47 / 106
第三章
広がる波紋2
しおりを挟む
佐藤の噂はアッという間に広まる。これは、本当にその通りなんだと実感する。
僕はどこに行ってもあちこちから視線がグサグサ刺さるようで、居心地が悪い。
だけど以前に梓がされていたような嫌がらせとかは一切なかった。これは前に佐藤が釘を刺していたことが功を奏しているのだと思う。
…佐藤って本当に女子への影響力って絶大なんだなあ…。
「沢村さん」
怒ったような声に驚いて振り向くと、勢いよくこちらに向かってくる西村がいた。
「佐藤と付き合ってるって本当か?」
「…ホントだけど」
「あ゛あ゛~もう!あのヤロー」
すっごい大声を出したかと思ったら、踵を返して去っていく。
「な、何あれ…」
僕らは三人で顔を見合す。
「…佐藤に文句言いに行ったんじゃないの?」
「大丈夫かな…」
西村の形相が気になって、佐藤の事がちょっと心配になってしまった。
「自業自得だろ」
え?と思い梓を見ると、梓は澄ました顔で去っていく西村を見ていた。
もしかしたら僕がこの計画に巻き込まれたと思って同情してくれているんだろうか?
一応僕にも虫よけのメリットはあるって、梓もそう思っていたようだけど。
「でも佐藤の事だから、きっと上手くいなしちゃうんだろうね」
「ああ、それはそうかも」
結局、まどかの予言は当たっていたようで、教室に戻ってみると嫌に不貞腐れた西村が大人しく席に座っている姿があったのだ。
ただ本当に煩わしく思うのは、付き合っているのかと確認してくる人の多さだった。僕が知らない子にも声をかけられたし。
僕と佐藤はあくまでもフリだから良いけれど、これが本当に女の子で佐藤の彼女だとしたら不安で不安で仕方ないだろう。
僕はいもしない相手に勝手に同情してしまっていた。
僕はどこに行ってもあちこちから視線がグサグサ刺さるようで、居心地が悪い。
だけど以前に梓がされていたような嫌がらせとかは一切なかった。これは前に佐藤が釘を刺していたことが功を奏しているのだと思う。
…佐藤って本当に女子への影響力って絶大なんだなあ…。
「沢村さん」
怒ったような声に驚いて振り向くと、勢いよくこちらに向かってくる西村がいた。
「佐藤と付き合ってるって本当か?」
「…ホントだけど」
「あ゛あ゛~もう!あのヤロー」
すっごい大声を出したかと思ったら、踵を返して去っていく。
「な、何あれ…」
僕らは三人で顔を見合す。
「…佐藤に文句言いに行ったんじゃないの?」
「大丈夫かな…」
西村の形相が気になって、佐藤の事がちょっと心配になってしまった。
「自業自得だろ」
え?と思い梓を見ると、梓は澄ました顔で去っていく西村を見ていた。
もしかしたら僕がこの計画に巻き込まれたと思って同情してくれているんだろうか?
一応僕にも虫よけのメリットはあるって、梓もそう思っていたようだけど。
「でも佐藤の事だから、きっと上手くいなしちゃうんだろうね」
「ああ、それはそうかも」
結局、まどかの予言は当たっていたようで、教室に戻ってみると嫌に不貞腐れた西村が大人しく席に座っている姿があったのだ。
ただ本当に煩わしく思うのは、付き合っているのかと確認してくる人の多さだった。僕が知らない子にも声をかけられたし。
僕と佐藤はあくまでもフリだから良いけれど、これが本当に女の子で佐藤の彼女だとしたら不安で不安で仕方ないだろう。
僕はいもしない相手に勝手に同情してしまっていた。
0
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。


昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる