堕ちていく僕

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リコルート

リコルート②

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翌朝

ゆーくんと朝ごはんを食べていた。

「ゆーくんは男の子に戻りたい?」

「もうこの体だし、今更戻れないかな···」

「そっか、女の子のゆーくん可愛いから好きよ」

「あ、えへへ……僕もリコさんみたいな女性になりたいです」

「ふふ、ありがと♪じゃあ明日服買いに行こうか?」


「あ、はい。お願いします」

「うん♪」

そして翌日。


ゆーくんに合うサイズの服を買いに行った。

「ゆーくんこれなんかどうかな?」

「あ、可愛いーー!リコさんも色違いで買いなよー」

「えー、私はいいよー」

「そんなこと言わないでさー」

「しょうがないなー」

そんな話をしていたら、いつの間にか時間が過ぎていった。

「ゆーくん、今日はもう帰ろっか?」

「あ、はい」

帰り道ゆーくんが手を繋いできた。

「え?ゆーくん!?」

「あ、えへへ……ダメですか?」

「ううん!全然大丈夫!むしろ嬉しい!」

「よかったぁ」

ゆーくんの表情を見ると、心の底から笑っているようにみえた。


帰宅して夕飯を食べていると、ゆーくんは今日行ったお店やカフェの話をしながらニコニコしていた。


「ゆーくん、食器は洗っておくから先におふろどうぞー」「はーい」

お風呂場へ向かうゆーくん。

食器を洗った後ソファーでテレビを見ながらぼーっとして、ふと一緒にお風呂入ってみようと思いついた。

脱衣場へ行くとお風呂場からシャワー音が聞こえてきた。

(よし、入るか)

