17 / 59
第1章
これは食べ物です
しおりを挟む
お米が欲しい。白米が食べたい…。日本人の主食は「米」なんです!
パンも美味しいよ?パンが主食の人たちは、パンは飽きないだろうけど。
私は日本人。見た目は西洋人に見えるけど…。パンは毎日じゃ飽きる。でもお米は毎日食べても飽きないもん。さすが「日本のソウルフード」ですよ!
今日は「グエッグエッの店」へやってきた。もちろん卵を買うため。
「こんにちは、アンナさん」
「いらっしゃい、アリサちゃん」
「クックルーの卵を20個ください」
「今箱に入れるわね」
いつものように、箱に卵を入れてもらう。この卵は新鮮だし、ご飯があったら、卵かけご飯が食べたい。
「こんにちはー、荷物お持ちしましたー」
「あら、いつもありがとう」
「いつもの裏の方へ置いておきますね」
「お願いね」
荷物を運んできたというお兄さんは声をかけて、すぐ出ていった。何の荷物かな?
「すみません、忙しい時に来たみたいで…」
「いいのよ。クックルーの餌を持ってきてもらったのよ。いつも声をかけてもらって、裏の小屋に運んでもらってるの」
そうなんだ。ところで、クックルーの餌って?
「クックルーって、なにを食べているんですか?」
「リーゾをあげているの」
「リーゾ?」
「アリサちゃんは知らないかもしれないわね。小麦みたいなんだけど、少し固いの」
「小麦みたいで、固い…?」
なんかその感じ、気になるんですけど…?
「あの、リーゾって見せてもらえませんか?」
「いいけど。アリサちゃん、鳥を飼っているの?」
裏の小屋の方へ案内してもらった。高鳴る胸のドキドキ。も、もしかすると?
「アントニオ、荷物下ろしているとこ、悪いわね。ちょっとリーゾを見せてもらえる?」
「えっ?俺、へんなもの混ぜてないですよ!」
アントニオさんは急に荷物を見せろと言われて、怯えている。すみません、違うんです。
「疑ってなんかいないわ。この娘がね、リーゾを見たいんですって」
「そうなんですか。いや、すみません。びっくりしちゃって…」
「こちらこそ、へんなこと頼んで、すみません」
私はアントニオさんに謝る。
「お嬢ちゃんは、リーゾを見たことがないのかい?」
「はい。ちょっと見せてもらってもいいですか?」
「はいよ、ちょっと待ってな」
アントニオさんは、手に持っていた袋の口を開けて、中を見せてくれた。
こ、これは!まさしく、米!お米ですよ!まだ籾殻のついた玄米じゃないですか!
「これ、お米ですね?」
私は興奮のあまり、大きい声を出してしまった。
「これはリーゾだよ」
「いや、リーゾって、お米ですよ」
「もしかして、あんた西の国出身かい?」
「違いますよ」
「そうか。いや、西の国の方じゃ、リーゾを料理して食べるって聞いたからさ」
「アリサちゃんは、鳥の餌を食べるつもりなの?」
アンナさんは、顔をしかめてる。
「お米って、美味しいんですよー」
と力説した。
ん?今「西の国では食べられてる」って言った?
「食べるところもあるんですね?」
「そうみたいだよ。煮て食べるって聞いたことあるけど、詳しくは知らないんだ」
やっぱり食べる人もいるってことだね。
ヒャッホー!アリサは米を見つけた!やったね!
「私もリーゾが欲しいです!」
「リーゾを食べるのか?それなら、殻をとった方がいいのか?」
えっ?もしかして、精米してくれるの?
「確か食べる時は白くした方がいいって、聞いたことがあるからさ。違ったかな?」
よくご存じで!
「そうです。精米してくれますか?」
「いいよ。但しキレイにするから、その分手間賃は上乗せさせてもらうよ」
「もちろんです。ありがとうございます」
玄米だって、体にいいんだよ。でも炊くのが大変なんだよね。自分で精米してもいいけど、手作業だと時間がかかるし…。やってもらえるなら、ありがたいです。
米=リーゾは、飼料として売られていた。そのため、価格は安かった。精米の手間賃を入れても、安く手に入れることができた。アリサ、ご機嫌です!
