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第二章
恋のキューピット?1
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「何笑ってるんだよ」
梓の可愛い顔が嬉しくて、ニヤついていると睨まれてしまった。
「いや、だって梓可愛いから」
「由紀…」
梓は何だか戸惑ったような顔をして僕を見た。そしてため息を吐いて視線をそらす。
「あれー、どしたのー?」
向こうで何かはしゃいでいたまどかが戻ってきた。
僕らの様子が普段と違って見えたのだろう。丸い目をさらに丸くして僕らを眺めた。
「うん、あのね。さっき小田さんに相談されちゃって。まどかも協力してくれる?」
「相談?」
「…さっきのあれって相談されてたわけ?」
「うん」
あれ?
また、ちょっと顔が赤いぞ?
何か、最近は僕がらみで梓が可愛い顔をしてくれるような気がする。
自惚れでないのなら、男とばれたことが梓に関してはいい方向に向かっているような気がして、ちょっと嬉しくなる。
「小田さんね、田本君の事が好きなんだって。それで、田本君のこといろいろ調べてあげるって約束したの」
「何で由紀ちゃんが?」
まどかが不思議そうに尋ねる。
「…ホントはダブルデートを頼まれたんだよね。だけど、私は佐藤君の事好きじゃないから断ったの」
「ああ…、そっか。そう言う事…」
「で、単刀直入に聞くけど田本君って彼女とかいるの?」
「…いないんじゃないの?」
「ホント?」
「多分、だって田本って恋愛ごと疎そうだもん。みんなでつるんでバカやってる方が楽しいって感じだよねー」
「本人に直接聞いてみようか」
梓がそのまま田本に聞きに行きそうな勢いだったので、僕は梓の腕をつかんで止めた。
「まどかが適任だと思う」
「へ?まどか?」
いきなり僕に指名されてまどかがキョトンとする。
いや、意味は無いんだけどね。
万が一梓に「彼女いる?」って聞かれて、田本が梓を変に意識したりしたら嫌だから。彼氏のいるまどかなら、そう言う心配はしないで大丈夫だろう。
だけど、そんな説明まどかに出来るわけもない。
「まどかならカラッとしてるから、余計な詮索されないで良いと思うの」
「ああ、なるほど」
梓もなんとなく納得したらしい。
「そうなの? 分かった。じゃあ行ってくる」
「田本~」
まどかはぶんぶんと手を振って、田本の下へと走って行った。
そんなまどかを見て、僕はちょっと不安になった。
…無邪気にもほどがある。大丈夫かな…。
梓の可愛い顔が嬉しくて、ニヤついていると睨まれてしまった。
「いや、だって梓可愛いから」
「由紀…」
梓は何だか戸惑ったような顔をして僕を見た。そしてため息を吐いて視線をそらす。
「あれー、どしたのー?」
向こうで何かはしゃいでいたまどかが戻ってきた。
僕らの様子が普段と違って見えたのだろう。丸い目をさらに丸くして僕らを眺めた。
「うん、あのね。さっき小田さんに相談されちゃって。まどかも協力してくれる?」
「相談?」
「…さっきのあれって相談されてたわけ?」
「うん」
あれ?
また、ちょっと顔が赤いぞ?
何か、最近は僕がらみで梓が可愛い顔をしてくれるような気がする。
自惚れでないのなら、男とばれたことが梓に関してはいい方向に向かっているような気がして、ちょっと嬉しくなる。
「小田さんね、田本君の事が好きなんだって。それで、田本君のこといろいろ調べてあげるって約束したの」
「何で由紀ちゃんが?」
まどかが不思議そうに尋ねる。
「…ホントはダブルデートを頼まれたんだよね。だけど、私は佐藤君の事好きじゃないから断ったの」
「ああ…、そっか。そう言う事…」
「で、単刀直入に聞くけど田本君って彼女とかいるの?」
「…いないんじゃないの?」
「ホント?」
「多分、だって田本って恋愛ごと疎そうだもん。みんなでつるんでバカやってる方が楽しいって感じだよねー」
「本人に直接聞いてみようか」
梓がそのまま田本に聞きに行きそうな勢いだったので、僕は梓の腕をつかんで止めた。
「まどかが適任だと思う」
「へ?まどか?」
いきなり僕に指名されてまどかがキョトンとする。
いや、意味は無いんだけどね。
万が一梓に「彼女いる?」って聞かれて、田本が梓を変に意識したりしたら嫌だから。彼氏のいるまどかなら、そう言う心配はしないで大丈夫だろう。
だけど、そんな説明まどかに出来るわけもない。
「まどかならカラッとしてるから、余計な詮索されないで良いと思うの」
「ああ、なるほど」
梓もなんとなく納得したらしい。
「そうなの? 分かった。じゃあ行ってくる」
「田本~」
まどかはぶんぶんと手を振って、田本の下へと走って行った。
そんなまどかを見て、僕はちょっと不安になった。
…無邪気にもほどがある。大丈夫かな…。
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