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第二章
男ですから…2
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「由紀」
振りかえると小田が神妙な顔をして立っていた。
「ちょっと話があるんだけど良い?」
「え、うん。良いけど?」
「ありがと。ちょっとこっち」
小田が僕の手を取って引っ張った。そして廊下の隅に行き、僕にくっついて背中に手を回す。
密着しているせいで、僕の左腕に小田の胸があたる。柔らかい弾力に顔が熱くなってきた。
ど、どうしよう…!
近いし柔らかいしヤバいんですけど!
だけど小田はそんな僕の心情を知るわけもなく、誰にも聞かれないようにと小さな声で本題に入った。
「実はわたし、田本君が好きなの」
「田本君…」
ああ、佐藤とよくつるんでいる…。
「それでね」と言いながら更にギュギュっと近づいてきて、僕の全神経が左腕に集中してしまう。
「あっ、お、小田さん…えと、あのっ」
「何?」と、僕の焦りを気づく風もなく、顔を覗き込んできた。
そして、スッと僕のおでこに手を当てる。
「顔赤いよ。熱があるかも」
「う、うん…かも…」
「大丈夫?」
「だ、大丈夫。たいしたことないし…、えっと何?」
胸がくっついてるから意識してるんですとは言えるわけもなく、僕は小田に続きを促した。
「あのね、佐藤君って由紀の事好きなんだよね」
「…」
僕が返事を出来ないでいると、小田はそれを肯定とみなして先を続けた。
「えっとね、もし良ければ佐藤君に田本君を誘ってもらって、4人で遊びに行くことって出来ないかな」
小田は全力でお願いモードだ。
僕の顔を真正面から見据えて、キラキラと目を輝かせている。
正直、女の子の可愛いお願に僕は弱い。出来ればその願いをかなえてあげたいところだけど、これだけは聞くわけにはいかないと思った。
「ごめん、それは無理」
「え…。遊びに行くだけだよ。だめ?」
「…私は佐藤君の事は好きじゃないから、中途半端なことしちゃダメだと思うし」
「由紀…、でも、あのっ」
「ごめん! これだけはダメ! 田本君に誰か好きな人がいるかどうかとか、そういう調査ならいくらでもしてあげられると思うけど、佐藤君絡みはマジでダメ!」
僕が真剣な顔で小田に告げると、小田は眉を下げて情けない顔を作った。
振りかえると小田が神妙な顔をして立っていた。
「ちょっと話があるんだけど良い?」
「え、うん。良いけど?」
「ありがと。ちょっとこっち」
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密着しているせいで、僕の左腕に小田の胸があたる。柔らかい弾力に顔が熱くなってきた。
ど、どうしよう…!
近いし柔らかいしヤバいんですけど!
だけど小田はそんな僕の心情を知るわけもなく、誰にも聞かれないようにと小さな声で本題に入った。
「実はわたし、田本君が好きなの」
「田本君…」
ああ、佐藤とよくつるんでいる…。
「それでね」と言いながら更にギュギュっと近づいてきて、僕の全神経が左腕に集中してしまう。
「あっ、お、小田さん…えと、あのっ」
「何?」と、僕の焦りを気づく風もなく、顔を覗き込んできた。
そして、スッと僕のおでこに手を当てる。
「顔赤いよ。熱があるかも」
「う、うん…かも…」
「大丈夫?」
「だ、大丈夫。たいしたことないし…、えっと何?」
胸がくっついてるから意識してるんですとは言えるわけもなく、僕は小田に続きを促した。
「あのね、佐藤君って由紀の事好きなんだよね」
「…」
僕が返事を出来ないでいると、小田はそれを肯定とみなして先を続けた。
「えっとね、もし良ければ佐藤君に田本君を誘ってもらって、4人で遊びに行くことって出来ないかな」
小田は全力でお願いモードだ。
僕の顔を真正面から見据えて、キラキラと目を輝かせている。
正直、女の子の可愛いお願に僕は弱い。出来ればその願いをかなえてあげたいところだけど、これだけは聞くわけにはいかないと思った。
「ごめん、それは無理」
「え…。遊びに行くだけだよ。だめ?」
「…私は佐藤君の事は好きじゃないから、中途半端なことしちゃダメだと思うし」
「由紀…、でも、あのっ」
「ごめん! これだけはダメ! 田本君に誰か好きな人がいるかどうかとか、そういう調査ならいくらでもしてあげられると思うけど、佐藤君絡みはマジでダメ!」
僕が真剣な顔で小田に告げると、小田は眉を下げて情けない顔を作った。
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