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本編
始まりは美しい
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笠原勇虎 知らない人は居ないような有名人だ。
それは、いい意味でも。悪い意味でも。
俺の通う学園は全寮制の男子校だ。
そんな思春期の悶々とした男どもを閉じ込めてみろ。
9割がゲイかバイになる。
世も末だな。
まぁ、斯く言う俺もバイなんだが。
それはさておき話を戻すと、笠原勇虎はかなりモテる。
彼に群がるチワワ達は掃いて捨てるほどいる。
だから彼は言葉の通り、かわるがわる抱いては捨て、抱いては捨ての来る者拒まず、去るもの追わずな関係を保っている。
そんな最低なヤツが何故モテるのか?
理由は簡単だ。顔がいい。それだけ。
赤みがかった茶髪。高い鼻梁。
アーモンド型の瞳。厚い唇。
背が高くほぼほぼ190cmらしい。
均等の取れた肉体。
ヘテロだろうが関係なく『いい男』だと思うはずだ。
そんな男に俺も恋に落ちた。
Fall in Loveだ。
言葉にするとアホらしい。だが、落ちてしまったんだ。
それからというもの、彼を目で追った。
恋する乙女のように目で追った。
目線がかち合う度、目を伏せた。
だって恥ずかしいだろ…。
じゅんじょーなんだよばか。
そんなことを繰り返してたある日。
声を掛けられた。
何処だったかなんて覚えてない。
校舎であることは確実だ。
「ねぇ…」
聞き覚えのある声。好きな声。
あ、これダメだ。
心臓がばくばくいってる。
今なら、聞こえないフリして逃げられる…。
彼は後ろ。素早く逃げる。それ一択。
パシっって感じで肩を掴まれた。
あー逃げらんねぇー。
「ねぇ、オレの事見てたよね」
ゆっくり振り返った。やっぱり大好きな彼だ。
どうにかして誤魔化さないとって思った。
「気のせいじゃない?」
「そっか、気のせいかぁ。でも君と仲良くしたいな。オレ」
彼はにやりと笑う。
だめかっこいい。
顔が赤くなってることだろう。
こちらこそ仲良くして欲しいって言ってしまいそうになった。
結果、どんどん仲良くなった。
願ったり叶ったりだった。
仲の良い友達らしく
くだらないことで笑いあった。
高校生らしく馬鹿みたいなこともした。
ある日彼の部屋で遊んでいるとき告られた。
「付き合ってよ。ひろ。」
そう告られた。
びっくりした。焦った。どもった。
あと、初めまして。梁川洋です。ひろがアダ名だよ。
「こ、こちらこそ」
素っ気なくなったのを許してほしい。
なんなら今でも後悔してる。
そのぶん、恋人っぽいこと沢山していこうと思った。
舞い上がっていたんだ。
好きな人と両想いだったら舞い上がるじゃん。
だけど
すぐどん底に叩き落とされた。
勇虎は浮気をした。
チワワのことを抱き始めた。
いや、付き合う前から抱いていた。
そのうち、勇虎の部屋に
勇虎や俺の趣味じゃない可愛らしい小物が増えた。
俺と一緒にいた時間を、チワワのために使うようになった。
俺よりも小さくて可愛いいチワワに。
何も言えなかった。言えるわけがなかった。
だって嫌われたくなかったから。
それは、いい意味でも。悪い意味でも。
俺の通う学園は全寮制の男子校だ。
そんな思春期の悶々とした男どもを閉じ込めてみろ。
9割がゲイかバイになる。
世も末だな。
まぁ、斯く言う俺もバイなんだが。
それはさておき話を戻すと、笠原勇虎はかなりモテる。
彼に群がるチワワ達は掃いて捨てるほどいる。
だから彼は言葉の通り、かわるがわる抱いては捨て、抱いては捨ての来る者拒まず、去るもの追わずな関係を保っている。
そんな最低なヤツが何故モテるのか?
理由は簡単だ。顔がいい。それだけ。
赤みがかった茶髪。高い鼻梁。
アーモンド型の瞳。厚い唇。
背が高くほぼほぼ190cmらしい。
均等の取れた肉体。
ヘテロだろうが関係なく『いい男』だと思うはずだ。
そんな男に俺も恋に落ちた。
Fall in Loveだ。
言葉にするとアホらしい。だが、落ちてしまったんだ。
それからというもの、彼を目で追った。
恋する乙女のように目で追った。
目線がかち合う度、目を伏せた。
だって恥ずかしいだろ…。
じゅんじょーなんだよばか。
そんなことを繰り返してたある日。
声を掛けられた。
何処だったかなんて覚えてない。
校舎であることは確実だ。
「ねぇ…」
聞き覚えのある声。好きな声。
あ、これダメだ。
心臓がばくばくいってる。
今なら、聞こえないフリして逃げられる…。
彼は後ろ。素早く逃げる。それ一択。
パシっって感じで肩を掴まれた。
あー逃げらんねぇー。
「ねぇ、オレの事見てたよね」
ゆっくり振り返った。やっぱり大好きな彼だ。
どうにかして誤魔化さないとって思った。
「気のせいじゃない?」
「そっか、気のせいかぁ。でも君と仲良くしたいな。オレ」
彼はにやりと笑う。
だめかっこいい。
顔が赤くなってることだろう。
こちらこそ仲良くして欲しいって言ってしまいそうになった。
結果、どんどん仲良くなった。
願ったり叶ったりだった。
仲の良い友達らしく
くだらないことで笑いあった。
高校生らしく馬鹿みたいなこともした。
ある日彼の部屋で遊んでいるとき告られた。
「付き合ってよ。ひろ。」
そう告られた。
びっくりした。焦った。どもった。
あと、初めまして。梁川洋です。ひろがアダ名だよ。
「こ、こちらこそ」
素っ気なくなったのを許してほしい。
なんなら今でも後悔してる。
そのぶん、恋人っぽいこと沢山していこうと思った。
舞い上がっていたんだ。
好きな人と両想いだったら舞い上がるじゃん。
だけど
すぐどん底に叩き落とされた。
勇虎は浮気をした。
チワワのことを抱き始めた。
いや、付き合う前から抱いていた。
そのうち、勇虎の部屋に
勇虎や俺の趣味じゃない可愛らしい小物が増えた。
俺と一緒にいた時間を、チワワのために使うようになった。
俺よりも小さくて可愛いいチワワに。
何も言えなかった。言えるわけがなかった。
だって嫌われたくなかったから。
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