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Dルート
2日目前編 襲撃
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[闘技場:会場]
永田カナタ17歳、現在数万人が見てる前でひたすら戦士にボコられています。助けてください。
「グォッ!!」
「どうした、早く立ち上がれ」
数十メートル吹き飛ばされる俺にまったく容赦のない発言をする戦士。
物語は1時間前に遡る。
[9:00]
朝食を食べ終わり、VIPルームを出ようとした時、アリスに話しかけられた。
「カナタさん、少しお話をしたいのですがよろしいでしょうか」
「へ?なんでしょうか?」
俺はアリスに手招きされて隣の席に座る。
「昨日の続きですが、貴方は核石を宿しながら魔力を持っていない。これで星ごとに固有の核石があるということが立証されました」
「はぁ」
まあそういうことになるな。実際魔法とか使えないし。
「つまり、貴方は魔力ではない別の力が宿っているというのも分かりますね?」
「はぁ。でもそんな力使ったこともないし使い方もわかりませんよ?」
「それを確かめるために、試してほしいことがあるのです」
でもどうやって。学校ででた怪物と戦ってるときでさえそんな力使えなかったのに。
「人間という生き物はピンチになると本当の力を発揮するってお父様が言ってました」
アリスがニコッと笑う。とても可愛らしく守ってあげたくなるような顔だった。
...
さっきまではな!!
[10:20 現在]
剣道場で戦った怪物の攻撃が生易しいと感じるほどの激痛が横腹に走る。
あの姫あとで...いややめとこう。
心の中に怒りをそっとしまい込む。
「いつ敵が現れるか分からない。もしお前の持つ核石が強力な力を持っているなら、この先のきっと役に立つはずだ」
「わ、わかってますけどぉ」
ゆっくりと立ち上がり戦士の方を見る。戦士は貫禄のある顔立ちでちょび髭を生やしており、筋肉質な体を覆う甲冑からは歴戦の傷がちらほら見える。
「カナタ!がんばれよー!」
「応援してますからね―!」
呑気なワキオとマルタの声がVIP席から聞こえてくる。
「あいつら...」
「余所見をするな」
耳元で戦士の声がする。
数十メートル離れていたはずの戦士はすでに目の前まで来て木刀を構えていた。
次に右足に衝撃が来る。
「痛ッ!」
バランスを崩し倒れようとする体に木刀の追撃が放たれる。
勢いよく振り上げられた木刀は俺の顎に直撃し、そのまま視界はブラックアウトした。
...
冷たい地面の感触で目を覚ます。
夢を見たような感覚が体を襲っている。
「どうやら力が覚醒したようだな」
真上から戦士の声がする。
力...?
だんだん右手に違和感を持ち始める。
ゆっくりと右手を顔の前にだすと、その手背には黒い円の模様がいつの間にか刻まれていた。
「これって...?」
「その力をこれから確かめる」
戦士に右腕を掴まれると、腕力で無理やり立ち上がらされる。
少ししてVIPルームの方から姫様とワキオ、マルタが歩いて近づいてきた。
「ほ、本当にカナタくんにそんな力があったなんて...」
「やったじゃねーか!で、これどんな能力!?」
「分からない...目が覚めたらこの円が刻まれてた...」
突然発生した能力にマルタとワキオは驚きと喜びをみせている。
それと裏腹にアリスは冷静な表情で俺に質問する。
「カナタさん。気を失っている間に貴方の中でなにかありましたか?」
夢の中でなにかを...したような気が...