服を脱いでお風呂場のドアを開ける。

「ゆーくん一緒に入ろう!」

するとゆーくんは湯船に浸かりながらこちらを向いて固まっていた。

「わぁ!り、リコさん……どうしたんですか?」

「えっと……その……ゆーくんに背中流してもらおうかなって♪」

「あ、……びっくりしました」

「え?何されると思ったの?(ニヤリ)」

「え?えーと……」


そう言って湯船から立ち上がったゆーくんの体を見て私は驚いてしまった



「ゆ、ゆーくんそれ……」

「え?あ…春奈様に……」


大きい胸に薔薇のタトゥーと乳首とヘソにはピアスが……

下腹部には蝶のタトゥー……

「ひどい……こんな……」

「でも……春菜様には逆らえなくて……」

泣きそうな顔のゆーくん。

「ゆーくん大丈夫よ、私が助けてあげるから」

そう言うと、ゆーくんは裸のまま私に抱きついてきて声を上げて泣いた。

私は優しく抱きしめた。
そして、ゆっくり顔を近づけるとゆーくんは目を閉じた。
唇を重ね今度は強く抱きしめる。


「ん……リコさん」

「ゆーくん……愛してるよ」

「はい……僕も……リコさんが好きです」

「ゆーくん……」

もう一度キスをした。

落ち着いたゆーくんは私の背中を流してくれた。


その後二人で布団にに入った。

「ゆーくん……今度はゆーくんからして欲しいな」

「はい……」

私が目をつぶる。

するとゆっくりと私に近づいてくる気配を感じた。

そして……

唇を重ねゆーくんの舌が私の唇を割って入ってきた。
私もそれを受け入れる。
そしてゆーくんの手が胸に触れた。

「あん……」

思わず声が出てしまった。
そのままゆーくんの手はどんどん下に下がっていく。

「あ……ゆーく……」

「リコさん……」

ゆーくんが私の乳首を舌で転がし始めた。

「ああ……ゆーくん……」

そして、ゆーくんの舌は少しづつ秘部に近づく。


「あっ……ゆーくんそこはダメぇ」


ゆーくんが私の秘部を舌先で舐めた。

「ふぅっ……ふぁっ……ゆーくんダメだってばぁ」

だんだんゆーくんの舌は激しく動き始めた。
そしてゆーくんの体が半回転して私の目の前にゆーくんの秘部が来た。

「あぁ……ゆーくん……私もしてあげる…」

「はい……リコさん……」

お互いの性器を舐め合った。

「あふっ……ゆーくんそこぉ」

「リコさん……あふぅ……」

「んぅ……もっと奥」

「ここですか?」

「あふっ……気持ちいいよ」

「リコさん……もう我慢できないです」

「うん……私も…」

『あぁーーぅんーーーー!!』

私達は同時に果てた。
そして果てた後、私はゆーくんを強く抱きしめた。

「ゆーくん……もう絶対離れないでね」

「はい……」


そしてリコさんとの同棲生活が始まった。
リコさんが昼間働いてる間僕は家で家事などをして帰りを待った。


「ただいまー」

「おかえりなさい」

「ゆーくん今日は何してたの?」

「今日はエアコンの掃除とかしてたよーこれから寒くなるし」

「偉いわねぇー」

そう言いながら僕の頭を撫でてくれる。

「えへへ♪」

「ご飯作るからちょっとまっててねー、あ、ご飯炊いててくれたのー?ありがとー」「うん♪」

「じゃあ、お味噌汁作ろうかなー」

そう言って料理を始めるリコさん。

しばらくすると美味しい匂いが漂ってきた。

「できたわよー」

テーブルの上に並べられた夕食。

「いただきます!」

「はい、召し上がれー」

リコさんの作った食事はとても温かくて優しい味だった。

「ごちそーさまでした!」

「はい、お粗末様でした」

こんな何気ない普通の暮らしが幸せで温かいと思った。


季節は冬になった。

「冬は寒いのもイヤだけど乾燥もイヤよね~」

「僕も乾燥に弱くて肌荒れちゃうんです。」

「え?ゆーくん女の子なんだからちゃんとケアしないとダメだよー?」

「は、はい。わかりました。」

「あ、そうだ!専門学校時代の講師でエステティシャンの人が居るんだけどゆーくんエステ行ってみない?」

「え?そんなお金無いですよ……」

「大丈夫!私も行くから」

「はい……」

そして、次の休日リコさんとエステサロンに行った。

「あら、リコちゃんお久しぶりねー卒業以来かしら?」


「先生ご無沙汰してます!先生変わらずお綺麗ですね」


「あ、ゆーくんこの方が仁科亜美先生、ご挨拶して」


「は、初めまして、ユウと言います」


「まぁ、可愛い子じゃないのーよろしくね」


「はい、こちらこそ宜しくお願いします」


「さぁ、二人とも中にどうぞ」


中に入ると待合室には沢山の女性達が居た。(ゆーくん緊張してるなぁ)


「はい、ではまず問診票を書いて下さい。」


「はい」


「リコちゃん達は普通のコースでいいかしら?」


「はい、お願いします」


用紙に記入した後、更衣室へ向かった。


「ゆーくんこれに着替えてきて」


渡されたのはピンク色の施術用のパンツスタイルの下着と白いシャツにピンクのベスト。

「はい……」

(これって……もしかして裸になるんじゃ……)

