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第一章
男前な女子1
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1年3組の教室の前で、ため息を一つ。ココは僕が1年間通う教室。女として…。
あ~もう!恨むよ親父~。
扉に手をついて、しばらく僕はうなだれていた。
「どうした?気分悪いのか?」
突然後ろから声をかけられて、びっくりして振り向く。するとそこには、ショートボブでオールバックのキリッとした子が立っていた。
両手を腰に当てて、心配そうに僕を覗き込んでいる。仕草はまるで男みたいだけど、間違いなく女の子の様だ(スカート穿いてるし)
…僕は男子でもスカート穿いてるけど(泣)
「大丈夫か?」
心配そうに再度聞いてくる彼女に、慌てて返事をする。
「あ、うん。大丈夫、ありがと。ちょっと緊張して」
「緊張?」
そう、緊張。バカ親父のせいで、男とばれたらどうしようっていらん心配をさせられている。
まったく…。
「いじめとかあったりしたのか?」
自分としては、明後日の方向の問いに一瞬キョトンとする。心配そうなその表情に優しい子なんだなあとちょっと感激してしまった。
「あ、ううん。そうじゃないの、人見知りだから上手く馴染めるかなって不安で」
そう言うと、心配げだった表情が一変した。
一瞬、「え?」って顔になり、それから優しく僕にほほ笑んだ。
そのあまりの優しい笑顔に僕はドキリとした。ちょっと頬が赤くなっているかもしれない。
ヤバいんだけど…。
「だったら、あたしが友達第一号だ。牧野梓だ。よろしくな」
そう言って、右手を出してきた。ぼくは焦って両手をスカートで拭いて、右手を出して握手した。
「よろしくね。私、沢村…由紀」
梓の手は、想像していたよりもずっと柔らかだった。
自分に割り当てられた席に着いて、なんだかなーと思う。
声を出すのも一苦労だ。地声にならないように男だとばれないようにホント必死だ。
姉さんも、今日は、いやこれから毎朝の日課になるんだろうけど、ある意味必死だった。
僕が男とばれないように、完璧な化粧をしなくてはと、半年間磨いた腕を僕の顔に施していった。もちろん厚化粧なんかじゃない。ナチュラルメイクって奴らしい。
舞台でのケバイメイクとは違って難しいに違いないんだけど、僕に同情した姉さんは、姉さんなりに考えてくれていたらしい。
実は、ちょっとジンとした。
上手く言葉にできなかったけど。今度はちゃんとお礼を言わなくちゃ。
何気なく振り返ると、知らない男子がこちらをガン見していた。
なんだよ、もしかしてもうバレたのか?男が女装してるって!
僕の心臓がせわしなく動き始めた。バクバクとものすごい音をたてている。嫌な脂汗まで出てきた。
思わぬ恐怖にそいつの顔から目が離せずにいたら、あろうことかそいつの顔が急にボンッて音がしそうな勢いで真っ赤になった。
キモッ!なんだあれ、男相手に男が真っ赤って!?
…あ、今は女だったっけ。
「…」
冗談じゃない、マジキモいよ…。どうしてくれるんだよバカ親父…。
ぼくは机に突っ伏して、盛大なため息を吐いたんだ…。
あ~もう!恨むよ親父~。
扉に手をついて、しばらく僕はうなだれていた。
「どうした?気分悪いのか?」
突然後ろから声をかけられて、びっくりして振り向く。するとそこには、ショートボブでオールバックのキリッとした子が立っていた。
両手を腰に当てて、心配そうに僕を覗き込んでいる。仕草はまるで男みたいだけど、間違いなく女の子の様だ(スカート穿いてるし)
…僕は男子でもスカート穿いてるけど(泣)
「大丈夫か?」
心配そうに再度聞いてくる彼女に、慌てて返事をする。
「あ、うん。大丈夫、ありがと。ちょっと緊張して」
「緊張?」
そう、緊張。バカ親父のせいで、男とばれたらどうしようっていらん心配をさせられている。
まったく…。
「いじめとかあったりしたのか?」
自分としては、明後日の方向の問いに一瞬キョトンとする。心配そうなその表情に優しい子なんだなあとちょっと感激してしまった。
「あ、ううん。そうじゃないの、人見知りだから上手く馴染めるかなって不安で」
そう言うと、心配げだった表情が一変した。
一瞬、「え?」って顔になり、それから優しく僕にほほ笑んだ。
そのあまりの優しい笑顔に僕はドキリとした。ちょっと頬が赤くなっているかもしれない。
ヤバいんだけど…。
「だったら、あたしが友達第一号だ。牧野梓だ。よろしくな」
そう言って、右手を出してきた。ぼくは焦って両手をスカートで拭いて、右手を出して握手した。
「よろしくね。私、沢村…由紀」
梓の手は、想像していたよりもずっと柔らかだった。
自分に割り当てられた席に着いて、なんだかなーと思う。
声を出すのも一苦労だ。地声にならないように男だとばれないようにホント必死だ。
姉さんも、今日は、いやこれから毎朝の日課になるんだろうけど、ある意味必死だった。
僕が男とばれないように、完璧な化粧をしなくてはと、半年間磨いた腕を僕の顔に施していった。もちろん厚化粧なんかじゃない。ナチュラルメイクって奴らしい。
舞台でのケバイメイクとは違って難しいに違いないんだけど、僕に同情した姉さんは、姉さんなりに考えてくれていたらしい。
実は、ちょっとジンとした。
上手く言葉にできなかったけど。今度はちゃんとお礼を言わなくちゃ。
何気なく振り返ると、知らない男子がこちらをガン見していた。
なんだよ、もしかしてもうバレたのか?男が女装してるって!
僕の心臓がせわしなく動き始めた。バクバクとものすごい音をたてている。嫌な脂汗まで出てきた。
思わぬ恐怖にそいつの顔から目が離せずにいたら、あろうことかそいつの顔が急にボンッて音がしそうな勢いで真っ赤になった。
キモッ!なんだあれ、男相手に男が真っ赤って!?
…あ、今は女だったっけ。
「…」
冗談じゃない、マジキモいよ…。どうしてくれるんだよバカ親父…。
ぼくは机に突っ伏して、盛大なため息を吐いたんだ…。
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