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第1章

お客さんの反応はどうなの?

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「これはなんだ?」

 ライカさんが聞いたので、おばさんが料理を指しながら、答える。

「こっちがハンバーグ、そっちがハンバーガーだよ」

「はんばあぐ?はんばあがー?初めて聞く料理だな…」

「いいニオイがする…」

  ブライトさんが鼻をヒクヒクさせている。

「どっち、食べる?」
 
 ライカさんがブライトさんに聞く。

「両方食いたい」

 ブライトさんが答える。

「俺も両方食いたいな。半分ずつ食べるか」

「うむ」

 男の人でシェアって…、かわいい。
 料理を半分ずつにして、二人で食べだす。

「まずは、はんばあぐとやらから、食べてみるか」

 ライカさんはハンバーグをお皿に取る。
 ブライトさんは黙って、ハンバーグの残りをお皿に取り、食べだす。

「なんだ、これは!なんの肉だ?タッドボアっぽいな?タッドボアの肉って、こんなに柔らかくなるのか?」

 ライカさんがびっくりしている。
 ブライトさんは黙々と食べている。

「よくわかったね、これはタッドボアの肉だよ」

 おばさんが言う。

「柔らかいが、美味うまい。肉汁がひろがる」

 ブライトさんがつぶやく。

「こっちのはんばあがーも食べてみよう」

 ライカさんはハンバーグを食べる手を止める。ハンバーガーの半分を取り、食べる。

「美味い!パンとすごくあうじゃないか!」

「うむ。こちらも美味い」

 いつの間にか、ブライトさんも、ハンバーガーを食べてた。早っ!

 二人はあっという間に完食した。ブライトさんは名残り惜しそうに、お皿を見ている。

「これからいつでも、この料理は食べれるのか?」

 ライカさんが聞いてくる。

「そのつもりなんだけど、味はどうだい?」

「美味かったよ。ぜひメニューに加えてほしい!」

「俺はおかわりがほしい…」

 ブライトさんがぼそっとつぶやく。

「そうだな。俺は、はんばあがーを頼む。ブライトはどうする?」

「俺は、はんばあぐを2皿だ」

「はいよ。これからも、ひいきにしとくれ」

 おばさんは、追加をおじさんに頼む。よかった。料理が受け入れられて。
 ブライトさん、すごいな。ハンバーグ一皿でも、かなり量多めにしてあったんだよ?それをさらに、追加で2皿って……。

 二人におかわりを出した時、別のお客さんが二人入ってきた。
 そのお客さんたちは、二人の姿を目ざとく見つける。

「おい、ライカ。お前たち、何を食っているんだ?」

「俺は、はんばあがー、ブライトは、はんばあぐさ」

「はんばあぐとはんばあがーだって?新しいメニューか、美味そうだな…。俺にもはんばあぐとやらをくれよ」

「俺は、はんばあがーがいいな」

 ブライトさんたちへの試食だけのつもりだったのに、どうしよう。

「はいよ、ちょっと待っておくれ」

 おばさんは、おじさんに合図を出し、注文を受ける。

「わかった。アリサ、手伝ってくれ」

 おじさんは予測していたのか、あわてず調理を続けている。
 すごいなあ。年季が違うもんね。あわてる必要ないか。おじさんの指示通りに動けばいいんだ。
 私は玉ねぎを刻んだりしながら、役に立ててよかったと安堵した。
 ほかのお客さんにも、ハンバーグとハンバーガーは好評だった。
 後で、おじさんたちに
「大丈夫だって言ったろ?」
と言われた。

 その夜、メニューに加えることについて話し合った結果、朝はハンバーガー、昼以降をハンバーグとすることにした。
 朝のハンバーガーは、冒険者の人たちが手早く食べていけるから。
 昼からのハンバーグには、パンを一緒にだすことにした。

 
 朝、冒険者さんたちが、ハンバーガーを食べてびっくりしてた。

「うぉー、なんだ、この料理は!」

「美味い!今日は朝からついてるぜ。今日の依頼は成功しかありえねぇー」

「美味ーい!今日はお宝に巡りあえそうだぜ」

 食べ物ひとつで、成功とかお宝に…とかって…。喜んでるから、ま、いっか。
 口コミで、ハンバーグを食べにくる人が増えた。
 ライカさんたちが、警護団の人にハンバーグの話をしてくれたんだって。そのおかげで、だんだんお客さんが増えていった。
 朝の利用も増えたんだ。ハンバーガー、好評中!
 こちらには携帯もテレビもない。だから口コミって、ありがたいんだよ。

 こうなると、やっぱり「アレ」が欲しくなるね。まだこちらでは、見てないんだよね。ないのかなあ…。あって欲しいんだけど…。手に入るか聞いてみよう。



~~~~~~~~~~~~~~~~~


 料理を「美味しい」って言ってもらえると、うれしいですよね。
 アリサちゃんのほしい「アレ」って、わかりますか?
 アレですよ、アレ。
 ヒントなしで、わかったあなたはすばらしい!



 ヒント:ご一緒に○○はいかがですか?

  
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