西の国のみなさん、お米を食べててくれて、ありがとう。
2日後、アントニオさんがお店へお米を届けてくれました。
さあ、炊いてみよう。おじさんは「リーゾ」を食べたことも、調理したこともないそうだ。今日も、おじさんに見られています。
「トリの餌だろ?旨いのか?」
「美味しいですって!」
それに餌って言わないで。ちゃんとした食べ物です。
お米を3~4回とぐ。鍋に入れ、水を入れる。水加減は確か、米の1.2倍?1.3倍だったかな。人差し指の関節ぐらいまで、水を入れてみる。これぐらいか。このまま30分ぐらい水につけておくんだけど…。どうしようかな。…いや、待とう。おいしいご飯のため。
30分くらいたった。鍋をコンロの上へ。火加減は中火くらい。鍋にフタをして待つ。
しばらくして、ブクブク。音がしてきた。弱火にする。フタから、泡がこぼれてきた。もう少しだ。
10分くらいして、プツプツ音がしてきた。これくらいかな。開けてみようかな。
フタを開けてみる。ホワ~っと、ご飯が炊けたいい香りが広がる。
成功だよ!えっと、少し蒸らさなきゃ。フタをして、しばらく待つ。
学園で、停電したことがあった。夕飯を作る前で、暗くなるし、ご飯のこともあるし、どうしようとオロオロする私たちに、園長先生が
「ご飯を炊きましょう」
って言って、ガスコンロでご飯を炊く方法を教えてくれた。停電になり、不安になる私たち学園生を落ち着かせるためであったと思う。
「鍋で炊いたご飯もおいしいでしょ」
ロウソクの光の中で食べたご飯は、確かに美味しかった。その教えが役に立つとは!ありがとう、園長先生。
そろそろ、ムラしもいい頃合いかな。フタを開けて、スプーンでかきまぜる。すこしとって、食べてみる。
美味しい!これよ、これ。白米!愛しの白米ちゃん!
「できたよ~」
みんなで食べてみよう。昼間なので、おじさん、おばさん、ミリア、コイルさん、私の5人。美味しいよー。久しぶりの白米。
「ほおー、これは旨いなあ。鳥の餌とは思えん」
おじさん、餌って言わないでください。
「リーゾって柔らかくて、噛んでいると、甘くなってくるね」
「お姉ちゃん、ハンバーグとリーゾって合うね」
ミリアもそう思う?おかわりしちゃおうかな。
「おかわり!」
えっ?心の声が聞こえる。違った。コイルさんでした。コイルさんにおかわりを渡すと、ハンバーグと一緒に食べだす。そんなに、詰め込むと…。
「ゴホッ、ゴホッ」
ほら、むせた。ゆっくり噛んで食べてください。
「アリサ、リーゾも出すことにしよう」
食事の基本は、パン。リーゾが食べ物と思わない人もいるため。パンをリーゾに替えることもできる。でも、朝におにぎりもいいかもね。
~~~~~~~~~~~~~~~~
ご飯も出したくて、書いてみました。
次は少し長い回になりそうです。
パンも美味しいよ?パンが主食の人たちは、パンは飽きないだろうけど。
私は日本人。見た目は西洋人に見えるけど…。パンは毎日じゃ飽きる。でもお米は毎日食べても飽きないもん。さすが「日本のソウルフード」ですよ!
今日は「グエッグエッの店」へやってきた。もちろん卵を買うため。
「こんにちは、アンナさん」
「いらっしゃい、アリサちゃん」
「クックルーの卵を20個ください」
「今箱に入れるわね」
いつものように、箱に卵を入れてもらう。この卵は新鮮だし、ご飯があったら、卵かけご飯が食べたい。
「こんにちはー、荷物お持ちしましたー」
「あら、いつもありがとう」
「いつもの裏の方へ置いておきますね」
「お願いね」
荷物を運んできたというお兄さんは声をかけて、すぐ出ていった。何の荷物かな?
「すみません、忙しい時に来たみたいで…」
「いいのよ。クックルーの餌を持ってきてもらったのよ。いつも声をかけてもらって、裏の小屋に運んでもらってるの」
そうなんだ。ところで、クックルーの餌って?
「クックルーって、なにを食べているんですか?」
「リーゾをあげているの」
「リーゾ?」
「アリサちゃんは知らないかもしれないわね。小麦みたいなんだけど、少し固いの」
「小麦みたいで、固い…?」
なんかその感じ、気になるんですけど…?
「あの、リーゾって見せてもらえませんか?」
「いいけど。アリサちゃん、鳥を飼っているの?」
裏の小屋の方へ案内してもらった。高鳴る胸のドキドキ。も、もしかすると?
「アントニオ、荷物下ろしているとこ、悪いわね。ちょっとリーゾを見せてもらえる?」
「えっ?俺、へんなもの混ぜてないですよ!」
アントニオさんは急に荷物を見せろと言われて、怯えている。すみません、違うんです。
「疑ってなんかいないわ。この娘がね、リーゾを見たいんですって」
「そうなんですか。いや、すみません。びっくりしちゃって…」
「こちらこそ、へんなこと頼んで、すみません」
私はアントニオさんに謝る。
「お嬢ちゃんは、リーゾを見たことがないのかい?」
「はい。ちょっと見せてもらってもいいですか?」
「はいよ、ちょっと待ってな」
アントニオさんは、手に持っていた袋の口を開けて、中を見せてくれた。
こ、これは!まさしく、米!お米ですよ!まだ籾殻のついた玄米じゃないですか!
