バッドエンドの異世界に悪役転生した僕は、全力でハッピーエンドを目指します!

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さよなら世界、こんにちは異世界

40.異世界でアフタヌーンティー2

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「うっまい!この肉サンド、ピリっとしてて、うまいな!おかわりっ!」
「ガングリオン兄さん、食べ過ぎですよ。今はアフタヌーンティーですよ。優雅に軽食を召し上がりながら、会話を楽しむ時間ですよ。あっ、兄さんずるい!私にもひと切れ下さい」

 そう言ってサウにいちゃんは、ガディにいちゃんにお皿を差し出した。惜しみながらしぶしぶと、サウにいちゃんのお皿にローストビーフサンドをひと切れのせてあげてる。

 少なっ!まだ5切れも自分のお皿にあるのに、ガディにいちゃんは好きな物は分けたくないタイプなのかな?

 ローストビーフサンドイッチは、薄切りにしたローストビーフにグレービーソースを絡めて、トーストした食パンにバターを塗って片面にマヨネーズ、もう片面にマスタードを塗った。トーストした食パンが香ばしくて、ローストビーフにすごく合って美味しいんだ。でも、こんなにバクバク食べてくれるとは、予想外だった。
 何回目のおかわりだろう……。

 ばあやが、空になったハイティースタンドのお皿を、がっくりと肩を落として受け取っていた。僕は昨日から、時間を掛けて準備をしたいたのを知っていたから、分かる分かるとばあやの肩に手を置いてうなずいた。うまいって食べてくれるのは嬉しいけど、もう少し味わっても欲しいよね。

 それから軍隊アリのように、にいちゃん達は食べ尽くしていった。

 ガディにいちゃんは元の本の世界では、節度を持ち騎士道を貫き、主君の為ならばためらいも無く命を捧げられるストイックなタイプだった。

 今は少し粗野で、近衛騎士団に入ってもスクワットや腕立て腹筋を毎日500回~1000回は欠かさず、朝は20kmほど走っているらしい。しかも剣を捧げた第二王子と飲み仲間で、たまに2人で街の飲み屋に繰り出しているみたいです。ばあや、情報だけども。
ガディにいちゃん……もしかして、脳筋タイプになってませんか?

 1人で忙しく立ち回っているばあやを見かねて、僕もお手伝いを申し出た。疲れたら直ぐに休憩することを約束して、僕も厨房に立った。

 ローストビーフ残り僅か、食パンはまだある。直ぐに作れて見た目も良いもの~?
 よし!クレープにしよう。

 ローストビーフの残りは全部サンドイッチにして、タマゴを茹でて次の準備をしつつ。薄力粉と砂糖を混ぜまぜ~。そこに牛乳と卵を入れて滑らかになるまで混ぜたら出来上がり。

 次は生地を焼き始めた。フライパンに薄く伸ばしながら、丸くなるように焼いて手早く裏返してうっすらと焼き色がついたら出来上がり。
 何枚か焼いて、生地を冷ましてる間に果物を切ろう。チョコレートを湯煎して溶かしたら、その中に生クリームを加えて混ぜ合わせて、チョコクリームの完成。

 そろそろ、生地は冷めたかな。
クレープ生地に果物を並べて、チョコクリームをかけて生クリームをしぼりだす。これだけで美味しそう~。
 
 クレープを半分にぺたん、また半分にぺたん、また半分にぺたんとしたら、くるくると丸めて紙で包んで仕上げに生クリームで飾ったら出来上がりだ。

 クレープを包んだ紙の面には、『ガディにいちゃんへ』『サウにいちゃんへ』と書いた。そのまま出したら、取り合いになりそうだからね。
 にいちゃん、喜んで食べてくれるかなぁ。
 
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