魔法使いの悪友

shishamo346

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破滅-一人目

王都の貧民街から来た男

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 王都の貧民街の支配者が一族ごと、帝国に捕縛された。王都の貧民街の支配者が、市井の場に出た皇帝ラインハルトを襲撃するという凶事を行ったのだ。結局、筆頭魔法使いハガルによって、襲撃は失敗となり、それに加わった貧民たちは全て、その場で捕縛された。
 こうなると、王都の貧民街の支配図が変わる。誰だって、貧民の頂点に立ちたいものだ。俺たちも王都の貧民街の頂点に立ちたい一心で、その勢力争いに加わった。
 長い年月を王都の貧民街の支配者として居座った男は、ともかく、恐ろしい男だった。支配した貧民たちを鍛えあげ、軍隊や暗部まで作ったのだ。そのため、他の貧民街とは違い王都の貧民街は妙に統制がとれていた。それも、皇帝襲撃により、全て一掃されたのだ。残ったのは、吹き溜まりであった。
 先代の支配者の血族もそれなりに恐れられていた。何せ、父親に鍛えられたのだ。一騎当千だと呼ばれていた。その血族も、男たちは帝国に捕縛され、戻ってこなかった。
 だから、王都の貧民街は、本当の無法地帯となり、支配者となるべく、息を潜めていた勢力が争っていた。
 俺は、その中の一つに所属していた。なんでも、先代の支配者の娘を恋人にした男だという。遠目で見たが、かなりの美人だった。そんな美人を片手に、王都の貧民街の支配者の跡継ぎは俺だ!! と勝手に叫んでいたのだ。
 それに我慢のならないのが、先代の支配者のもう一人の娘を保護する貧民ナナキである。ナナキは、支配者の血族に拾われ、育てられ、教育を受けていた。本来であれば、皇帝襲撃に参加するべき立場であるが、支配者の末娘の護衛のために残されたのだ。結果、先代の力の余波は残った。
 二つの勢力はそのまま衝突し、白黒はっきりするかに見えた。ところが、俺が所属している勢力は、ナナキの勢力から逃げたのだ。ナナキの勢力は、先代の支配者の残った勢力をそのまま踏襲していたのだ。俺は、弱い勢力に組してしまった。
 仲間内でも、今後はどうなる? 裏切るか? なんて相談しているが、当のボスは自信満々だ。その理由は、恋人である。先代支配者の娘に、貧民ナナキは逆らえなかった。だから、ナナキはボスの言い分を大人しく聞いて、何もしてこなかったのだ。
 このまま、ボスが恋人を盾に、ナナキの勢力を飲み込むかに見えた。ボスの恋人が、説得していたという。
 そんな最中、ボスが何者かによって殺されたのだ。
 王都の貧民街の支配者はナナキとなった。俺は、死んだボスの勢力であったため、王都の貧民街を仲間と一緒に逃げ出した。だけど、誰も追ってはこない。負け犬なんかどうだっていいのだ。
「なあ、どうする?」
「ナナキのトコに所属してれば、こんなことにならなかったのに」
「もう、仕方がない。次は海の貧民街に行こう。そこにも、それなりの勢力はある」
「タリムのいう通りだな」
 俺たちは頭が軽いし、浅はかだ。だから、簡単に次へと行く。
 海の貧民街の支配者は、元貴族だからか、ともかくお人よしだ。だから、すぐに内部に潜入出来てしまう。
 しかし、海の貧民街の支配者は、支配者になるだけあって、その実力は凄まじいものだ。しかも、帝国中で尊敬される男なため、わざわざ、貧民になる貴族平民が押し寄せているという。だから、海の貧民街の支配者も、軍隊を持っているのだ。
 それも、支配者がいなくなれば、簡単に瓦解する。それは、王都の貧民街で証明された。支配者あっての軍隊である。ただ、支配者の血族が厄介だ。この血族のために、軍隊が統制されていたのだ。
 海の貧民街の支配者には、孫娘が一人いるという。その孫娘をどうにか出来れば、簡単に瓦解できるだろう。
 別に、軍隊の一人になりたいわけではない。ちょっと気楽に生きていたいだけだった。だから、俺は仲間と一緒に、海の貧民街の支配者の反対勢力に加わった。
 加わっても、やることなんて、大したことはない。とりあえず、情報を集める、という名目で、俺たちは娼館に通いこんだ。
 貧民街は、情報だって金で簡単に買える。
「この娼館に、海の貧民街の支配者に関係ある奴はいるか?」
 ちょっとした小銭で、娼館の主は教えてくれる。
「男娼のルキエルがそうだ」
「男娼って、あの、噂の?」
「そうだ」
 この娼館は、それなりに後ろ盾がないと働けない所だ。だから、貴族だって遊びに来る。そんな娼館に、怪しい肩書の男がいたのだ。

