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頬に金属の冷たさを感じて目を覚ます。
ここはどこだ?
壁はしばらく掃除してないかのように汚く、引っかき傷のようなモノがついている。
どうやら道の真ん中で寝ていたらしい。
右にも左にも鉄格子が広がっており、天井についている電灯の弱々しい光によって道は薄暗く続いている。
「お兄さん、どうやってそこから出たの?」
左の牢屋から子供の声が聞こえていた。
電灯の光すら届かない暗闇から小さな男の子が出てきた。布一枚から出ている腕はボロボロでひどく痩せこけており、今にも倒れそうで心配になる。
「どうやってって...」
そもそもこんなところ知らないし、確か俺はさっきまで...
さっきまで...あれ?
俺は何処にいたのだろうか。そもそも俺は誰だろうか。
思い出せない
「わかった!お兄さんが僕らをここから出してくれるでしょ!!」
勝手な憶測をさも事実のように子供は言う。その純粋な眼がいまはキツい。
「いや、そうなのかな...?そういえばそうだったけ?」
記憶が曖昧なのと相手が子供だからもあって否定しにくい。
「もうこんな場所いるのやだよ!お願いお兄さん!はやくここからだして!!」
「でも早く出せって言われても...」
そもそもどうやって牢屋を開けれるかわからないし。
「ここの人達はね?そこの穴になにか挿して毎回僕達を痛い場所に連れて行くんだ!だから皆帰ってきたらなんにも喋らなくなっちゃうの」
と指を指した方向には、鍵穴のようなものがあった。
ますますこの場所がなんなのかわからなくなる。
ここは刑務所かなにかか?それとも...
「おいお前、そこで何をやっているんだ!!」
道の先から声がする。声の方向には白衣を着た男が階段を降りてきたところだった。
「ん?貴様は...」
「お兄さん!はやく逃げて!捕まったらお兄さんも痛い場所連れてかれちゃう!!」
痛い場所っていうのがよくわからんが、こいつに捕まるのはできるだけ避けたほうが良さそうだ。
俺は振り返ると白衣の男から逃げるよう走った。
「待て!!」
男はなにか腕についている電子機器にブツブツ話すと、
「「緊急事態 緊急事態 職員は直ちに地下に行き 対象を無力化せよ」」
と建物中に響き渡るほどの大きな警報が鳴ると、上の方からものすごい数の足音と物音が聴こえてくる。
なんかヤバそうだ。
足取りを速める。真っ暗な道は永遠に真っ直ぐ続いていくように感じられるようで、割とすぐに壁に激突ぢてしまった。
「お兄さん、下!!」
足元をみるといつの間にか壁に人一人入れそうなほどの穴があった。
穴からは青紫色の光が差し込み、異様な空気が流れている。
さっきまでこんな穴あったっけ。
「お兄さん、早くそこから出て!」
子供の声につられ穴の中に入ろうとする。
「な、何故そこが...ま、待て!そこには入るな!」
追手の声がすぐ後ろに聞こえる。
「絶対に助けに来てね!!待ってるから!!」
無責任な期待を押しつけられる。
返事を返す暇もなく穴を抜けると...
先程いた場所とは打って変わって部屋はケーブルや精密機器など大量の機械がきれいに並んでいた。
中心にある巨大な機械のガラスからは不気味に光る大きな正方形型の箱が浮いているのが見える。
後ろの追手を確認しようとしたが、自分が通った壁の穴はすでになくなっていった。
「...なんだここ?」
光に吸い込まれるようにガラスに近づく。
「「対象が核石に接近しました 職員は直ちに建物から避難してください」」
警報が小さく聴こえてくる。
突然地震が起きたかのように地面が揺れる。
バランスを崩し尻餅をつく。周りの精密機器は火花を出しながら故障したような音を鳴らし、箱を閉じ込めていたガラスは割れ落ちる。
箱が放つ青紫の光はどんどん強くなり、俺の体を包んでいく。
そして...