黒い空間が断片的に頭の中に思い浮かぶ。
「箱に...箱に触れた気が...」
「箱...?どうやらまだ貴方の核石には秘密があるようですね...ブレド、もう少しだけ手伝っていただけますか?」
「はっ!」
そういうと姫様はワキオとマルタを連れて再びVIPルームに戻る。
ブレドは俺から数メートル前に離れると、木刀を構える。
「それで、その核石がどういう能力を持っているかはわかったか?」
そこでようやく意識がはっきりとしてきた。
不思議と体に高揚感が高まっていく。
右手に力を込めると手背の円模様から回路上に線が伸びていき、手のひらに黒いエネルギーでできた球体が生み出される。
「...はっきりとはわかんないですけど、今ならなんでもできそうな気がします」
その球体はブレドと呼ばれた戦士の持つ木刀と同じ形状に変化すると、右手に握られる。
「いくぞ」
数メートルの間合いは一瞬で詰められ、戦士の木刀が俺の脇腹に向けて放たれる。
”ガッ”
ギリギリ木刀と脇腹の間に黒い刀を挟むことに成功する。
だが防御は出来ても腕力で体が押されていく。
「ぐぐぐぉぉおお!!」
腕に力を入れ、足を大きく開き木刀を弾き返そうとするも、ブレドの腕は大樹のようにピクリともせず、逆に力を増していく。
これ防げなかったら死ぬ...!!
全身全霊でブレドに抵抗するが、次第に手足が震えていき、ついに両手で握った刀は弾き飛ばされてしまう。
体が大きく後ろに浮き上がるが、今回は数メートルの吹っ飛びで済んだ。
弾き飛ばされた刀の方をみると、刀は地面に勢いよく突き刺りながら消滅していった。
(...今のは少し本気で吹き飛ばしたつもりなんだが)
ブレドは少し考えこみながら俺を見つめている。
その間にゆっくりと立ち上がりながら痺れた手足を休ませる。
「それで、お前の核石の能力はわかったか?」
この能力、さっきはなんとなくで発動したからよくまだわかってないが...ブレドの武器を見たら同じ形の武器が生成された...気がするような...
つまり武器の模倣品の生成?いや、なんか違う気がする。
もっと別の...なにか...
先程の出来事を思い出すように上を向く。どうやってあの刀を生成できたかを考える。
その時だった。
一匹の蝶が静かに飛びながら闘技場に入ってきた。
鮮やかな模様の羽根を広げながら観客席まで飛んでいくと、蝶は手すりの上に止まる。
小さいはずなのに異様な存在感を持つそれに、周りの人間が魅了される。
そんな中ブレドは蝶に違和感を持っていた。
(蝶...?まさか!?)
「全員その蝶から離れろぉ!!」
当然ブレドが大声で叫ぶ。
その瞬間蝶は急激に巨大化し、人一人分の大きさまでなると、脱皮するように殻を破る。
黒い殻の内側からは一人の男がでてきた。
男は赤いネクタイと黒いスーツを着こなしており、背中から大きな蝶の羽根を生やすという不気味なフォルムをしている。
「いやぁ良かった。侵入した際は見当たらなくて焦りましたが、ここに隠れていたんですね」
男は独り言を言いながら手すりから観客席に降りる。
近くの市民は悲鳴をあげながら後ずさり、蝶男の周りから波のように人々が逃げ出す。
「しかも運がいい。核石持ちが二人もいるなんて!」
ハハハと高笑いする蝶男にすぐに兵士が集まっていき、しばらくして全方位を囲う。
「あと数秒で避難用の魔法陣が闘技場出口に作られる。そこに入ればここからはるか遠くに創設された避難所に転送されるはずだ」
「ブレドさんはどうするんですか?」
「俺は姫様の護衛をする。ここは兵士たちに任せてお前は仲間と一緒に逃げろ」
確かに兵士たちが時間稼ぎをすれば俺達は助かるかもしれない。
でも、それじゃ俺達のために何人の人が犠牲になる...?
それにこの力があれば...
