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秘書業務開始
秘書として……
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それから秘書課にもやっと溶け込み、女性的な服装やメイクも慣れてきた。
ある日社食で昼御飯を食べていると白上さんが隣に来た。
「山名くんお疲れ様」
「あ、白上さんお疲れ様です」
「ふふ♪山名くんて会うたびに綺麗になっていくのね」
「そ、そんなことないですよ……」
なぜか白上さんと話をするとドキドキしてしまう。
「秘書課どう?もう慣れた?」
「はい、皆さん良くしてくれますし、楽しいです」
「それは良かった。営業部で上手くいかなかったから心配してたのよ」
「あ、ありがとうございます」
「そうそう話変わるけど日曜映画行かない?チケット貰っちゃてさ」
「あ、はい、行きたいです」
「じゃあ、また連絡するね」
そう言って彼女は去って行った。
ドキドキ……
「はぁ……なんか緊張するなぁ~」
食事を終えオフィスに戻った。
「山名くん、社長が呼んでたよー」
「え?社長が?」
「うん、応接室にいるから行っておいで」
「は、はい……」
なんだろうと思いながらも応接室のドアをノックした。
コンッコン
「失礼します。山名です。」
「入っていいわよ」
「し、失礼します」
ソファーに座り向かい合った。
「あ、あの……お呼びと伺いましたが……」
「山名くん仕事にも慣れてきて身なりも綺麗になってきてとても良いと思うわ」
「あ、ありがとうございます…………」
「でもね、会社では「僕」はやめましょうか?」
「あ、はい」
「あと制服に合うようにちゃんとブラジャーをしてパットを入れなさい。」
「は、はい!すみません!」
社長は胸元を見て言った。
確かにノーブラでブラウスを着ていたのだ。
恥ずかしくなり俯いていると社長は立ち上がり近づいてきた。
「秘書なんだから美しいプロポーション
でいないとダメよ」
「は、はい……わかりました」
社長は後ろから抱きしめ耳元で囁いた。
「ふふ♪やっぱり可愛いわね」
「あ、ありがとうございます」
「あなた髪もだいぶ伸びてきたわね、もっとアレンジしたりカラーやパーマで美しくなりなさい。」
「はい、頑張ってみます……」
そう言って社長は僕の髪を撫でて去っていった。
社長が出ていってからも僕は動けなかった。
秘書課へ戻ると二階堂課長が来ていた。
「ねぇねぇ~何言われちゃったの?」
「えっ、髪をもっと綺麗にしろって……色々アドバイスされました」
「ふぅん、それだけかなぁ?」
「は、はい…たぶん……」
「じゃあ早速今日はこれから暇だし17階の美容室行こうか?山名くん」
「あっはい、よろしくお願いします」
そうして僕は二階堂さんに連れられてヘアサロンに向かった。
「こんにちわー二階堂です」
「あーいらっしゃーい、こちらへどーぞー」
「えっとーこの子はカットとカラーで、私は前髪のカットとトリートメントでお願いしまーす」
「はいよー、じゃあ座っててねー」
美容師さんはテキパキと準備を始めた。
「それじゃあ始めようね」
僕はまだ慣れず椅子に座って緊張していた。
「二階堂さんこの子カラーとカットどうします?」
「うーん、そうだなぁ、カットは伸ばし中だから切りっぱなしで揃えるくらいで、カラーは明るいベージュ系にしてあげて下さい」
「了解しました、じゃあ山名ちゃんリラックスててね」
「は、はい……」
(明るめのベージュ??今よりも明るい色に………)
「それじゃあ始めるよー」
そう言ってカラーから始めた。
しばらくしてカラーが終わり鏡を渡された。
「ほら、見てごらん」
そこには別人がいた。
色は落ち着いた色の金髪の様になっていた。
「え……こ、この髪色大丈夫ですかね…」
僕が心配そうにしていると隣の二階堂課長が
「秘書課はね美しければ自由なのよ、終わったら社長に見せてきなさい。」
「は、はい……」
それからカットをして貰った。
「前髪は短くしちゃうねー」
「は、はい……」
そして出来上がった髪型はミディアムヘアの外ハネしている感じだった。
その後、僕達はエレベーターに乗り社長室へ行った。
コンッコンッ
「社長、失礼します。山名です」
「どうぞ」
扉を開けると社長はデスクで仕事をしていて僕を見ると微笑んでいた。