そこから全てが始まった。
頬に金属の冷たさを感じて目を覚ます。
ここはどこだ?
壁はしばらく掃除してないかのように汚く、引っかき傷のようなモノがついている。
どうやら道の真ん中で寝ていたらしい。
右にも左にも鉄格子が広がっており、天井についている電灯の弱々しい光によって道は薄暗く続いている。
「お兄さん、どうやってそこから出たの?」
左の牢屋から子供の声が聞こえていた。
電灯の光すら届かない暗闇から小さな男の子が出てきた。布一枚から出ている腕はボロボロでひどく痩せこけており、今にも倒れそうで心配になる。
「どうやってって...」
そもそもこんなところ知らないし、確か俺はさっきまで...
さっきまで...あれ?
俺は何処にいたのだろうか。そもそも俺は誰だろうか。
思い出せない
「わかった!お兄さんが僕らをここから出してくれるでしょ!!」
勝手な憶測をさも事実のように子供は言う。その純粋な眼がいまはキツい。
「いや、そうなのかな...?そういえばそうだったけ?」
記憶が曖昧なのと相手が子供だからもあって否定しにくい。
「もうこんな場所いるのやだよ!お願いお兄さん!はやくここからだして!!」
「でも早く出せって言われても...」
そもそもどうやって牢屋を開けれるかわからないし。
「ここの人達はね?そこの穴になにか挿して毎回僕達を痛い場所に連れて行くんだ!だから皆帰ってきたらなんにも喋らなくなっちゃうの」
と指を指した方向には、鍵穴のようなものがあった。
ますますこの場所がなんなのかわからなくなる。
ここは刑務所かなにかか?それとも...
「おいお前、そこで何をやっているんだ!!」
道の先から声がする。声の方向には白衣を着た男が階段を降りてきたところだった。
「ん?貴様は...」
「お兄さん!はやく逃げて!捕まったらお兄さんも痛い場所連れてかれちゃう!!」
痛い場所っていうのがよくわからんが、こいつに捕まるのはできるだけ避けたほうが良さそうだ。
俺は振り返ると白衣の男から逃げるよう走った。
「待て!!」
男はなにか腕についている電子機器にブツブツ話すと、
「「緊急事態 緊急事態 職員は直ちに地下に行き 対象を無力化せよ」」
と建物中に響き渡るほどの大きな警報が鳴ると、上の方からものすごい数の足音と物音が聴こえてくる。
なんかヤバそうだ。
足取りを速める。真っ暗な道は永遠に真っ直ぐ続いていくように感じられるようで、割とすぐに壁に激突ぢてしまった。
「お兄さん、下!!」
足元をみるといつの間にか壁に人一人入れそうなほどの穴があった。
穴からは青紫色の光が差し込み、異様な空気が流れている。
さっきまでこんな穴あったっけ。
「お兄さん、早くそこから出て!」
子供の声につられ穴の中に入ろうとする。
「な、何故そこが...ま、待て!そこには入るな!」
追手の声がすぐ後ろに聞こえる。
「絶対に助けに来てね!!待ってるから!!」
無責任な期待を押しつけられる。
返事を返す暇もなく穴を抜けると...
先程いた場所とは打って変わって部屋はケーブルや精密機器など大量の機械がきれいに並んでいた。
中心にある巨大な機械のガラスからは不気味に光る大きな正方形型の箱が浮いているのが見える。
後ろの追手を確認しようとしたが、自分が通った壁の穴はすでになくなっていった。
「...なんだここ?」
光に吸い込まれるようにガラスに近づく。
「「対象が核石に接近しました 職員は直ちに建物から避難してください」」
警報が小さく聴こえてくる。
突然地震が起きたかのように地面が揺れる。
バランスを崩し尻餅をつく。周りの精密機器は火花を出しながら故障したような音を鳴らし、箱を閉じ込めていたガラスは割れ落ちる。
箱が放つ青紫の光はどんどん強くなり、俺の体を包んでいく。
そして...
そこから全てが始まった。
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