「これ、お米ですね?」
私は興奮のあまり、大きい声を出してしまった。
「これはリーゾだよ」
「いや、リーゾって、お米ですよ」
「もしかして、あんた西の国出身かい?」
「違いますよ」
「そうか。いや、西の国の方じゃ、リーゾを料理して食べるって聞いたからさ」
「アリサちゃんは、鳥の餌を食べるつもりなの?」
アンナさんは、顔をしかめてる。
「お米って、美味しいんですよー」
と力説した。
ん?今「西の国では食べられてる」って言った?
「食べるところもあるんですね?」
「そうみたいだよ。煮て食べるって聞いたことあるけど、詳しくは知らないんだ」
やっぱり食べる人もいるってことだね。
ヒャッホー!アリサは米を見つけた!やったね!
「私もリーゾが欲しいです!」
「リーゾを食べるのか?それなら、殻をとった方がいいのか?」
えっ?もしかして、精米してくれるの?
「確か食べる時は白くした方がいいって、聞いたことがあるからさ。違ったかな?」
よくご存じで!
「そうです。精米してくれますか?」
「いいよ。但しキレイにするから、その分手間賃は上乗せさせてもらうよ」
「もちろんです。ありがとうございます」
玄米だって、体にいいんだよ。でも炊くのが大変なんだよね。自分で精米してもいいけど、手作業だと時間がかかるし…。やってもらえるなら、ありがたいです。
米=リーゾは、飼料として売られていた。そのため、価格は安かった。精米の手間賃を入れても、安く手に入れることができた。アリサ、ご機嫌です!
西の国のみなさん、お米を食べててくれて、ありがとう。
2日後、アントニオさんがお店へお米を届けてくれました。
さあ、炊いてみよう。おじさんは「リーゾ」を食べたことも、調理したこともないそうだ。今日も、おじさんに見られています。
「トリの餌だろ?旨いのか?」
「美味しいですって!」
それに餌って言わないで。ちゃんとした食べ物です。
お米を3~4回とぐ。鍋に入れ、水を入れる。水加減は確か、米の1.2倍?1.3倍だったかな。人差し指の関節ぐらいまで、水を入れてみる。これぐらいか。このまま30分ぐらい水につけておくんだけど…。どうしようかな。…いや、待とう。おいしいご飯のため。
30分くらいたった。鍋をコンロの上へ。火加減は中火くらい。鍋にフタをして待つ。
しばらくして、ブクブク。音がしてきた。弱火にする。フタから、泡がこぼれてきた。もう少しだ。
10分くらいして、プツプツ音がしてきた。これくらいかな。開けてみようかな。
フタを開けてみる。ホワ~っと、ご飯が炊けたいい香りが広がる。
成功だよ!えっと、少し蒸らさなきゃ。フタをして、しばらく待つ。
学園で、停電したことがあった。夕飯を作る前で、暗くなるし、ご飯のこともあるし、どうしようとオロオロする私たちに、園長先生が
「ご飯を炊きましょう」
って言って、ガスコンロでご飯を炊く方法を教えてくれた。停電になり、不安になる私たち学園生を落ち着かせるためであったと思う。
「鍋で炊いたご飯もおいしいでしょ」
ロウソクの光の中で食べたご飯は、確かに美味しかった。その教えが役に立つとは!ありがとう、園長先生。
そろそろ、ムラしもいい頃合いかな。フタを開けて、スプーンでかきまぜる。すこしとって、食べてみる。
美味しい!これよ、これ。白米!愛しの白米ちゃん!
「できたよ~」
みんなで食べてみよう。昼間なので、おじさん、おばさん、ミリア、コイルさん、私の5人。美味しいよー。久しぶりの白米。
「ほおー、これは旨いなあ。鳥の餌とは思えん」
おじさん、餌って言わないでください。
「リーゾって柔らかくて、噛んでいると、甘くなってくるね」
「お姉ちゃん、ハンバーグとリーゾって合うね」
ミリアもそう思う?おかわりしちゃおうかな。
「おかわり!」
えっ?心の声が聞こえる。違った。コイルさんでした。コイルさんにおかわりを渡すと、ハンバーグと一緒に食べだす。そんなに、詰め込むと…。
「ゴホッ、ゴホッ」
ほら、むせた。ゆっくり噛んで食べてください。
「アリサ、リーゾも出すことにしよう」
食事の基本は、パン。リーゾが食べ物と思わない人もいるため。パンをリーゾに替えることもできる。でも、朝におにぎりもいいかもね。
~~~~~~~~~~~~~~~~
ご飯も出したくて、書いてみました。
次は少し長い回になりそうです。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2,128
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる