修行のため、女装して高校に通っています

らいち

文字の大きさ
上 下
25 / 106
第二章

ちょっぴり進展?…まだまだです1

しおりを挟む
新入生歓迎スポーツ大会が間近に迫り、僕たちパフォーマンス要員は当日何をするかを話し合っていた。

「飛んでけ!にゃんにゃんスターとかも良いよね。あー、それだと由紀ちゃんは無理かなあ」

まどかが、僕を気遣って顔を覗き込んできた。
飛んでけ!にゃんにゃんスターとは、今人気のアニメのオープニングテーマだ。そのテーマ曲と共に、画面いっぱいに主人公の桃美やその友人たちが元気いっぱいに踊っている。

もちろん僕はそのくらい正直全然大丈夫なんだけど、病弱設定の僕だと少し振付が激しいというべきかもしれないな…。

「…男女混合でやるのならHop up!とかは?沢村さんの所は少しアレンジして動くところを少なくするとかさ」
「SaruのOrange Trainとかも良いよねー。男子だけで! 個人的にも見てみたいな」
小田が、女子の願望丸出しで提案してきた。それにまどかも乗っかる。

「いいね! それ。他のクラスの女子からも羨ましがられそう!」
「あのね、まどか…」
いつものように脱線しそうなまどかを注意しようと諌めかけたのだが、まどかは気づかないようでさらに続ける。

「それとさあ、佐藤せっかくだから甘い笑顔を振りまいてよ」
「…はい?」

佐藤が何言ってんだとばかりに低い声でまどかに返す。

「だってー、あの衣装着た佐藤ってまるでホストじゃん」
「執事だ」
「どうでも良いよー、とにかく甘い笑顔! まどかにはいいから他の女子にね!」
「島田…お前なー」
「何よ。甘い笑顔じゃ不服? それならドSチックな腹黒い笑顔でも良いよ! こう腕組んで偉そうに!」

少し離れたところで会話を聞いている女子が、まどかのその言葉に反応して歓声を上げている。どうやら需要があるらしい。

「…まどか、佐藤をからかうのもそれくらいにしとけ」

横から梓が話に入ってきた。いつもの事だけど、梓はまるでまどかの姉みたいだ。自由奔放なまどかの事を可愛いとは思っているようだけど、脱線気味のまどかにはやはり手綱を引く者が必要なようだ。

「え~。本気なのに~」

ぶうぶう文句を言うまどかは脇に置いて、みんなで真面目に話し合った。
結果、パフォーマンスメンバーの中では混合リレーに出るのはまどかだけだったので、その時に『Hop up』を、そしてまどかと小田の競技が無い時に『飛んでけ!にゃんにゃんスター』を、と言うことに決まった。

僕の所だけはアレンジして、あまり激しくならないようにと皆に気を遣ってもらっていた。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

小学生をもう一度

廣瀬純一
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件

マサタカ
青春
 俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。 あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。   そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。 「久しぶりですね、兄さん」 義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。  ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。 「矯正します」 「それがなにか関係あります? 今のあなたと」  冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。    今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人? ノベルアッププラスでも公開。

リアルフェイスマスク

廣瀬純一
ファンタジー
リアルなフェイスマスクで女性に変身する男の話

処理中です...