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第二章
ちょっぴり進展?…まだまだです1
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新入生歓迎スポーツ大会が間近に迫り、僕たちパフォーマンス要員は当日何をするかを話し合っていた。
「飛んでけ!にゃんにゃんスターとかも良いよね。あー、それだと由紀ちゃんは無理かなあ」
まどかが、僕を気遣って顔を覗き込んできた。
飛んでけ!にゃんにゃんスターとは、今人気のアニメのオープニングテーマだ。そのテーマ曲と共に、画面いっぱいに主人公の桃美やその友人たちが元気いっぱいに踊っている。
もちろん僕はそのくらい正直全然大丈夫なんだけど、病弱設定の僕だと少し振付が激しいというべきかもしれないな…。
「…男女混合でやるのならHop up!とかは?沢村さんの所は少しアレンジして動くところを少なくするとかさ」
「SaruのOrange Trainとかも良いよねー。男子だけで! 個人的にも見てみたいな」
小田が、女子の願望丸出しで提案してきた。それにまどかも乗っかる。
「いいね! それ。他のクラスの女子からも羨ましがられそう!」
「あのね、まどか…」
いつものように脱線しそうなまどかを注意しようと諌めかけたのだが、まどかは気づかないようでさらに続ける。
「それとさあ、佐藤せっかくだから甘い笑顔を振りまいてよ」
「…はい?」
佐藤が何言ってんだとばかりに低い声でまどかに返す。
「だってー、あの衣装着た佐藤ってまるでホストじゃん」
「執事だ」
「どうでも良いよー、とにかく甘い笑顔! まどかにはいいから他の女子にね!」
「島田…お前なー」
「何よ。甘い笑顔じゃ不服? それならドSチックな腹黒い笑顔でも良いよ! こう腕組んで偉そうに!」
少し離れたところで会話を聞いている女子が、まどかのその言葉に反応して歓声を上げている。どうやら需要があるらしい。
「…まどか、佐藤をからかうのもそれくらいにしとけ」
横から梓が話に入ってきた。いつもの事だけど、梓はまるでまどかの姉みたいだ。自由奔放なまどかの事を可愛いとは思っているようだけど、脱線気味のまどかにはやはり手綱を引く者が必要なようだ。
「え~。本気なのに~」
ぶうぶう文句を言うまどかは脇に置いて、みんなで真面目に話し合った。
結果、パフォーマンスメンバーの中では混合リレーに出るのはまどかだけだったので、その時に『Hop up』を、そしてまどかと小田の競技が無い時に『飛んでけ!にゃんにゃんスター』を、と言うことに決まった。
僕の所だけはアレンジして、あまり激しくならないようにと皆に気を遣ってもらっていた。
「飛んでけ!にゃんにゃんスターとかも良いよね。あー、それだと由紀ちゃんは無理かなあ」
まどかが、僕を気遣って顔を覗き込んできた。
飛んでけ!にゃんにゃんスターとは、今人気のアニメのオープニングテーマだ。そのテーマ曲と共に、画面いっぱいに主人公の桃美やその友人たちが元気いっぱいに踊っている。
もちろん僕はそのくらい正直全然大丈夫なんだけど、病弱設定の僕だと少し振付が激しいというべきかもしれないな…。
「…男女混合でやるのならHop up!とかは?沢村さんの所は少しアレンジして動くところを少なくするとかさ」
「SaruのOrange Trainとかも良いよねー。男子だけで! 個人的にも見てみたいな」
小田が、女子の願望丸出しで提案してきた。それにまどかも乗っかる。
「いいね! それ。他のクラスの女子からも羨ましがられそう!」
「あのね、まどか…」
いつものように脱線しそうなまどかを注意しようと諌めかけたのだが、まどかは気づかないようでさらに続ける。
「それとさあ、佐藤せっかくだから甘い笑顔を振りまいてよ」
「…はい?」
佐藤が何言ってんだとばかりに低い声でまどかに返す。
「だってー、あの衣装着た佐藤ってまるでホストじゃん」
「執事だ」
「どうでも良いよー、とにかく甘い笑顔! まどかにはいいから他の女子にね!」
「島田…お前なー」
「何よ。甘い笑顔じゃ不服? それならドSチックな腹黒い笑顔でも良いよ! こう腕組んで偉そうに!」
少し離れたところで会話を聞いている女子が、まどかのその言葉に反応して歓声を上げている。どうやら需要があるらしい。
「…まどか、佐藤をからかうのもそれくらいにしとけ」
横から梓が話に入ってきた。いつもの事だけど、梓はまるでまどかの姉みたいだ。自由奔放なまどかの事を可愛いとは思っているようだけど、脱線気味のまどかにはやはり手綱を引く者が必要なようだ。
「え~。本気なのに~」
ぶうぶう文句を言うまどかは脇に置いて、みんなで真面目に話し合った。
結果、パフォーマンスメンバーの中では混合リレーに出るのはまどかだけだったので、その時に『Hop up』を、そしてまどかと小田の競技が無い時に『飛んでけ!にゃんにゃんスター』を、と言うことに決まった。
僕の所だけはアレンジして、あまり激しくならないようにと皆に気を遣ってもらっていた。
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