ドキドキしながら着替えると、いつの間にかリコさんが隣にいた。

「ゆーくん似合ってるよ♪」

「あ……ありがとうございます……」

受付に戻ると仁科さんが待っていた。

「じゃあ、始めましょうね。こっちに来てくださいね」

「は、はい……」

カーテンの向こう側のベッドルームに行くとそこには、全身を写す大きな鏡があった。


「あの……これは……?」


「今からマッサージをするから服を脱いでもらうのよ。」


「え?あ……はい……」

「ゆーくん頑張ってね」

「はい……」

言われるままに全裸になると、仁科さんに手を引かれベッドにうつ伏せに寝転んだ。

「じゃあ、始めるわね。痛かったりしたら遠慮なく言ってね」

「はい……」

最初は背中から始まった。
ゆっくりと丁寧に揉まれる感覚が心地よかった。
肩甲骨の下辺りを指圧されると思わず声が出てしまった。

「あっ!」

慌てて口を塞ぐ。

「ここ気持ちいいでしょ?」

「はい……気持ちいいです


「ところであなた男の子でしょ?」

「!?」

「隠してもわかるのよ、骨格や筋肉の付き方でね」

「あ……はい……そうです……」

「今は女の子なのよね?」

「それは……」

「言いたくないなら言わなくても良いけど、もし悩んでるなら相談に乗るわよ?」

「はい……」

「さっきあなたが書いてた問診票見せてもらったんだけど、男に戻りたいの?」

「いえ……」

「戻りたくないの?」

「戻れるものなら戻ってみたいとは思います。でも、胸も下ももう戻れないんです……」

「そう……」

仁科さんはそれ以上何も聞かなかった。

「はい、次は仰向けになってくれる?」

「はい……」

今度は仰向けに寝転がり足を開脚させられた。

「じゃあ、続けるわね」

また、ゆっくり丁寧な手つきで揉まれていく。

「ここはリンパの流れが滞っているところだからしっかりほぐさないとね」

「はい……」

しばらくすると、僕の体は火照ってきていた。
体が熱くて疼くような感じがする。


「はい、これで終わりよ。起き上がって服を着てもいいわよ」


「はい」


「お疲れ様、あ、このあと時間あったリコちゃんとお茶でも飲んでいって」


「はい、ありがとうございます。」


「あ、ゆーくんも終わった?仁科先生がお茶しようって」

「うん」


ここが仁科先生の家のリビングかぁ~広いなぁ、ゆーくんも緊張してる。


「先生ご馳走になります!」


「華恋!お茶準備して」


「はい、今お持ちします」


「それより二人はどういう関係なのかしら?」


「はい、私のパートナーで同棲しています」


「まぁ、そうなのね、羨ましいわ~」


「そうそう、こないだ学生時代あなたと仲の良かった春奈さんのお店行ったのよー」


「え?あ、あーそうだったんですね~」


あ、ゆーくんが動揺してる……


「あの子学生時代は真面目な子だったのに金髪でタトゥーなんか入れて、カットも雑だし」


わ、話題変えなきゃ


「先生!この前の講習会の話聞かせてください」


「あぁ、あれね、私はカラーの講師したんだけど…」


ふう…なんとか話題変えれた…ゆーくん少し震えてる…大丈夫かなぁ


「それにしてもあなた達まだ若いからエステの効果あって綺麗になったわよ」


「ありがとうございます」


「あなた元男の子みたいだけど綺麗だわ、髪もうちょっとモダンでモードなボブしたら似合うわよ。」


「はい、ありがとうございます」


「リコちゃんに切ってもらいなさい」


「はい」


その後私達は帰宅した。

「ゆーくん今日は緊張して疲れちゃったね」

「はい……あのお茶出してくれた人も綺麗でしたね」

「なんか先生の所で美の勉強してる人みたいよ?ゆーくんも修行してきたら?」


「えーー無理だよー」


「冗談よ♪あの先生は美に関しては凄く厳しい人だから私でも着いていけないかも」

「もぅ……」


「ゆーくん先生のオススメのモードなファッション挑戦してみる?」


「うーん、自信無いなぁ……」


「じゃあ、私がコーディネートしてあげるから次の休みに買い物行こうね」


「はい……わかりました。」


確かにゆーくんはモードなファッション似合うんだよな~本人は乗り気じゃないけど…


数日後、ゆーくんと一緒にショッピングに出かけた。

「ゆーくん、これ着てみて」

「はい……」

試着室から出たゆーくんは、黒を基調にしたロングスカートで襟元はレース素材でシースルーデザインで首にはチョーカーをして黒タイツを履いている。

「どうですか?」

「やっぱ似合う!」

「本当?」

「うん、かっこ可愛い!」

「そっか……よかった」

その後も何件か回ってお昼過ぎにカフェに入った。

「ゆーくんお腹空いたね、何か食べる?」

「うん」

「さすが先生の見立てね~メイクも髪型も変えなきゃねー」

「はい……」

「じゃあ、帰ったら切ってあげるね」

「うん、お願いします」

午後からはゆーくんの服や小物を買って回った。

そして、帰り道

「ねぇ、ゆーくん」

「ん?」

「今日楽しかった?」

「はい、久しぶりに沢山歩き回りましたし」

「それは良かった。これからも一緒に出かけようね」

「はい、よろしくお願いします」

夕方になり少し寒くなってきたので私達は家に帰った。

その日の夜、私はゆーくんの髪を切る準備をはじめた。


「ねーゆーくん襟足ギリギリくらいで揃えた直線的なボブにしちゃっていいかな?」

「え?そんな切ります?僕は今くらいの長さで………」

「ダメ!もっと可愛くするんだから!」


「はい……」

「じゃあ、切るね」

チョキチョキ

ゆーくんのうなじ可愛いぃ!
ショートボブ似合うなあとしみじみ思った。
ちょっとイジワルして前髪短くしちゃお…


「前髪切るねー」

チョキチョキ

「あ、ちょっと切りすぎちゃったかも」

「ええー」

「ごめんごめん」

(ひゃー前髪可愛い!!)