「...俺も戦います」
「バカな考えは捨てろ、本物の戦闘はお前が想像するほど甘くない」
「元の世界で怪物を倒しました。それに貴方とも戦った、それにここで逃げたらなんのための核石だ!」
「お前は力を得たことで気が大きくなっているだけだ」
「でも...」
そこまで言った所でブレドは俺を勢いよく放り投げる。
そのまま闘技場の端まで飛んでいくと壁に激突して地面に垂れ落ちていった。
横をみるとすぐ横にVIPルームがあり、すぐにワキオとマルタが出てくる。
「カナタ!なんかやばそうだぞ!今沢山の兵士がこっちに向かってて、えーと!なんかヤバい!!」
「で、出口に魔法陣があって、そ、そこから出たら遠くに転送できるって!!」
焦った様子の二人の手を借りて立ち上がる。
「二人は先に逃げてくれ...」
「は!?何いってんだよ!」
すると数百の甲冑を着た人たちが会場に入っていく。
避難する観客と兵士の足音で二人の俺を静止する声はかき消された。
[闘技場:観客席]
(数は数十、いや数百...いい感じに増えてきましたね)
蝶男は兵士たちに囲まれながら不敵に笑う。
「1人は護衛に連れられて、1人は立ち上がっている最中...そちらから仕留めましょうかね」
独り言を喋ると、蝶男は羽根を大きく広げ風圧を起こしながら空に舞い上がる。
囲んでいた兵士の何人かが風に吹き飛ばされると、蝶男は攻撃を開始する。
「全員迎撃しろ!!」
それと同時に兵士たちが魔法を発動するが、それよりも早く滑空する男は兵士に特攻し、兵士の頭や腕、足や腹をえぐり取る。
そのままものの数秒で囲んでいた兵士を惨殺すると、次は数百名の兵士たちを標的に変える。
会場に兵士の悲鳴と血が飛び散る音がいくつも重なり、やがて地獄絵図に変わっていく。
「ハハハハハハ!!雑兵はやはり雑兵、貴方達がいくら核石を宿そうが所詮そんなもの!適合度の高い私には適うわけがないんですよ!!」
鮮血を浴びながら男は死んでいく兵士を嘲笑う。
そこに鋭い長剣が放たれる。
「おっと、中々悪くない一撃だと思ったら...」
真っ黒な長剣は蝶男の長い爪によって防がれる。
「わざわざそっちから来てくれたんですね?」
長剣を放ったのは紛れもない、俺自身だ。
「ああ、てめぇをぶっ殺すためにな!」
殺意と殺意がぶつかり合い、ここに激闘が始まる。
永田カナタ17歳、現在数万人が見てる前でひたすら戦士にボコられています。助けてください。
「グォッ!!」
「どうした、早く立ち上がれ」
数十メートル吹き飛ばされる俺にまったく容赦のない発言をする戦士。
物語は1時間前に遡る。
[9:00]
朝食を食べ終わり、VIPルームを出ようとした時、アリスに話しかけられた。
「カナタさん、少しお話をしたいのですがよろしいでしょうか」
「へ?なんでしょうか?」
俺はアリスに手招きされて隣の席に座る。
「昨日の続きですが、貴方は核石を宿しながら魔力を持っていない。これで星ごとに固有の核石があるということが立証されました」
「はぁ」
まあそういうことになるな。実際魔法とか使えないし。
「つまり、貴方は魔力ではない別の力が宿っているというのも分かりますね?」
「はぁ。でもそんな力使ったこともないし使い方もわかりませんよ?」
「それを確かめるために、試してほしいことがあるのです」
でもどうやって。学校ででた怪物と戦ってるときでさえそんな力使えなかったのに。
「人間という生き物はピンチになると本当の力を発揮するってお父様が言ってました」
アリスがニコッと笑う。とても可愛らしく守ってあげたくなるような顔だった。
...
さっきまではな!!
[10:20 現在]
剣道場で戦った怪物の攻撃が生易しいと感じるほどの激痛が横腹に走る。
あの姫あとで...いややめとこう。
心の中に怒りをそっとしまい込む。
「いつ敵が現れるか分からない。もしお前の持つ核石が強力な力を持っているなら、この先のきっと役に立つはずだ」
「わ、わかってますけどぉ」
ゆっくりと立ち上がり戦士の方を見る。戦士は貫禄のある顔立ちでちょび髭を生やしており、筋肉質な体を覆う甲冑からは歴戦の傷がちらほら見える。
「カナタ!がんばれよー!」
「応援してますからね―!」
呑気なワキオとマルタの声がVIP席から聞こえてくる。
「あいつら...」
「余所見をするな」
耳元で戦士の声がする。
数十メートル離れていたはずの戦士はすでに目の前まで来て木刀を構えていた。
次に右足に衝撃が来る。
「痛ッ!」
バランスを崩し倒れようとする体に木刀の追撃が放たれる。
勢いよく振り上げられた木刀は俺の顎に直撃し、そのまま視界はブラックアウトした。
...
