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私の両親

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母は、私が小学校五年になった頃から不倫をしていた。

父は、私が中学校にあがってすぐに母と離婚をした。


私が物心ついた時から両親は喧嘩ばかりで、そんな二人がとても嫌いだった。
朝起きてリビングに行けば無表情な母と、怒りを隠せない父。
夜になると私の前でも喧嘩をする。

父が一度だけ手を上げた姿を私は見た時がある。
子供ながらに離婚と言う言葉がすぐに浮かんだ。

専業主婦だった母が不倫をするようになったのは、これがきっかけだったと思う。

平日は父の帰宅前に相手の家に行き朝方帰ってくるようになり、
週末は金曜の夜から月曜の朝まで帰って来なかった。

家事だけはちゃんと済ましていたのは意地みたいなのがあったのだろうか。

それから一ヶ月たったのち、母の離婚届を置いて帰って来ることはなかった。

子を捨て夫を捨て・・・。

所詮は良くある離婚劇だと思う。



別れてからの父は、私が知っていた人ではなく・・・とても穏やかだった。
私が思春期を迎えてしょうもないことで反抗した時も、時間をかけて聞いてくれて、柔らかい物腰で話してくれた。
元々の父はこんな性格だったんじゃないだろうか・・・。

そんな風に考えたら、母だってそうだったのかもしれない。

結局、私は両親の人生の何も知らないのだ。




私が高校に三年にあがる頃、転機が来た。
家族だった二人を知る機会が・・・
子宮頸癌ステージⅢaの告知を私が受けたからだ。
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