 帝国に捕らえられた王都の貧民街の支配者の娼夫。

 帝国に逆らった王都の貧民街の元支配者に飼われていた、なんて、普通は隠すものだ。それをわざわざ売り文句にするのだから、嘘だと思われた。
 ところが、男娼ルキエルは、海の貧民街の支配者の後ろ盾を持っている。それをあえて隠しての商売だ。
 ルキエルを使えば、海の貧民街の支配者が構えるあの建物に侵入できるな、なんて軽い気持ちで思ったものだ。
 嘘か本当かわからない売り文句に、仲間たちは興味をそそられて、男娼ルキエルを一晩買った。
 男にしては華奢で、見た目も綺麗だ。肩幅と背の高さから、男だと主張しているが、それだけだ。ちょっと見方を変えると、ルキエルは女に見えた。
 俺は女好きだ。男にはこれっぽっちも食種が動かない。だから、ルキエルには手を出さなかったが、興味はあった。
「どうだった?」
「男もいいな、と思わされた」
「一日一人なのがわかる。極楽が見れる」
「あの顔で、あれがなんともいえないけどな」
「客がいない時には、また、抱きたいな」
 皆、好印象である。たった一晩、ルキエルを相手にして、ルキエルに夢中になっていた。
 そんな仲間を見て、俺は危うさを感じた。
「タリムも買ってみろよ」
「いや、俺は、女のほうがいい」
「けど、お前」
「ほら、また、女のほうから、お断りが始まったぞ」
「………」
 俺は無言となる。娼館の女たちは、どんどんと俺に目を合わせないようになってきた。
 俺の下半身が、尋常じゃないからだ。それに、俺は下手なんだろう。商売で男を転がす娼婦たちでさえ、俺を敬遠した。一度、俺と寝ると、二度目はないのだ。このせいで、恋人にも振られた。
 だからといって、男に走る気はなかった。仲間たちがどんどんとルキエルに夢中になっていく様を見て、恐ろしいものを感じたのもある。
 だけど、そんなことを言ってられなくなった。とうとう、娼婦たちが、俺を拒否してきたのだ。
 仲間たちは選り取り見取りなのに、俺だけは、選ぶことすら出来ないという。
「また、こうなるのか」
「もう、ルキエルを試してみろよ」
「ものは試しに、さ」
「それで、お前たちはルキエルから何か聞けたのか?」
 この娼館を使うのは、ルキエルから、海の貧民街の支配者の有益な情報を得るためである。女遊びは表向きの言い訳だ。
 全員が、俯いた。
「もう、本番になったら、夢中になって」
「止まらないんだよな、本当に」
「気づいたら、隣りにルキエルはいなくなってた」
「朝になってたよ」
「何やってんだ、お前ら」
 役立たずな仲間たちに、俺は頭を抱えた。俺としては、男は相手にしたくないのだ。ほら、俺の剛直は、男でも大変だろう。
 ちらりとルキエルを見る。客を待っているルキエルは、同じく客待ちの娼婦たちと談笑していた。ルキエル、娼婦たちの評判がいいのだ。男娼なんかしているのか、女心がよくわかるのかも、と思ってみていれば、客である男からの評判も良いときている。あれは、生まれ持った気質だろう。
 そんなルキエルを見ていると、視線に気づいたのか、俺と目があった。ルキエルは嫣然と微笑んで、仲間が囲むテーブルにやってきた。
 そして、俺は仲間たちに言われて、強制的に、ルキエルを一晩、買うこととなったのだ。





