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第2章 大学編
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遙加の体調が回復した頃。ある人物の消息が不明になった。
主にファッション誌のモデルをしていたその人物はある日突然姿を消した。
最後にその姿を確認されたのはそのファッション誌の撮影現場だった。長時間の撮影の末スタッフ共々疲労困憊だったからなのかその人物がどんな表情をしていたのか覚えている者はいなかった。
その人物の名は速水玲那。本人が意図していたか否かに関わらず九条遙加へと何度も生き霊を送った人物。
現在という時間軸から本人ごと別次元に移動してしまったため、そこから発生される生き霊は現在からは消失した。
その頃、現在から別のパラレルワールドへと移動した速水玲那は自分のベッドの上で目を覚ましたところだった。
速水玲那は今日も撮影があったことを思い出し急いで身支度を整えて撮影場所であるスタジオへと向かった。家を出て電車に乗って現場に着くまで30分程。
その日は乗った電車の隣の車両にやたら大きな声を出して1人で喋っている不気味な人がいた。隣の車両までその声が響くほどだった。
機嫌を悪くした速水玲那は厳しい視線でそちらを睨みつけた。
時間通り撮影に入ったのは良かったのだが、その日は何故かカメラマンやスタッフの納得するものが撮れないせいでやたらと時間がかかってしまった。
やっとのことで仕事が終わり、疲れ切った速水玲那は挨拶もそこそこにスタジオをあとにした。
家族と暮らしていたはずなのにどう言う訳か1人暮らしをしている部屋に戻ると疲れていたせいですぐにベッドに入ってしまった。少しの違和感について考える間も無く。
アラームの音で、彼女が眠りから覚める。その日も昨日と同じ場所で撮影がある事を思い出し、急いで身支度を整えてスタジオへ向かった。
昨日と同じ時間に乗った電車では今日も隣の車両ではやたら大きな声を出して1人で喋っている不気味な人がいた。速水玲那は今日も厳しい視線でそちらを睨みつけた。
その日もカメラマンやスタッフの納得するものが撮れないせいでやたらと時間がかかってしまった。
やっとのことで仕事が終わり、疲れ切った速水玲那は挨拶もそこそこにスタジオをあとにした。
1人暮らしの部屋に戻ると疲れもあってすぐにベッドに入ってしまった。一昨日までは家族と暮らしていたはずなのに今は1人暮らしと言う現実に彼女は少しの違和感も覚えていなかった。
速水玲那本人は同じことを繰り返していることに気付いていない。それどころか家族の存在すら記憶の中から薄らいでいた。仕事場であるスタジオと自宅の往復のみの毎日。
そして寝て起きるとまた同じ日の繰り返し。
それは決して次の日が訪れることはない世界。
パラレルワールドの管理人によって送られた世界。
どんなに時間を過ごしても延々と次の日は来ない世界。
いつまでも若く美しくありたい彼女にとっては良い世界なのかもしれない。
そこにいる限り永遠に歳を取ることはないのだから。
そんな彼女から無意識に飛んできた陰湿な生き霊の影響から逃れた遙加。
その後、ピンクスペクトルとして世の中に出ていた彼らは、2クール目のアニメ放送終了時に主人公と共に遙加も仮面を外した。
そして晴れて5人はブルーローズとして華々しくデビューした。
勿論本来の姿で。
それは丁度彼らが大学を無事卒業した直後のことだった。
如月の思惑通りに。
学生時代編 完
主にファッション誌のモデルをしていたその人物はある日突然姿を消した。
最後にその姿を確認されたのはそのファッション誌の撮影現場だった。長時間の撮影の末スタッフ共々疲労困憊だったからなのかその人物がどんな表情をしていたのか覚えている者はいなかった。
その人物の名は速水玲那。本人が意図していたか否かに関わらず九条遙加へと何度も生き霊を送った人物。
現在という時間軸から本人ごと別次元に移動してしまったため、そこから発生される生き霊は現在からは消失した。
その頃、現在から別のパラレルワールドへと移動した速水玲那は自分のベッドの上で目を覚ましたところだった。
速水玲那は今日も撮影があったことを思い出し急いで身支度を整えて撮影場所であるスタジオへと向かった。家を出て電車に乗って現場に着くまで30分程。
その日は乗った電車の隣の車両にやたら大きな声を出して1人で喋っている不気味な人がいた。隣の車両までその声が響くほどだった。
機嫌を悪くした速水玲那は厳しい視線でそちらを睨みつけた。
時間通り撮影に入ったのは良かったのだが、その日は何故かカメラマンやスタッフの納得するものが撮れないせいでやたらと時間がかかってしまった。
やっとのことで仕事が終わり、疲れ切った速水玲那は挨拶もそこそこにスタジオをあとにした。
家族と暮らしていたはずなのにどう言う訳か1人暮らしをしている部屋に戻ると疲れていたせいですぐにベッドに入ってしまった。少しの違和感について考える間も無く。
アラームの音で、彼女が眠りから覚める。その日も昨日と同じ場所で撮影がある事を思い出し、急いで身支度を整えてスタジオへ向かった。
昨日と同じ時間に乗った電車では今日も隣の車両ではやたら大きな声を出して1人で喋っている不気味な人がいた。速水玲那は今日も厳しい視線でそちらを睨みつけた。
その日もカメラマンやスタッフの納得するものが撮れないせいでやたらと時間がかかってしまった。
やっとのことで仕事が終わり、疲れ切った速水玲那は挨拶もそこそこにスタジオをあとにした。
1人暮らしの部屋に戻ると疲れもあってすぐにベッドに入ってしまった。一昨日までは家族と暮らしていたはずなのに今は1人暮らしと言う現実に彼女は少しの違和感も覚えていなかった。
速水玲那本人は同じことを繰り返していることに気付いていない。それどころか家族の存在すら記憶の中から薄らいでいた。仕事場であるスタジオと自宅の往復のみの毎日。
そして寝て起きるとまた同じ日の繰り返し。
それは決して次の日が訪れることはない世界。
パラレルワールドの管理人によって送られた世界。
どんなに時間を過ごしても延々と次の日は来ない世界。
いつまでも若く美しくありたい彼女にとっては良い世界なのかもしれない。
そこにいる限り永遠に歳を取ることはないのだから。
そんな彼女から無意識に飛んできた陰湿な生き霊の影響から逃れた遙加。
その後、ピンクスペクトルとして世の中に出ていた彼らは、2クール目のアニメ放送終了時に主人公と共に遙加も仮面を外した。
そして晴れて5人はブルーローズとして華々しくデビューした。
勿論本来の姿で。
それは丁度彼らが大学を無事卒業した直後のことだった。
如月の思惑通りに。
学生時代編 完
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蘊蓄が興味深い‥ですね🐣
感想ありがとうございます!
興味深い…… 頑張ります!
引き込まれたー
遙加、なるほど❗
感想ありがとうございます!
退会済ユーザのコメントです
感想ありがとうございます!
素敵だなんて…… きっと遙加も喜んでいると思います。