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第2章

何もないことは、いいことだ

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 ラウルさんは首を振りながら、ため息をついた。

「だめですが、今回はそれが良かったですね」

 つまり、ちゃんとした魔法が使えてなくてよかったということ?

「もし、あなたの魔力値で魔法が暴走していたら、家一軒はぶっ飛んでいたでしょう」

「そうなんですか?」

 よかった。前の時、魔法が成功しなくて。大切な食堂をぶっ飛ばすところだったよ!

「アリサさん、あなたに必要なことは、まず魔法学校へ入学して、勉強することです。危なくて、注意が必要ですから」

「魔法学校?」

 その時、

「ねえ、終わったの?」

 ドリーが小屋から顔を覗かせ、聞いてきた。

「終わりましたよ」

 ラウルさんが答える。

「なんにも起こらなかったね」

 ドリーは残念そうに言いながら、小屋から出てきた。

「なんでそんなに残念そうなの?」

「だって、アリサならもう派手にドーッとかなるかと思ったのに、なんにも起こらなかったから」

 そんなに魔法が見たかったの?

「なにも起こらなくて、よかったじゃないですか 」

 ラウルさんが言うと、ため息をつきながら首を横に振るドリーだった。



 先程の部屋に戻る。

「終わったか。ラウル、嬢ちゃんの魔法はどうだった?」

「どうもこうもないですよ。まるでなっていません」

 ラウルさんは先ほどの練習場での話をする。

「そうか、そうか」

 ハンクさんは無事終わって、ホッとしたようだ。

「全く、魔力の暴走がなかったからよかったものの、一歩間違えていたら危ないところです」

 ラウルさんがハンクさんと同じことを言った。

「魔法学校で学ぶ必要がありますね」

 「嬢ちゃんがなるべく早く入学できるよう、手配しておこう。それまでは、んだぞ」

「わかりました」

 なんかすごく強調された。

「シロガネ、嬢ちゃんの魔力暴走が起こらないように、よーく見ておいてくれよ」

 ハンクさんは、シロガネにも念押し。

『わかっている』

 シロガネはブスッとした感じで返事をする。ハンクさんはよくわからなかっただろうけど。


「シロガネ、なんか不機嫌?疲れたの?」

『疲れてないぞ』

 部屋を出るとき、無視したこと怒っているのかな?

「必要な手続きは終わったから、帰っていいぞ。帰るんだぞ」

 魔力の暴走を心配しているのか?ハンクさんは妙に力を込めて言った。

「わかってます。気を付けますから」

『オレがいるから、大丈夫だ』

 そして、私たちはギルドを出た。




 ~~~~~~~~~~~~~


 話のタイトルは、悩みます。

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