冷たい地面の感触で目を覚ます。
夢を見たような感覚が体を襲っている。
「どうやら力が覚醒したようだな」
真上から戦士の声がする。
力...?
だんだん右手に違和感を持ち始める。
ゆっくりと右手を顔の前にだすと、その手背には黒い円の模様がいつの間にか刻まれていた。
「これって...?」
「その力をこれから確かめる」
戦士に右腕を掴まれると、腕力で無理やり立ち上がらされる。
少ししてVIPルームの方から姫様とワキオ、マルタが歩いて近づいてきた。
「ほ、本当にカナタくんにそんな力があったなんて...」
「やったじゃねーか!で、これどんな能力!?」
「分からない...目が覚めたらこの円が刻まれてた...」
突然発生した能力にマルタとワキオは驚きと喜びをみせている。
それと裏腹にアリスは冷静な表情で俺に質問する。
「カナタさん。気を失っている間に貴方の中でなにかありましたか?」
夢の中でなにかを...したような気が...
黒い空間が断片的に頭の中に思い浮かぶ。
「箱に...箱に触れた気が...」
「箱...?どうやらまだ貴方の核石には秘密があるようですね...ブレド、もう少しだけ手伝っていただけますか?」
「はっ!」
そういうと姫様はワキオとマルタを連れて再びVIPルームに戻る。
ブレドは俺から数メートル前に離れると、木刀を構える。
「それで、その核石がどういう能力を持っているかはわかったか?」
そこでようやく意識がはっきりとしてきた。
不思議と体に高揚感が高まっていく。
右手に力を込めると手背の円模様から回路上に線が伸びていき、手のひらに黒いエネルギーでできた球体が生み出される。
「...はっきりとはわかんないですけど、今ならなんでもできそうな気がします」
その球体はブレドと呼ばれた戦士の持つ木刀と同じ形状に変化すると、右手に握られる。
「いくぞ」
数メートルの間合いは一瞬で詰められ、戦士の木刀が俺の脇腹に向けて放たれる。
”ガッ”
ギリギリ木刀と脇腹の間に黒い刀を挟むことに成功する。
だが防御は出来ても腕力で体が押されていく。
「ぐぐぐぉぉおお!!」
腕に力を入れ、足を大きく開き木刀を弾き返そうとするも、ブレドの腕は大樹のようにピクリともせず、逆に力を増していく。
これ防げなかったら死ぬ...!!
全身全霊でブレドに抵抗するが、次第に手足が震えていき、ついに両手で握った刀は弾き飛ばされてしまう。
体が大きく後ろに浮き上がるが、今回は数メートルの吹っ飛びで済んだ。
弾き飛ばされた刀の方をみると、刀は地面に勢いよく突き刺りながら消滅していった。
(...今のは少し本気で吹き飛ばしたつもりなんだが)
ブレドは少し考えこみながら俺を見つめている。
その間にゆっくりと立ち上がりながら痺れた手足を休ませる。
「それで、お前の核石の能力はわかったか?」
この能力、さっきはなんとなくで発動したからよくまだわかってないが...ブレドの武器を見たら同じ形の武器が生成された...気がするような...
つまり武器の模倣品の生成?いや、なんか違う気がする。
もっと別の...なにか...
先程の出来事を思い出すように上を向く。どうやってあの刀を生成できたかを考える。
その時だった。
一匹の蝶が静かに飛びながら闘技場に入ってきた。
鮮やかな模様の羽根を広げながら観客席まで飛んでいくと、蝶は手すりの上に止まる。
小さいはずなのに異様な存在感を持つそれに、周りの人間が魅了される。
そんな中ブレドは蝶に違和感を持っていた。
(蝶...?まさか!?)
