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私
しおりを挟む家庭の事情以外、私はごく普通の高校生だとおもっていた。
性格だけで言えば、普通と言っても人から見たら変わっている所もあるだろうけど。
単純に学校の成績とか今までの彼氏の人数とか、非行に走った時があるとか・・・人並み以下でも以上でもなかった。
だから、下腹部あたりが痛くて家で倒れた時は「盲腸ってやつ・・・?」と頭によぎった。その後、気を失って目が覚めた時は病院のベッドの上。薄暗かったから夜中だったと思う。
「入院って二週間くらい?」適当に予想して、「文化祭でれないや・・・」とか考えてる内に眠っていた。
次の日、目が覚めたら父がいた。仕事は休んだらしく、担当の先生の話を目が覚めたら一緒に聞くことになっていたらしい。
私の顔ばかり父が眺めていたから
「そんな心配しないでよ、二週間くらい?入院すれば大丈夫だろうし!」
そんな言葉を聞いてか聞かずか、父は「ごめんな・・・トイレ行ってくるよ。」
「えっ!?えっ!?トイレ!?まさかこんなに心配性だったとは・・・案外頼りないな~(笑)」
その時の私はなんとも思ってなくて、久しぶりにゆっくり見た空が綺麗だな、とか個室って高いんじゃないっけ?とか呑気に構えていた。
・・・父は先に知っていて、父は私より先にこの心の苦しみと闘い始めていたのに。
私と父と、そしてレントゲン写真を片手に先生は神妙な顔をしていた。
(盲腸って病状の軽い重いとかってどうなんだろ。切るって話は聞いた時あるけど。切るってイメージしただけてでゾワッとしちゃう。)
まだ私はそんな事を思っていた。
先生はどこか吹っ切れたように、急に口を開いた。
「若いあなたにとても言い辛いですが・・・病気としては、子宮頸がん。ステージはⅢaです。ただ・・・」
(えっ・・・?。
あれ?変な前置きしちゃってるけど。
病名を聞く前から、私は頭が回らなくなってきていて。
子宮頸がん?がん?
ステージって何段階中の?Ⅲaってやつなの?。
あれ・・・?怖い。無理だ・・・無理だ!無理だ!!)
唐突過ぎる言葉とその意味に私は耐えれなかったのだと思う。
「えっ?えっ・・・私が??えっ?なんの話だっけ?あれ?あー、嫌だなー。あー・・・」
過呼吸になって泣き崩れた私は、疲れて眠むるまでずっと頭の中で拒否していた。
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