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第三章
佐藤との密約3
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夕飯とお風呂を済ませ、僕はベッドの上で胡坐をかきながらスマホを片手に梓にラインを送る。
『今日何してた? 僕はとんでもないことになっちゃった』
すると、すぐに梓からの返信。
『今日は姪っ子と遊んでた。とんでもない事って?』
『佐藤にバレた』
僕もすぐに返信した。なんて返って来るかなと思っていたら、電話がかかってきた。
「もしもし、梓?」
「あ、由紀。びっくりした、佐藤にばれたってどういうこと?」
「実はね…」
僕は姉さんが痴漢にあって佐藤に助けてもらい、家まで送ってもらった際に僕とばったり会ってばれてしまった経緯を梓に話して聞かせた。
梓が笑っている声が聞こえてくる。
「由紀の姉さんも、そそっかしいな」
「だよね…。でもおかげで佐藤に謝る事も出来たよ。…厄介な約束もしちゃったけど」
「厄介な約束?」
「うん…。佐藤と付き合ってるフリしようって事になった」
「え!?」
「お互いのメリットの為なんだってさ」
「メリットって?」
「平たく言えば、虫よけかな? 佐藤、女の子にモテすぎて色々苦労しているみたいだから」
「で、由紀は?」
「僕もそっち。佐藤が言うにはクラスの男子の半分くらいが僕に気があるんだって」
「あー、確かにねえ」
「ホントにそうなの!?」
「え? 由紀、気が付いてなかったの?」
「…気が付かないよ。男子の目線なんて気にしないし」
「それもそっか」
「ちょっと複雑な気分だけどさ。梓、僕のこと癒してくれよな」
「え!? な、何言ってんだよ。あ、あたしなんかよりまどかの方が…」
「僕は梓の方が良い」
「…」
「梓?」
しばらく沈黙が続く。僕は急かさずに梓の言葉を待つことにした。
だけどなかなか返事が無いので、諦めてお休みの挨拶でもしようかと思いかけた時、ようやく小さな声で梓の声が届く。
「と、時々ならいいよ」
「うん! それでも嬉しい」
僕は本当に嬉しくなって拳を握り、つい大きな声を出してしまった。
梓はそれにクスッと笑う。
「じゃあ、明日、学校で」
「うん。おやすみなさい」
「おやすみ」
変に長かった今日がやっと終わる。
僕はスマホを机の上において、ベッドに転がった。
明日の事は明日に考えることにして、僕はフウッと息を吐いて目を閉じた。
『今日何してた? 僕はとんでもないことになっちゃった』
すると、すぐに梓からの返信。
『今日は姪っ子と遊んでた。とんでもない事って?』
『佐藤にバレた』
僕もすぐに返信した。なんて返って来るかなと思っていたら、電話がかかってきた。
「もしもし、梓?」
「あ、由紀。びっくりした、佐藤にばれたってどういうこと?」
「実はね…」
僕は姉さんが痴漢にあって佐藤に助けてもらい、家まで送ってもらった際に僕とばったり会ってばれてしまった経緯を梓に話して聞かせた。
梓が笑っている声が聞こえてくる。
「由紀の姉さんも、そそっかしいな」
「だよね…。でもおかげで佐藤に謝る事も出来たよ。…厄介な約束もしちゃったけど」
「厄介な約束?」
「うん…。佐藤と付き合ってるフリしようって事になった」
「え!?」
「お互いのメリットの為なんだってさ」
「メリットって?」
「平たく言えば、虫よけかな? 佐藤、女の子にモテすぎて色々苦労しているみたいだから」
「で、由紀は?」
「僕もそっち。佐藤が言うにはクラスの男子の半分くらいが僕に気があるんだって」
「あー、確かにねえ」
「ホントにそうなの!?」
「え? 由紀、気が付いてなかったの?」
「…気が付かないよ。男子の目線なんて気にしないし」
「それもそっか」
「ちょっと複雑な気分だけどさ。梓、僕のこと癒してくれよな」
「え!? な、何言ってんだよ。あ、あたしなんかよりまどかの方が…」
「僕は梓の方が良い」
「…」
「梓?」
しばらく沈黙が続く。僕は急かさずに梓の言葉を待つことにした。
だけどなかなか返事が無いので、諦めてお休みの挨拶でもしようかと思いかけた時、ようやく小さな声で梓の声が届く。
「と、時々ならいいよ」
「うん! それでも嬉しい」
僕は本当に嬉しくなって拳を握り、つい大きな声を出してしまった。
梓はそれにクスッと笑う。
「じゃあ、明日、学校で」
「うん。おやすみなさい」
「おやすみ」
変に長かった今日がやっと終わる。
僕はスマホを机の上において、ベッドに転がった。
明日の事は明日に考えることにして、僕はフウッと息を吐いて目を閉じた。
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