「全員その蝶から離れろぉ!!」
当然ブレドが大声で叫ぶ。
その瞬間蝶は急激に巨大化し、人一人分の大きさまでなると、脱皮するように殻を破る。
黒い殻の内側からは一人の男がでてきた。
男は赤いネクタイと黒いスーツを着こなしており、背中から大きな蝶の羽根を生やすという不気味なフォルムをしている。
「いやぁ良かった。侵入した際は見当たらなくて焦りましたが、ここに隠れていたんですね」
男は独り言を言いながら手すりから観客席に降りる。
近くの市民は悲鳴をあげながら後ずさり、蝶男の周りから波のように人々が逃げ出す。
「しかも運がいい。核石持ちが二人もいるなんて!」
ハハハと高笑いする蝶男にすぐに兵士が集まっていき、しばらくして全方位を囲う。
「あと数秒で避難用の魔法陣が闘技場出口に作られる。そこに入ればここからはるか遠くに創設された避難所に転送されるはずだ」
「ブレドさんはどうするんですか?」
「俺は姫様の護衛をする。ここは兵士たちに任せてお前は仲間と一緒に逃げろ」
確かに兵士たちが時間稼ぎをすれば俺達は助かるかもしれない。
でも、それじゃ俺達のために何人の人が犠牲になる...?
それにこの力があれば...
「...俺も戦います」
「バカな考えは捨てろ、本物の戦闘はお前が想像するほど甘くない」
「元の世界で怪物を倒しました。それに貴方とも戦った、それにここで逃げたらなんのための核石だ!」
「お前は力を得たことで気が大きくなっているだけだ」
「でも...」
そこまで言った所でブレドは俺を勢いよく放り投げる。
そのまま闘技場の端まで飛んでいくと壁に激突して地面に垂れ落ちていった。
横をみるとすぐ横にVIPルームがあり、すぐにワキオとマルタが出てくる。
「カナタ!なんかやばそうだぞ!今沢山の兵士がこっちに向かってて、えーと!なんかヤバい!!」
「で、出口に魔法陣があって、そ、そこから出たら遠くに転送できるって!!」
焦った様子の二人の手を借りて立ち上がる。
「二人は先に逃げてくれ...」
「は!?何いってんだよ!」
すると数百の甲冑を着た人たちが会場に入っていく。
避難する観客と兵士の足音で二人の俺を静止する声はかき消された。
[闘技場:観客席]
(数は数十、いや数百...いい感じに増えてきましたね)
蝶男は兵士たちに囲まれながら不敵に笑う。
「1人は護衛に連れられて、1人は立ち上がっている最中...そちらから仕留めましょうかね」
独り言を喋ると、蝶男は羽根を大きく広げ風圧を起こしながら空に舞い上がる。
囲んでいた兵士の何人かが風に吹き飛ばされると、蝶男は攻撃を開始する。
「全員迎撃しろ!!」
それと同時に兵士たちが魔法を発動するが、それよりも早く滑空する男は兵士に特攻し、兵士の頭や腕、足や腹をえぐり取る。
そのままものの数秒で囲んでいた兵士を惨殺すると、次は数百名の兵士たちを標的に変える。
会場に兵士の悲鳴と血が飛び散る音がいくつも重なり、やがて地獄絵図に変わっていく。
「ハハハハハハ!!雑兵はやはり雑兵、貴方達がいくら核石を宿そうが所詮そんなもの!適合度の高い私には適うわけがないんですよ!!」
鮮血を浴びながら男は死んでいく兵士を嘲笑う。
そこに鋭い長剣が放たれる。
「おっと、中々悪くない一撃だと思ったら...」
真っ黒な長剣は蝶男の長い爪によって防がれる。
「わざわざそっちから来てくれたんですね?」
長剣を放ったのは紛れもない、俺自身だ。
「ああ、てめぇをぶっ殺すためにな!」
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