「じゃあリコさんも僕と同じ前髪にしよ」

「えぇー嫌よ恥ずかしい!」

「ダメー!リコさんもするのぉ!」

「わかったわよ」

結局、ゆーくんとお揃いの眉上の前髪になってしまった。


「リコさん可愛い……」


「あ、ありがと……」


あ、ゆーくんからキス

してきた……嬉しい……

思わずゆーくんを抱きしめた。

「ねえ、ゆーくん……今夜は寝かせないからね」

「はい♪」

私達はその夜何度も愛し合った。
珍しくゆーくんは積極的だった。
激しく私の胸を攻めてきた。

「ぁあ……ゆーくん

……気持ち……いぃ……あっ……そこ……好き……」

私は快感に耐えられず声をあげてしまう。

「ゆーくん……もぅ……だめ……イッ……ク……あぁ……イク……ぅ」

「はぁ……はぁ……ゆーくん……激しい……よ……」

「だって、リコさんのおっぱい凄く柔らかくて、それにリコさん凄く濡れてるよ」


そう言うと、また指を入れてきた。

 音が部屋に響く。


「はぁ……ゆーくん……やめて……恥ずかしいよ」

「リコさん、もっと聞かせてよ」

そう言ってゆーくんはクリトリスを舐めはじめた。

「ゆーくん……それ……ダメ……すぐ……イッちゃう……あん……んんっ……ん……」


気を失いそうな快楽の中私は果てた。

「ゆーくん…好きよ」

朝目覚めると隣には裸のゆーくんがいた。

昨夜の激しい行為を思い出し顔が熱くなる。

ゆーくんの唇に触れるだけの優しい口づけをした。

「あ、」

「起きた?おはよー」

「はい♪」

「あ、今日実家から野菜が届くから宅配便きたら受け取ってね」

「わかりました」


そして私はいつものように出勤した。

お客さんのキャンセルがあって早く帰れる事になった。

「早く終わったからケーキでも買ってゆーくんと食べよー」


帰ってみると電気がついてない…
出かけてるのかな?



………いや違う



何か胸騒ぎがした。



慌てて荷物を置いて外に飛び出した。


行くあてもなくゆーくんを探した。
いない。まさか……
そう思いながら駅の近くの公園に差し掛かると……


ゆーくんの声だ‥‥

急いで向かう。
春奈がいる。

胸騒ぎが的中してしまった。


なにか話をしてる…気がつかれないように声が聞こえる所で止まろう……


「優衣、何も言わないで出てくなんて酷いじゃない」

「ごめんなさい……」

「で、どうするの?あの子と別れて私達のところに来る?」

「それは……」

「ねぇ、正直になりなよ、私の方が楽しいよ?」

「僕……戻れないです」

「ふーん、まあいいわ、じゃあもう会わないって事?それでいいの?」

「はい……」


「なんでよ!!こんなに愛してるのに!!!昔からずっと!ずっと好きなのに!!」

「それでも僕は……」

「私に飽きたの!?」

「違う!そんなんじゃなくて……」

「嘘つき!最低!あんな女のどこがいいのよ!」


パンッ!


(ゆ、ゆーくんが春奈を叩いた……)


「春奈……僕達は……………僕達は………もう…昔みたいにはなれないよ………」


「う、う、うわーーーーーーーーー!!!」

泣き叫ぶ春奈は走り去っていった。

ゆーくんがその場に両手で顔を覆いながらしゃがみ込む。

私はゆーくんにそっと近づいた。


「ゆーくん……」


声をかけた瞬間、ゆーくんは声を上げて泣いた。

ゆーくんを抱き締めて頭を撫でる。

しばらくして落ち着いたのか涙を止めてくれた。

「りこさぁーん!」

「ゆーくん、頑張ったのね」

「グスッ………」

「帰ろ……」
「寒いし、たい焼き買って帰ろうか?」


「うん」

帰り道、手を繋いで歩いた。


「リコさん、ありがとうございます」

「ん?」

「心配してくれたんですよね」

「当たり前じゃん!私の大切なゆーくんなんだから」

「リコさん大好き」

ゆーくんが腕にしがみついてきた。
うれしい……
私達は帰宅した。
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