 俺の悪い所は、ともかく、性急なのだ。前戯とか出来なくなる。そこに穴があるから、さっさと突っ込むのだ。ルキエル相手でも同じだ。
 男相手だと、それなりに指で緩めてから、なんて事前の講習もどきを仲間から受けたが、その場に立つと、そんなもの吹き飛んだ。
 ルキエルは、王都の貧民街の元支配者の娼夫であったが、一切の奉仕の教育を受けていない、という話だ。その肩書だけで、とんでもない金額を払うというのに、それで奉仕がないなんて、詐欺みたいな話である。
 ところが、ルキエルは、俺の剛直を見て、目の色を変えた。それまでは、余裕の表情だったというのに、それもなくした。
 俺の剛直は、奉仕するにしても、太く長い。そこも、娼婦たちから不評を買っていた。見るからに嫌がられたこともある。
 そんな剛直をルキエルは、嬉しそうに見て、手にした。口に入れるには大きすぎるだろうに、苦しそうにルキエルは俺の剛直を口に飲み込もうとして出来なくて、仕方なく、先だけを口に咥え、手を動かした。
 俺は思わず、ルキエルの頭を掴んでしまった。奉仕の一切をしないルキエル。なのに、その手腕は物凄くうまい。絶対に、教育を受けている。
 よだれをだらだらと口の端から流し、すっかり、俺の剛直までベタベタとなっていた。そこをルキエルの手が動く。ルキエルはどうにか飲み込もうと必死だ。その姿に、俺はゾクゾクと興奮させられた。
「うぁ」
 そして、あっけなく、ルキエルの口の中に俺の白濁を放った。それでも、俺の剛直は元気だ。それどころか、興奮して、俺はルキエルを押し倒した。
「ちょっ」
 あまりのことに、ルキエルは批難の声をあげようとするが、俺は容赦なく、前戯すらしていないルキエルの蕾に、俺の剛直を挿入した。
 ルキエル自身が前もって、準備していたようだ。すんなりと俺の剛直が、ルキエルの最奥まで挿入される。
 途中、何かに引っかかったが、それを突き破るようにして、俺は剛直を挿入したのた。
「ああっ!!」
 途端、ルキエルは白濁を放って、体全体を震わせた。蕾の中まで震えて、俺の剛直は刺激を受けた。その衝撃に、俺の腰は動いた。
 女とは違って、男は濡れないとは聞いていたが、そうだ。何かしら、引っかかりを感じるが、さっきまで、ルキエルが唾液を垂らして俺の剛直を濡らしてくれたので、多少、滑りが良かった。それも、俺が我慢できずに白濁をルキエルの中で放ってからは、滑りが良くなった。
 がつがつと最奥を抉っていくと、ルキエルは声をあげて喜んだ。足まで俺の腰にからめ、むしろ最奥へ挿入しようとした。
 だから、持っていかれた。もう、俺は夢中だ。ルキエルが衝撃に、意識を手放してしまうまで、俺は激しく、最奥を突いた。
 気づけば、酷いものだった。ベッドの惨状に、俺は妙な興奮を覚えた。ルキエルは、無防備に四肢を投げ出して、意識を手放していた。華奢な体躯を搔き抱いた。俺もまた、ルキエルに飲まれた。抱きしめて、肌ざわりに離れがたくなる。
 支配者の気分が味わえる、なんてルキエルは言っていた。確かにそうだ。ルキエルを抱いて、支配者になりたくなった。それほど、ルキエルの体は魅力的だった。
 男は、蕾の奥にある白濁を掻き出してやらないといけない。そこが面倒だ。だが、それをしないと、腹を下すという。仕方なく、ルキエルを横たえ、蕾に指をつっこむ。
 俺の剛直を受け止められるだけのことはあって、緩い。だけど、俺の指をきゅっと無意識に締めてきた。それに、俺は興奮した。中には、俺が放った白濁が溢れ出るほどいっぱいだ。それを出させないためみたいに、ルキエルの蕾は締めてくる。それを指で動かして掻き出して、とやっていると、指が届く奥の内壁を触れると、ルキエルは意識を失ったまま、声を出した。
「あ、うん」
 それと同時に、俺の指を締めてきた。そこがいいんだ。
 白濁を出しつつ、ルキエルが身もだえし、反応するそこを刺激してやると、ルキエルはあっけなく絶頂する。ただ、それは白濁を放たないものだった。
 確かに絶頂した感触を指に感じながらも、白濁が出ないそれに、俺は知識がないため、そのまま、俺の白濁を掻き出していると、ルキエルは激しく身もだえた。
「やああ!!!」
 とんでもない、甘い声をあげるルキエル。眠っているというのに、その声と仕草に、俺の剛直はまた、興奮する。眠っているルキエルをそのまま、蹂躙してやりたくなった。
 そこをぐっと我慢した。ルキエルは、俺を受け止めたからか、それとも、体の最奥に、俺の白濁を受け止め過ぎたからか、真っ青になってきた。俺は出来るだけ、最奥の白濁を掻き出してやったが、その間、ルキエルはずっと甘い声を出し続けた。
 まだ、足りない。だけど、俺自身はそれなりに疲れていた。だから、そのままルキエルを搔き抱いて、眠った。
 初めての満足な閨事だった。娼婦相手でも、ここまでの満足感がない。しかも、ルキエルは、俺の蹂躙で酷いこととなったというのに、眠った顔に笑顔を浮かべて、俺の胸に寄せてきた。その姿が愛らしいとすら思った。
 あれほどのことをしたというのに、朝、目覚めるとルキエルはいなくなっていた。ベッドの惨状も綺麗になっていた。まるで、夢を見せられたようだった。





