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第2章
犯人と対峙
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※ 今回、不快な表現があります。ご了承ください。
~~~~~~~~~~~~~~~~
男達は、シロガネに鎖をつけた犯人たちだった。
「あなたたちが、シロガネに鎖をつけたのね!」
「シロガネ?もしかしてそいつを召喚獣にしちまったのか?それじゃその召喚獣を返してもらうために、あんたに死んでもらわなくちゃな」
「なんで私が死ななきゃいけないの?」
声が震えてしまう。
「おい、あんまりしゃべるなよ。とっとと殺っちまおうぜ」
別の男が言う。
「どうせ死ぬんだ。教えてやって、怖がる様子を見るのもおもしろいぜ」
なんて性格の悪い奴だ。
「魔獣は召喚契約しちまうと、主が死なないかぎりは、新しい主と契約できねえんだ。だから、あんたには死んでもらわなきゃならねえんだ」
誰かをシロガネの新しい召喚主にしたいってこと?
「シロガネに鎖をつけたのは、なんで?」
「力を抑えておくためさ」
「なぜ?」
「世の中にゃ、強い召喚獣を持ちたい奴はゴロゴロいるのさ」
「それが鎖と何の関係があるの?」
「だけどよー、そう簡単には召喚できねえ。そこへ俺たちの出番さ。まだ力が充分出てない子供の魔獣を集めてよ、売るのさ」
「売る?」
「そうさ。魔道具の鎖で力を抑えこんでる間に、召喚契約しちまうって寸法さ」
「そんなに簡単に契約できないんじゃないの?」
「やり方ってもんがあるのさ」
「召喚獣の意思はまるで無視じゃない!」
「魔獣の意思?そんなの必要ねえよ。魔獣はなあ、主のために働いていりゃいいんだよ」
「ひどい!」
「その魔獣は上物でな。高い値がつくんだよ。苦労して捕えて鎖をつけたのに、うっかり目を離した隙に逃げられちまってよ。ギルドにシルバーウルフがいたって話を聞いてな」
「それでギルドの使いだっていって、誘いだしたのね?」
「そろそろおしゃべりは終わりだ。おめーら、魔獣は鎖をつけるまで危険だ。気をつけろ」
リーダー(?)が仲間に言う。
「魔獣は殺さなけりゃ、多少キズつけても構わん。絶対逃がすんじゃねえぞ!」
「「「おー!」」」
ムカムカする。魔獣だって、意思はあるんだ。それを無視するなんて。私は力なんてないけど、絶対コイツらにシロガネを渡さないし、簡単に殺されてたまるもんですか!
「シロガネ、私のことはいいから、逃げて!」
『バカ言うな!お前こそ逃げろ。今のオレはお前のおかげで、力が戻ってる。あの時は油断したが、今度は簡単に捕まるもんか!』
そう言うと、シロガネが体に力を込める。すると、子狼から馬くらいの大きさに体が変化した。
「コイツ、体が大きくなりやがった!」
「油断するな」
男達は手に剣や斧などの武器を持ち、シロガネを取り囲む。
その後ろには、呪文を唱えている男達がいる。魔法を使おうとしているんだ。
そして、何人かの男達は私の方へ向かってくる。
一体、何人いるのー?
私はまだ魔法が使えない。何か武器になるものはないかと、周りを見渡した。
木の棒が転がっていた。無いよりまし。棒を拾って、構える。がんばるしかない。
その時、私の目の前に、一人の女性剣士が現れた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
お読みいただき、ありがとうございます。
今回、短いですが更新しました。
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男達は、シロガネに鎖をつけた犯人たちだった。
「あなたたちが、シロガネに鎖をつけたのね!」
「シロガネ?もしかしてそいつを召喚獣にしちまったのか?それじゃその召喚獣を返してもらうために、あんたに死んでもらわなくちゃな」
「なんで私が死ななきゃいけないの?」
声が震えてしまう。
「おい、あんまりしゃべるなよ。とっとと殺っちまおうぜ」
別の男が言う。
「どうせ死ぬんだ。教えてやって、怖がる様子を見るのもおもしろいぜ」
なんて性格の悪い奴だ。
「魔獣は召喚契約しちまうと、主が死なないかぎりは、新しい主と契約できねえんだ。だから、あんたには死んでもらわなきゃならねえんだ」
誰かをシロガネの新しい召喚主にしたいってこと?
「シロガネに鎖をつけたのは、なんで?」
「力を抑えておくためさ」
「なぜ?」
「世の中にゃ、強い召喚獣を持ちたい奴はゴロゴロいるのさ」
「それが鎖と何の関係があるの?」
「だけどよー、そう簡単には召喚できねえ。そこへ俺たちの出番さ。まだ力が充分出てない子供の魔獣を集めてよ、売るのさ」
「売る?」
「そうさ。魔道具の鎖で力を抑えこんでる間に、召喚契約しちまうって寸法さ」
「そんなに簡単に契約できないんじゃないの?」
「やり方ってもんがあるのさ」
「召喚獣の意思はまるで無視じゃない!」
「魔獣の意思?そんなの必要ねえよ。魔獣はなあ、主のために働いていりゃいいんだよ」
「ひどい!」
「その魔獣は上物でな。高い値がつくんだよ。苦労して捕えて鎖をつけたのに、うっかり目を離した隙に逃げられちまってよ。ギルドにシルバーウルフがいたって話を聞いてな」
「それでギルドの使いだっていって、誘いだしたのね?」
「そろそろおしゃべりは終わりだ。おめーら、魔獣は鎖をつけるまで危険だ。気をつけろ」
リーダー(?)が仲間に言う。
「魔獣は殺さなけりゃ、多少キズつけても構わん。絶対逃がすんじゃねえぞ!」
「「「おー!」」」
ムカムカする。魔獣だって、意思はあるんだ。それを無視するなんて。私は力なんてないけど、絶対コイツらにシロガネを渡さないし、簡単に殺されてたまるもんですか!
「シロガネ、私のことはいいから、逃げて!」
『バカ言うな!お前こそ逃げろ。今のオレはお前のおかげで、力が戻ってる。あの時は油断したが、今度は簡単に捕まるもんか!』
そう言うと、シロガネが体に力を込める。すると、子狼から馬くらいの大きさに体が変化した。
「コイツ、体が大きくなりやがった!」
「油断するな」
男達は手に剣や斧などの武器を持ち、シロガネを取り囲む。
その後ろには、呪文を唱えている男達がいる。魔法を使おうとしているんだ。
そして、何人かの男達は私の方へ向かってくる。
一体、何人いるのー?
私はまだ魔法が使えない。何か武器になるものはないかと、周りを見渡した。
木の棒が転がっていた。無いよりまし。棒を拾って、構える。がんばるしかない。
その時、私の目の前に、一人の女性剣士が現れた。
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今回、短いですが更新しました。
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