「あら?可愛くなって」
「あ、あの、わ、私、先程カラーしてきまして、その……」
「そう、よく似合ってるわよ」
「あ、ありがとうございます」
そう言うと社長は近づいて
「ちょっとメイク直してあげる。目を閉じて」
「えっ、メイクですか!?」
「いいから早く」
「は、はい」
僕は慌てて目を閉じると顔に何か塗られたり髪を触られたりした。
その時唇になにか柔らかいものが触れた気がした……
「はい、出来たわよ」
「あ、あの今のは……」
「ふふ♪おまじないよ」
「お、おまじない?」
「そ、おまじない。頑張りなさい」
「は、はい……」
そして秘書課へ戻り二階堂課長に報告をした。
「あ、あの、社長に見ていただいたら、良く出来てるって褒めて頂けました。ありがとうございます」
「やっぱり社長の好みのヘアスタイルそれで正解だったね~」
「はい、でも何だか凄くドキドキしてしまいました。」
「まぁ社長は綺麗な人が好きみたいだからね」
「そうなんですか……」
「さて、山名ちゃんもバージョンアップしたし仕事も一段落ついたから帰ろうか」
「はい!」
こうして日々僕は少しづつ変わっていくのであった。
そして日曜になり今日は白上さんと映画を見に行く日だ。
「おはようございます!」
「あ、山名くん、待ってたよ~」
「すみません!遅れてしまいました」
「ふふ♪まだ待ち合わせ時間より早いよ」
「あ、ホントだ」
「あら、ちゃんとおめかしして♪髪色変えた?可愛いじゃない」
「ありがとございます」
「うん、良いと思うよ。うんうん、可愛い可愛い」
「あ、あの…恥ずかしいのです……」
彼女は楽しそうに笑っていた。
「じゃあ行こうか」
「はい」
僕たちは映画館に着いて飲み物を買った。
映画はベタベタな恋愛ものだけど人気があるらしい。
「なんだか空いてますね」
「そうだね~人気なのかと思ったけどラッキーかもね」
「あ、始まりますね」
内容はよくある展開でドジな主人公の女の子が王子様的な男の子と着いたり離れたりする内容だった。
映画の中盤肘掛けに腕を置いていると白上さんの腕が僕の腕の上に乗ってきた。
僕は驚いて横を見れずにドキドキしていた……そのまま10分くらいその状態が続き、そっと横を見ると白上さんは寝ていた。
(えっ、寝てた?この状況は……)
疲れてるのだと思い僕はそのまま映画を見続ける事にした。
映画も終盤になりやっと二人の思いが通じて感動的なシーンになった。その時。
僕の腕の上にある白上さんの手が僕の手と絡ませてきたのだ。
(ちょ、これってどういう事?)
白上さんの顔を見ると感動してボロボロ泣いている。
主人公のキスシーンになり白上さんの手が絡ませたまま僕の手をギューッと握って離さない。
(こ、これはどうしたら……)
結局ラストまでこの状態でエンドロールになった。
「うぅー良かったよー」
「ラスト感動しましたねー」
(ずっと手を握られてた……)
このあとカフェに行きいろいろ話をした。
「そういえば社長から仕事の時は、ちゃんと女性用の下着を着用するように言われまして……」
「なるほどね~たしかに、ちゃんとパットいれてブラしたらプロポーションいいよね」
「はい、でも買いに行くのはずかしくて……」
「ふふ♪じゃあこのあと買いに行こうか?一緒に行ってあげるよ」
「えっ!?」
「ほらほら行くよ~」
「は、はい……」
そして二人でデパートへ行き女性の下着売り場に来た。
「これはどう?山名くん」
「うーん、なんか落ち着かないです」
「こっちは?」
「うーん……」
そんな感じでいろんな種類の下着を試してみた。
「よし、これで決まりだね」
「は、はい」
とりあえず3種類くらい買って気がついたら夜になっていた。
「あ、もうこんな時間ですね」
「そうだね~そろそろ帰ろうか~」
白上さんをマンションまで送ることにした。
マンションが近づくに連れてなんだか寂しい気持ちになってきた。
その時白上さんから手を繋いできた。
「えっ!?」
「ふふ♪また明日会えるから大丈夫だよ」
「は、はい」
そして別れ際
「山名くんおやすみ~♪」
と言いハグされてドキドキした……
「は、はい、今日はありがとうございます」
そして僕は帰り道ずっと今日の出来事を思い出して高揚していた。
(白上さんの事好きになりそうだ………)