 俺に一晩買われた娼婦は、二度と、俺を相手にしない。それは、仲間内でも有名な話だ。だから、次の日、俺が娼館に行っても、ルキエルは俺を相手にしないだろう、なんて仲間内では言われていた。
 一度、味わってみて、俺はもう一度、ルキエルを抱きしめたかった。あの華奢な体躯を力いっぱい、抱きしめて、また、ベッドで蹂躙してやりたい。たった一度で、俺は夢中になった。
 そんな内心を隠して、俺はルキエルを待った。ルキエルは決まった時間に来るわけではないが、毎日、娼館には来ている。金に困っているのだろう。
 金さえ積めば、また、ルキエルを買えるか?
 蓄えを計算する。ルキエルのために、俺が身の破滅するのが見えた。それでも、もう一度、ルキエルを抱きたかった。
 ルキエルはいつもの通り、娼館にやって来た。挨拶して、娼婦たちと談笑して、といつもの通りだ。そんなルキエルに俺は熱い視線を向ける。
 ルキエルは視線に気づいた。視線が俺だと気づいて、嬉しそうに笑った。
 俺からルキエルの元に行った。もう、いてもたってもいられなかった。仲間たちは、俺がルキエルに振られるものと見ている。
 俺は恐る恐る、とルキエルの元に行った。
 娼婦たちが、俺とルキエルを見ている。きっと、俺がルキエルに振られるものと見ているんだろうな。俺もそう思う。
「タリム、昨日はどうだった?」
「ルキエル、体のほうは大丈夫か!?」
 俺はいつもの通り、相手の体を気にしたが、ルキエルは俺の感想を気にした。いつもと違う。
 俺が驚いて、そのまま黙り込む。それを見て、ルキエルは昨夜のことを思い返して、溜息をついた。
「女相手にがっつくのはやめてやれ。あれは、大変だぞ」
「そ、そうか。ルキエルも、痛かったんだな」
「俺は慣れているから大丈夫だ。久しぶりで、良かった」
 ルキエルは、喜んでいた。そこに、嘘偽りはない。
 ルキエルの感想に、周囲はざわつく。娼婦たちは、ルキエルのことを遠くから心配そうに見ているというのに、ルキエルは昨夜のことを思い出したのか、身もだえして、色っぽい顔を見せた。それに、俺は衝動を動かされた。
「ほ、本当か!?」
「嘘をついてどうする。だけど、あの調子で女を抱くなよ。あれは絶対にダメだ。少しずつ、調整出来るようになったほうがいい」
「その、今日も、お願いしていいか?」
「一つ聞くが、女好きだよな?」
「それは、もちろん!!」
「………なら、いいが」
 女好きなのは確かだ。俺が自信満々にいうから、娼婦たちが俺に目を合わせないように顔を背けていた。そう、俺は女好きだが、相手がいないんだよな。
 昨夜のこと、忘れられないのは俺も同じだ。確かに、ルキエルの体には嵌る。
 俺の興奮ぶりに、ルキエルは心配した。
「タリム、わかっていると思うが、売り買いの関係だ。俺は金を受け取った分、お前に奉仕するだけだ」
「奉仕はいらない。俺が一方的にやりたいだけだ」
「もうちょっと、力加減を覚えろよ」
「ああ!!」
「………」
 結局、ルキエルは顔を真っ赤にして、俺の手をとった。ルキエルは確かめたいのだ。
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