上 下
18 / 38
僕と社長

僕と社長②

しおりを挟む
朝になると僕はソファーで一人で寝ていた。

「あ、起きた?おはよう♪」

「おはようございます」

「き、昨日はユウちゃん映画見ながら寝ちゃうんだもーん」

(あ、あれ?夢?いやそんなはずは…)

「あ、ああスミマセン…」

「食事会はお昼からだから準備しないとねーユウちゃんシャワー浴びといで」


僕はシャワーを浴びながら昨日の事を思い出していた。

(たしかに社長に押し倒されてキスをされたと思ってたけど酔ってたし夢だったのかな……)

そんなことを考えながらシャワーを浴び終え脱衣所に出ると昨日買った一番派手なワンピースが置いてあった。

(こ、これを着るのか……)

「ユウちゃんやっぱ似合う~♪」

「ちょっと派手じゃないですかね…」

「今日はパーティみたいな食事会だからそれくらいがちょうどいいの。朝食食べたら美容室でセットするから急いでね。」

「あ、はい」
(美容室でセットまでするのか……)

そして朝食をとり、社長と一緒に美容室へ向かった。

「今日はどんな感じにしましょうか?」

「これからパーティだから華やかに見えるようにして欲しいんだけど」

「かしこまりました」

「ユウちゃんはどうする?」

「あ、あの……あんまり派手にしないで欲しいです……」

「って言ってるけど服に合うように華やかにしてあげて」

「はい、ではこちらにお掛け下さい」

「は、はい……」

「緊張しなくても大丈夫ですよ」

「はい……」

(やっぱり慣れないな……)

ヘアセットは肩にかかるボブ位の僕の髪を器用に編み込みアップスタイルにしてくれた。

メイクもいつもより大人っぽく仕上げてくれた。

「完成しました。お二方ともとても素敵ですよ」

「ありがとうございました」

「ふふ♪可愛いじゃん」

「うぅ……恥ずかしいです」

そして二人で食事会のある会場へと向かった。

そこには色んな業界のトップや

芸能人の方々が集まっていた。

「えっと……確か入口で受付をして名前を言えばいいんだよね?」

「うん、そうみたいですね」

受付を済ませて中に入ると沢山の人が居た。まずは名刺交換や挨拶などをしている人がほとんどだ。

「ユウちゃん行くよ!」

社長は僕を連れて堂々と歩いて行った。

「初めまして。この度はお招き頂いて誠にありがとうございます。」

「これはこれはお美しいお方ですね」

「いえ、とんでもありません。」

「うちもいろいろ美容関係には興味ありましてね」

「ええ、是非よろしくお願いします。」

「そちらのお嬢さんも綺麗な方ですね~」

「ええ、自慢の秘書なんです」

「へぇーそうなんですか。是非今後とも宜しくお願い致しますね」

「ええ、また後ほどゆっくりお話しましょう」

社長が上手く話を進めてくれて無事に挨拶が終わりホッとしていた。

その後色々な人達に声を掛けられて疲れてしまい僕は隅っこでジュースを飲みながら休憩していた。

すると一人の女性が話しかけてきた。

「あの…もしかしてモデルとかやってる方ですか?」

「いえ違います」

「あ、失礼しました私美容整形外科医の美園と申します」

「私はNishima Total Beauty Companyの秘書をしております、山名ユウと申します」


「あー仁科さんの秘書の方なんですね、すごくお綺麗でしたので勘違いしちゃいました」


「そんなことないですよ」


「じゃあ、山名さん元男性なんですよね?」


「え?いや、元って言うか………」


と僕がしどろもどろしていると社長が割って入ってきた。

「あ、美園さんお久しぶり~」

「あら、社長じゃないですか!お元気そうで何よりです」

「最近忙しかったんでなかなか来れなくてごめんね~」

「いえいえ、社長はお忙しいですから仕方ないですよ」

どうやら二人は知り合いのようだった。

そしてこの出会いが今後の僕の人生の方向性を決める
ことになるとはこの時は思いもしなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

N -Revolution

フロイライン
ライト文芸
プロレスラーを目指すい桐生珀は、何度も入門試験をクリアできず、ひょんな事からニューハーフプロレスの団体への参加を持ちかけられるが…

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

小学生をもう一度

廣瀬純一
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

処理中です...