そして今日買った下着をタンスにしまって、ふとだんだん女性物の服や下着の方が多くなってきている現実に気がつき何とも言えない気持ちになっていった……
ある日社食で昼御飯を食べていると白上さんが隣に来た。
「山名くんお疲れ様」
「あ、白上さんお疲れ様です」
「ふふ♪山名くんて会うたびに綺麗になっていくのね」
「そ、そんなことないですよ……」
なぜか白上さんと話をするとドキドキしてしまう。
「秘書課どう?もう慣れた?」
「はい、皆さん良くしてくれますし、楽しいです」
「それは良かった。営業部で上手くいかなかったから心配してたのよ」
「あ、ありがとうございます」
「そうそう話変わるけど日曜映画行かない?チケット貰っちゃてさ」
「あ、はい、行きたいです」
「じゃあ、また連絡するね」
そう言って彼女は去って行った。
ドキドキ……
「はぁ……なんか緊張するなぁ~」
食事を終えオフィスに戻った。
「山名くん、社長が呼んでたよー」
「え?社長が?」
「うん、応接室にいるから行っておいで」
「は、はい……」
なんだろうと思いながらも応接室のドアをノックした。
コンッコン
「失礼します。山名です。」
「入っていいわよ」
「し、失礼します」
ソファーに座り向かい合った。
「あ、あの……お呼びと伺いましたが……」
「山名くん仕事にも慣れてきて身なりも綺麗になってきてとても良いと思うわ」
「あ、ありがとうございます…………」
「でもね、会社では「僕」はやめましょうか?」
「あ、はい」
「あと制服に合うようにちゃんとブラジャーをしてパットを入れなさい。」
「は、はい!すみません!」
社長は胸元を見て言った。
確かにノーブラでブラウスを着ていたのだ。
恥ずかしくなり俯いていると社長は立ち上がり近づいてきた。
「秘書なんだから美しいプロポーション
でいないとダメよ」
「は、はい……わかりました」
社長は後ろから抱きしめ耳元で囁いた。
「ふふ♪やっぱり可愛いわね」
「あ、ありがとうございます」
「あなた髪もだいぶ伸びてきたわね、もっとアレンジしたりカラーやパーマで美しくなりなさい。」
「はい、頑張ってみます……」
そう言って社長は僕の髪を撫でて去っていった。
社長が出ていってからも僕は動けなかった。
秘書課へ戻ると二階堂課長が来ていた。
「ねぇねぇ~何言われちゃったの?」
「えっ、髪をもっと綺麗にしろって……色々アドバイスされました」
「ふぅん、それだけかなぁ?」
「は、はい…たぶん……」
「じゃあ早速今日はこれから暇だし17階の美容室行こうか?山名くん」
「あっはい、よろしくお願いします」
そうして僕は二階堂さんに連れられてヘアサロンに向かった。
「こんにちわー二階堂です」
「あーいらっしゃーい、こちらへどーぞー」
「えっとーこの子はカットとカラーで、私は前髪のカットとトリートメントでお願いしまーす」
「はいよー、じゃあ座っててねー」
美容師さんはテキパキと準備を始めた。
「それじゃあ始めようね」
僕はまだ慣れず椅子に座って緊張していた。
「二階堂さんこの子カラーとカットどうします?」
「うーん、そうだなぁ、カットは伸ばし中だから切りっぱなしで揃えるくらいで、カラーは明るいベージュ系にしてあげて下さい」
「了解しました、じゃあ山名ちゃんリラックスててね」
「は、はい……」
(明るめのベージュ??今よりも明るい色に………)
「それじゃあ始めるよー」
そう言ってカラーから始めた。
しばらくしてカラーが終わり鏡を渡された。
「ほら、見てごらん」
そこには別人がいた。
色は落ち着いた色の金髪の様になっていた。
「え……こ、この髪色大丈夫ですかね…」
僕が心配そうにしていると隣の二階堂課長が
「秘書課はね美しければ自由なのよ、終わったら社長に見せてきなさい。」
「は、はい……」
それからカットをして貰った。
「前髪は短くしちゃうねー」
「は、はい……」
そして出来上がった髪型はミディアムヘアの外ハネしている感じだった。
その後、僕達はエレベーターに乗り社長室へ行った。
コンッコンッ
「社長、失礼します。山名です」
「どうぞ」
扉を開けると社長はデスクで仕事をしていて僕を見ると微笑んでいた。
「あら?可愛くなって」
「あ、あの、わ、私、先程カラーしてきまして、その……」
「そう、よく似合ってるわよ」
「あ、ありがとうございます」
そう言うと社長は近づいて
