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変化

策略……

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その頃社長は……


二階堂「社長、今日の予定は以上です」


仁科「うん、ありがとー疲れたねー。そういえばユウちゃんどう?」


二階堂「社内カメラでは白上営業部長と買い物をしていますね」


仁科「ふぅーん……白上ちゃんもユウちゃんの魅力に気がついちゃったかな?」

二階堂「そうみたいですね……あの二人結構仲良いんですよね……」

仁科「そうなの?」

二階堂「ええ、時々二人っきりで食事行ったりしてますよ」

仁科「あらあら、ライバル登場かしら?」

二階堂「離すようにしますか?」

仁科「放っておいて大丈夫よ、必ず私が先に手中に収めるから」

二階堂「さすが社長……余裕ありますね」

仁科「まあね……あの子は必ず私のものになるわよ………でも一応手を打っておいてくれる?」

二階堂「はい」


翌日…

僕は白上さんと同じ香水を着けて出社した、白上さんと一緒に居るような感じが嬉しくて、仕事にもやる気が出た。


朝、営業部の前を通ったけど白上さんがいない……休みかな……と思いつつ自分のデスクに向かった。


そして2日……3日経っても白上さんは現れなかった……


ちょっと心配になりラインをしてみた。


[お疲れ様です、白上さん会社で見かけなかったのですが具合でも悪いのですか?]


[今ね~海外なんだよね、こないだの新プロジェクトのサプリメントを売り込みにアジアまわってからヨーロッパ周るのよ]


[ええ?!そうだったんですね…]


[お土産たくさん買って帰るから楽しみにしててねーあ、心配してくれてありがと♡]


やっぱり忙しいんだ……

僕はちょっと寂しい気持ちになってパソコンに向かって仕事をした。


そして今日は僕が一日社長と行動を共にする日だった。


僕は緊張しながら社長の車に乗った。今日は新しい取引先との商談があるらしい。


「ねえ、この服似合ってるかしら?新しいスーツなんだけど、このブラウスが可愛く見えると思うのよ~」

「はい、とても素敵ですよ」

「うふふ、ありがとう。ユウちゃんあげたリップ使ってくれてるのねバッチリ決まってるわよ」

「ありがとうございます……」

僕は顔が熱くなるのを感じた。

「じゃあ出発しましょ♪」

「はい」

車は走り出した。

「そういえばユウちゃん香水変えた?誰かと同じ香りなのよね~」

僕はドキッとした。

「いえ、その…………」


(困った顔も可愛いわね…)
「あ、そろそろ着くから資料出しといてくれる?」

「はい」

そう言って社長は準備を始めた。

(なんか複雑な気持ちになった……僕の中で社長と白上さんが……なんでだろう?)

そんな事を考えながら車を降りた。

「じゃあいくわよ」

「はい」

そう言うと僕達は歩き始めた。

「えっと……ここのビルの最上階ね」

「はい」

エレベーターに乗って最上階へ向かった。

エレベーターを降りるとそこはホテルのロビーのようになっていて、奥にはレストランの入り口があった。

「じゃあ、ユウちゃんはロビーで待っててね」

「はい」

「じゃあ行ってくるわ」

「行ってらっしゃいませ」

僕はロビーのソファーに座って鏡を見て前髪を直してると一人の男性が僕の方へ歩いてきた。

「あの~すみません、迷ってしまったのですが……」

「あ、はい……どちらに?」

「えっと……レストランに行きたいんですが……」

「ああ、それなら、そこの奥を左に行った所です……」


「あ、どうも」


そう言って男性は歩いて行った。


「あ!!!」


間違えてしまった。レストランは奥を右で左はカフェだった!


僕は男性を追いかけたがもうカフェに入ってしまった。ここは会員制でロビーから先には入れなかった。


(どうしよう……)



僕はロビーに戻って社長が来るまで待つ事にした。
1時間ほど経ち暗い顔で社長が出てきた。


「行くわよ」


社長は不機嫌そうに言った。

「あの……社長」

「何?」

「先ほど来た男性を間違って別の所に案内してしまいました……すいませんでした」


「え?!」


社長は立ち止まって言った。


「その男性が今回の取り引き相手で2億の話が無くなったわ」


「スミマセンでした!」


車に乗ると重い空気が立ち込めた。

社長は走る車の外を見ながらため息を出していた。


「はぁ……」


「すみません……僕のせいです……」


「いいのよ……元々気が難しい人でね、話が上手くいくかわからなかったし」


しばらく重い空気のまま車で進んだ。


「ユウちゃん、午後の予定キャンセルしてくれる?」

「わかりました」


すると社長は運転手に行き先を変えて繁華街へ向かった。


「ユウちゃん少し付き合ってくれる?」


「はい、どちらへ?」


「着いてきて」


そう言うと運転手に待たずに車を会社に戻すように伝えて社長は一軒のお店に入った。


「いらっしゃいませ」


中に入ると店長らしき人が挨拶をした。


「個室空いてる?2人よ」


「はい、ご用意出来ます」


「じゃあお願い」


そして席についた。


「ここはランチからディナーまで私がよく来るお店でね個室もあるし隠れ家的な場所なの」


「そうなんですね……」


「まあとりあえず、お食事にしましょうか」


そう言ってメニュー表を開いた。


「今日は仕事終わりで気分を切り替えて早いけどお酒のみましょ」

「あ、はい」

「ユウちゃんは何にする?私は白ワインにしようかしら」

「私も同じで」

そして注文をして料理とワインが運ばれてきた。

「頂きましょ、ユウちゃんも遠慮しないで」

「はい」


そして乾杯をして食事をした。

「美味しいですね!これ」

「でしょ!シェフが良いのよ、それにこっちのお肉も良いわね」

そんな会話をしながら午前中の出来事が嘘のように楽しい時間を過ごした。

気がつくとワインを何本開けて社長も珍しく酔い潰れてしまったようだった。


「しゃ、社長?そろそろ帰りましょ?」


「ユウちゃん……まだよ……」


社長はフラフラになってしまいタクシーを呼んで送る事にした。

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