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第一章
女って怖い3
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そんな風にはしゃぎながら歩いていたので、前から歩いてくる二人組に僕らは気が付かずにいた。
すれ違いざまに、梓が急に「痛っ!」と言ってしゃがみこんだ。
「いや~、ブスがしゃべった~」
どうやら、こいつが梓の足を思い切り踏んづけたようだ。
「ちょっと、あんたたち!」
「はあ? 何か文句あるの?」
「自分がブスだからって、美人の梓に嫉妬しないでよね!」
「なっ…!」
言われた女子は、顔を真っ赤にした。
しかも言ってるまどか自身がかなりランクの高い可愛い顔立ちなので、言われた当人にはかなりのダメージがあったに違いない。
「あのさ、あたしになんか恨みでもあるわけ?」
梓が足を摩りながら、聞いてくる。
「別に」
「じゃあ、佐藤のこと?」
「何、やっぱりあんた佐藤君の事好きなわけ?」
「違うよ。あいつはただの幼馴染。それに佐藤だって、誰か好きな人がいるみたいだよ」
「え!? 誰よ、それ!」
二人組の声がハモる。
「さあ、それは分からないけど、ね、さっきそう言ってたよね」
と、梓が僕に同意を求めた。
「うん。私も聞いた、誰かは言わなかったけど」
「…嘘でしょ? まさか、もう付き合ってるの?」
「片思いって言ってたよ? コクってなかったら、あんた達の可能性もあるんじゃないの?」しれっとした顔で、まどかが答えた。
…それは、あり得ないんじゃね―の?
佐藤って顔も良いけど心根も優しいから、こんな性格悪い奴の事を好きになるなんて、ちょっと考えられない。
だけど、まどかの一言でこのバカたちは浮足立った。二人で赤くなってコソコソと何かを話して、「キャーッ」とか言いながら走り去って行く。
「まどか…」
呆れた顔で、梓がため息交じりにつぶやいた。
「いいじゃーん。まあ、佐藤には悪かったけど、ああいう馬鹿は少しくらい恥ずかしい目に合えばいいんだよ」
まどかって、可愛い顔に似合わずに辛辣だ…と、あらためて僕は女の怖さを思い知るのだった。
すれ違いざまに、梓が急に「痛っ!」と言ってしゃがみこんだ。
「いや~、ブスがしゃべった~」
どうやら、こいつが梓の足を思い切り踏んづけたようだ。
「ちょっと、あんたたち!」
「はあ? 何か文句あるの?」
「自分がブスだからって、美人の梓に嫉妬しないでよね!」
「なっ…!」
言われた女子は、顔を真っ赤にした。
しかも言ってるまどか自身がかなりランクの高い可愛い顔立ちなので、言われた当人にはかなりのダメージがあったに違いない。
「あのさ、あたしになんか恨みでもあるわけ?」
梓が足を摩りながら、聞いてくる。
「別に」
「じゃあ、佐藤のこと?」
「何、やっぱりあんた佐藤君の事好きなわけ?」
「違うよ。あいつはただの幼馴染。それに佐藤だって、誰か好きな人がいるみたいだよ」
「え!? 誰よ、それ!」
二人組の声がハモる。
「さあ、それは分からないけど、ね、さっきそう言ってたよね」
と、梓が僕に同意を求めた。
「うん。私も聞いた、誰かは言わなかったけど」
「…嘘でしょ? まさか、もう付き合ってるの?」
「片思いって言ってたよ? コクってなかったら、あんた達の可能性もあるんじゃないの?」しれっとした顔で、まどかが答えた。
…それは、あり得ないんじゃね―の?
佐藤って顔も良いけど心根も優しいから、こんな性格悪い奴の事を好きになるなんて、ちょっと考えられない。
だけど、まどかの一言でこのバカたちは浮足立った。二人で赤くなってコソコソと何かを話して、「キャーッ」とか言いながら走り去って行く。
「まどか…」
呆れた顔で、梓がため息交じりにつぶやいた。
「いいじゃーん。まあ、佐藤には悪かったけど、ああいう馬鹿は少しくらい恥ずかしい目に合えばいいんだよ」
まどかって、可愛い顔に似合わずに辛辣だ…と、あらためて僕は女の怖さを思い知るのだった。
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