「ちょっとメイク直してあげる。目を閉じて」
「えっ、メイクですか!?」
「いいから早く」
「は、はい」
僕は慌てて目を閉じると顔に何か塗られたり髪を触られたりした。
その時唇になにか柔らかいものが触れた気がした……
「はい、出来たわよ」
「あ、あの今のは……」
「ふふ♪おまじないよ」
「お、おまじない?」
「そ、おまじない。頑張りなさい」
「は、はい……」
そして秘書課へ戻り二階堂課長に報告をした。
「あ、あの、社長に見ていただいたら、良く出来てるって褒めて頂けました。ありがとうございます」
「やっぱり社長の好みのヘアスタイルそれで正解だったね~」
「はい、でも何だか凄くドキドキしてしまいました。」
「まぁ社長は綺麗な人が好きみたいだからね」
「そうなんですか……」
「さて、山名ちゃんもバージョンアップしたし仕事も一段落ついたから帰ろうか」
「はい!」
こうして日々僕は少しづつ変わっていくのであった。
そして日曜になり今日は白上さんと映画を見に行く日だ。
「おはようございます!」
「あ、山名くん、待ってたよ~」
「すみません!遅れてしまいました」
「ふふ♪まだ待ち合わせ時間より早いよ」
「あ、ホントだ」
「あら、ちゃんとおめかしして♪髪色変えた?可愛いじゃない」
「ありがとございます」
「うん、良いと思うよ。うんうん、可愛い可愛い」
「あ、あの…恥ずかしいのです……」
彼女は楽しそうに笑っていた。
「じゃあ行こうか」
「はい」
僕たちは映画館に着いて飲み物を買った。
映画はベタベタな恋愛ものだけど人気があるらしい。
「なんだか空いてますね」
「そうだね~人気なのかと思ったけどラッキーかもね」
「あ、始まりますね」
内容はよくある展開でドジな主人公の女の子が王子様的な男の子と着いたり離れたりする内容だった。
映画の中盤肘掛けに腕を置いていると白上さんの腕が僕の腕の上に乗ってきた。
僕は驚いて横を見れずにドキドキしていた……そのまま10分くらいその状態が続き、そっと横を見ると白上さんは寝ていた。
(えっ、寝てた?この状況は……)
疲れてるのだと思い僕はそのまま映画を見続ける事にした。
映画も終盤になりやっと二人の思いが通じて感動的なシーンになった。その時。
僕の腕の上にある白上さんの手が僕の手と絡ませてきたのだ。
(ちょ、これってどういう事?)
白上さんの顔を見ると感動してボロボロ泣いている。
主人公のキスシーンになり白上さんの手が絡ませたまま僕の手をギューッと握って離さない。
(こ、これはどうしたら……)
結局ラストまでこの状態でエンドロールになった。
「うぅー良かったよー」
「ラスト感動しましたねー」
(ずっと手を握られてた……)
このあとカフェに行きいろいろ話をした。
「そういえば社長から仕事の時は、ちゃんと女性用の下着を着用するように言われまして……」
「なるほどね~たしかに、ちゃんとパットいれてブラしたらプロポーションいいよね」
「はい、でも買いに行くのはずかしくて……」
「ふふ♪じゃあこのあと買いに行こうか?一緒に行ってあげるよ」
「えっ!?」
「ほらほら行くよ~」
「は、はい……」
そして二人でデパートへ行き女性の下着売り場に来た。
「これはどう?山名くん」
「うーん、なんか落ち着かないです」
「こっちは?」
「うーん……」
そんな感じでいろんな種類の下着を試してみた。
「よし、これで決まりだね」
「は、はい」
とりあえず3種類くらい買って気がついたら夜になっていた。
「あ、もうこんな時間ですね」
「そうだね~そろそろ帰ろうか~」
白上さんをマンションまで送ることにした。
マンションが近づくに連れてなんだか寂しい気持ちになってきた。
その時白上さんから手を繋いできた。
「えっ!?」
「ふふ♪また明日会えるから大丈夫だよ」
「は、はい」
そして別れ際
「山名くんおやすみ~♪」
と言いハグされてドキドキした……
「は、はい、今日はありがとうございます」
そして僕は帰り道ずっと今日の出来事を思い出して高揚していた。
(白上さんの事好きになりそうだ………)
そして今日買った下着をタンスにしまって、ふとだんだん女性物の服や下着の方が多くなってきている現実に気がつき何とも言えない気持ちになっていった……
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