど、個人的レベルではないって感じかな。
僕があれこれ考えていると、下から梓が僕を心配そうに見上げていた。
梓がハンバーグが食べたいというので、ファミレスに行くことにした。そこならメニューにも困らないだろうし。
近くにある大手のそれに行くと、祝日と言うこともあって結構待ってる人がいる。きっとどこも同じ状態だろうから、とりあえず名前を記入し席が空くのを待つことにした。
入り口近くのソファに1人分空いていたのでそこに梓を座らせて、僕はその隣に立っていた。
何だか、彼氏みたいだ…。と1人で悦に入っていると、突然梓が声をかけられる。
「あれ、牧野だ! 久しぶりー」
声の方を見ると、男が2人立っていた。
「椎名に林、久しぶりだな」
「お前は相変わらずだな。…佐藤と一緒じゃないのか?」
梓に親しげに笑いかけた2人は、僕の存在を目にしたにも関わらず(僕に対して)失礼な事を聞いてきた。
「なんで?」
梓は何でそこで佐藤の名前が出るのかと、不思議そうな顔をした。
「いや、だってお前ら普通に仲良かっただろ」
「なー?」と、もう1人の奴に同意を求める。
「うん、同じ高校受けてたし、てっきり付き合ってると思ってたぞ」
それを聞いた梓は、おかしそうに手を左右に振りながら笑いだす。
「あり得ない、それ絶対ないから。それに今、佐藤好きな子いるよ。な?」
梓は僕を仰ぎ見ながら、いたずらっぽく笑った。
それに僕は苦笑いで返した。
正確には最近までなんだけど、ここでいちいち説明するのもなんなので軽く流しておくことにする。
「…何だよそれ。俺ずっと勘違いしてたんだけど」
椎名とか呼ばれていた奴が、あからさまに不満げな顔をして剥れている。
…何だか嫌な予感がする。もしかしてこいつも梓の事…?
僕がそいつをじっと見ていると、椎名も僕の視線に気が付いたようで、少しきつい目で視線を絡ませてきた。そして、フイと視線を梓に戻す。
「で、順番待ちしてるの? 俺らの方が早く並んでるから、良ければ一緒のテーブルにつく?」
僕は唖然とした。
なんてことを持ちかけてくるんだよ!
「無理だろ、そんな事」
梓は何言ってんのという顔をして、ケロッと断った。
おそらく椎名とかいう奴の気持ちに気が付いてはいないようだ。
だけど、その言葉に戸惑った顔をした椎名には気が付いたようで、梓は言葉を続けた。
「だって、4人ともなるとテーブルが変わって来るだろ? そうなると、もっと後ろに回されちゃうんじゃないのか?」
梓の説明に、僕は「なるほど」と思った。それは椎名も同じようで「仕方ないか」とつぶやいていた。
「2名様でお待ちの椎名さん」
何てナイスなタイミング!
椎名は軽くため息を吐いて、梓に「お先に」と言って2人で手を振り、案内する店員の後をついて行った。
「中学の…?」
「うん、3年の時に同じクラスだった」
「…仲、良かったのか?」
「え…。まあ普通に、今の佐藤や田本達くらいな感じかな」
「ふうん…」
田本と同じくらいと言うことは、他の男子よりは仲は良いかもしれないけど、個人的レベルではないって感じかな。
僕があれこれ考えていると、下から梓が僕を心配そうに見上げていた。
0
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。


昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる