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第三章
…またバレてしまいました1
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一通り稽古が終わり、僕は前田さんを見送るため玄関を出て門へと向かった。
「今日は有難うございました」
ぺこりとお辞儀をすると、優しく微笑んでくれる。
「君は筋も良いし、頑張ってくれるからね。教え甲斐がありますよ」
その言葉に嬉しくなって、僕も思わず微笑み返してしまう。
「じゃあ、また。次は土曜日に」
「はい」
前田さんは軽く手を振って通りへと消えて行った。
前田さんの姿が見えなくなったのを確認して、僕は家に戻ろうと門に手をかけたところで、通りの向こうから姉さんの声が聞こえてきた。
「本当に、何から何まですみませんでした。荷物まで持ってもらって…」
ん? 誰かに途中で会ったのかな?
そう思い振り向こうとしたその時、聞き覚えのある声が僕の耳に入ってきた。
「気にしないでください。どうせ暇でしたから」
え゛!?
さ…?
嫌な予感に僕は腕の隙間から窺うように、そっと視線を向けた。
案の定そこには、何故か姉さんと一緒に歩く佐藤がいた。
何で!?
何で佐藤が姉さんと一緒なわけ!?
僕はあたふたしながらも、佐藤に顔を見られるわけにはいかないと門に手をかけ逃げようとした。
「由紀也!」
ビクッ!
僕は門を掴んだまま固まってしまう。姉さんのバカ!
何でこんな時に僕の事呼ぶんだよ!
「…」
「ちょっと由紀也、お礼言って!」
「…え? お、お礼って…?」
僕は佐藤に顔を見られないように、不自然に体をねじったままそっぽを向いて対応する。
だけど僕のその失礼な態度に姉さんは腹を立てたようで、僕の腕をグイッと引っ張り佐藤の正面に持っていってしまった。
僕の顔を見た佐藤が、一瞬「あれ?」といった顔をする。
だけどそれはほんの一瞬で、何か納得したような表情になり、何事も無かったような顔になる。
もしかして、ばれなかった?
良かったーと、安堵していると突然爆弾が落ちる。
「由紀也、この方、佐藤くんなんだけどね。由紀也と同じ中条高校の一年生なんだって! 奇遇よねー」
僕はギョッとして真っ青になる。
何言ってんだよ、姉さん!とワタワタしていると、それに気づいた姉さんも、事の重大さを思い出し一緒になって焦り出した。
「あ、や。ごめ…、じゃなくて…」
二人の焦る姿に佐藤も訝しさを感じたらしく、僕の顔を見つめてくる。
…額と背中から嫌な汗が流れてくるんですけど…。
「今日は有難うございました」
ぺこりとお辞儀をすると、優しく微笑んでくれる。
「君は筋も良いし、頑張ってくれるからね。教え甲斐がありますよ」
その言葉に嬉しくなって、僕も思わず微笑み返してしまう。
「じゃあ、また。次は土曜日に」
「はい」
前田さんは軽く手を振って通りへと消えて行った。
前田さんの姿が見えなくなったのを確認して、僕は家に戻ろうと門に手をかけたところで、通りの向こうから姉さんの声が聞こえてきた。
「本当に、何から何まですみませんでした。荷物まで持ってもらって…」
ん? 誰かに途中で会ったのかな?
そう思い振り向こうとしたその時、聞き覚えのある声が僕の耳に入ってきた。
「気にしないでください。どうせ暇でしたから」
え゛!?
さ…?
嫌な予感に僕は腕の隙間から窺うように、そっと視線を向けた。
案の定そこには、何故か姉さんと一緒に歩く佐藤がいた。
何で!?
何で佐藤が姉さんと一緒なわけ!?
僕はあたふたしながらも、佐藤に顔を見られるわけにはいかないと門に手をかけ逃げようとした。
「由紀也!」
ビクッ!
僕は門を掴んだまま固まってしまう。姉さんのバカ!
何でこんな時に僕の事呼ぶんだよ!
「…」
「ちょっと由紀也、お礼言って!」
「…え? お、お礼って…?」
僕は佐藤に顔を見られないように、不自然に体をねじったままそっぽを向いて対応する。
だけど僕のその失礼な態度に姉さんは腹を立てたようで、僕の腕をグイッと引っ張り佐藤の正面に持っていってしまった。
僕の顔を見た佐藤が、一瞬「あれ?」といった顔をする。
だけどそれはほんの一瞬で、何か納得したような表情になり、何事も無かったような顔になる。
もしかして、ばれなかった?
良かったーと、安堵していると突然爆弾が落ちる。
「由紀也、この方、佐藤くんなんだけどね。由紀也と同じ中条高校の一年生なんだって! 奇遇よねー」
僕はギョッとして真っ青になる。
何言ってんだよ、姉さん!とワタワタしていると、それに気づいた姉さんも、事の重大さを思い出し一緒になって焦り出した。
「あ、や。ごめ…、じゃなくて…」
二人の焦る姿に佐藤も訝しさを感じたらしく、僕の顔を見つめてくる。
…額と背中から嫌な汗が流れてくるんですけど…。
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