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さよなら世界、こんにちは異世界
36.異世界で男らしく
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「ダッ――、ムグッぅぅ…………」
まさか会えると思ってなかったから、嬉しくて大きい声を出しちゃった。慌てて両手で口をふさぐ。しばらく周囲を注意していたけど、気付かれなかったみたい。僕はほっと胸をなでおろした。
ダンが玄関から入ってことは、きっとこっそり僕に会いに来てくれたんだよね。ないしょ、ないしょ。
2階のベランダからダンに手を振ると、笑顔で僕を見てくれた。
5年ぶりに会ったダンは、イケおじじゃなくてイケにいさんになってた。ダークブラウンの髪はすっきりと短く、前より日焼けしてワイルドな男っぽさが……。くぅーーかっこいい!
ダンが後ろに下がってと身振りで教えてくれた。なんだろう?下がって直ぐに、まあるい何かが飛んできた。手に取ってみると、厳重に布に包まれていた。
またベランダの手すりから下を見ると、もうダンは背中を向けて歩き出している。ダンに呼び掛けたかったけど我慢して、その背中に念じた。振り向け、振り向け~~。
あっ、振り向いてくれた。大きく手を振って声には出さないで、何か言ってる。じーーっと、見つめて……。「エディ、またな」と言ってる。うん!またね、ダン!僕は心の中で言って、ダンの背中が見えなくなるまで、手を振り続けた。
ダンがくれた物はなんだろう?布で包んであって、その上を縄ひもでぐるぐる巻きにしてある。すごい厳重で開封するのが大変そうだけど、壊れないようにしてくれたんだ……。なんか、うれしくなる。ハサミもナイフも見当たらないから、短剣で縄を切ろうかな。でも絶対に失敗して壊しそうだから、ばあやがきてくれるまでおとなしく待つ。
そういえば髪の毛も起きたら腰の長さまであって、うっとおしいから切りたいんだけど、にいちゃん達が許してくれないらしい。
本の中ではエディの容姿は幼い頃は可愛かったけど、16才になった頃には男らしかったはずだ。髪型もダンみたいに短髪で、身体は筋肉はそんなについてなかったけど身長はもう少し高かったはずだ。断罪された時の挿絵では、髭が生えていて髪もざんばらに短くなっていた。
比べて、今の僕の容姿は豪奢な金髪を腰の長さまで伸ばして、手足は細く華奢でしなやかだ。身長も160cmそこそこしかない。しかも日に当たってなかったから、色白で頬はつるんと無精ひげ知らずなのだ。
例えるなら、教会の壁画の精霊さんみたいな感じ。生活感無し、農業も畜産も冒険者もやらなそう!妖精さん、異世界に飛ばしてくれるなら、ダンみたいに男らしいタイプが良かったんだけどな。
冒険者をして、年を取ってからの牧場経営はどうだろうかと憧れていたのに。いや、待てよ。今から成長期かも!これから、ダンみたいに身長が伸びて筋肉隆々になるんだ。可能性は極少ないけど、異世界転生出来たんだからまだ分からないし~。体調が完全に回復したら、身体を鍛えようっと!
よし!さっそくだけど、スクワットなら出来そう!今なら、ばあやもいないし……。チリツモ、チリツモ。フフフッ、ばあやも知らないうちに身体を鍛えて、マッチョエディになるんだ。そうしたら、ダンも冒険に一緒に行ってくれるかな。
ーーエディ、いつの間にマッチョになったんだい?俺より、上腕二頭筋が逞しいじゃないかー。あっはっはっはなんて、肩をたたき合って笑いあいたい。僕も、その時は俺って自分のことを言ってみようかな。
――1,2,3,4,……5,6,7,…………8,9,……10
うん、おーけー!まずは、休もう。僕は今すぐに、休養をした方がいい。たった10回のスクワット運動をして、ぜーぜーと息をして寝台に転がり込んだ。
ふぁー、びっくりした!最後の10回目で腰をおろしたらプルプルしちゃって、もう立てないかと思った。今じゃあ、こんなキラキラした見た目だけど、僕だって男だからね。スクワット10回でへたり込むのは、男のプライドが許せないから……必死に起き上がったよ。
16才の男子高校生なんて、アレだからね。僕は心臓が弱くて体育会系の運動部は入れなかったけど、友達がサッカー部にいたから話しは聞いていた。その話を聞いてるだけで、男同士ってやることが荒々しいし7割はエロい事も考えてるなぁと思ってたよ。
朝食を食べたら昼食の前にお腹が空いておにぎり1個食べて、昼食を食べたらおやつにサンドイッチかおにぎりか牛丼を食べて、夕食も完食する。底なし沼みたいな胃袋だけど、本当にお腹が空いて食べても食べても太らないって言ってた。僕は小食だったから、関係ない話しだけども。
そんなわけで、僕も男なんだぞって主張をしたいけど、まともにスクワットも出来ない僕は鼻で笑われそうだ。
そういえば元気かな?サッカー部の友達。中学も同じで、入院をするといつもお見舞いに来てくれた。ええ~と、名前は何だっけ?どんな顔をしてたっけ?手術が成功したら、サッカーを教えてくれるって……約束してたような気がするけど。
僕は、あっちの世界のことを少しだけ忘れてしまったみたいだ。なんで、忘れてしまったのかも思い出せなかった。
まさか会えると思ってなかったから、嬉しくて大きい声を出しちゃった。慌てて両手で口をふさぐ。しばらく周囲を注意していたけど、気付かれなかったみたい。僕はほっと胸をなでおろした。
ダンが玄関から入ってことは、きっとこっそり僕に会いに来てくれたんだよね。ないしょ、ないしょ。
2階のベランダからダンに手を振ると、笑顔で僕を見てくれた。
5年ぶりに会ったダンは、イケおじじゃなくてイケにいさんになってた。ダークブラウンの髪はすっきりと短く、前より日焼けしてワイルドな男っぽさが……。くぅーーかっこいい!
ダンが後ろに下がってと身振りで教えてくれた。なんだろう?下がって直ぐに、まあるい何かが飛んできた。手に取ってみると、厳重に布に包まれていた。
またベランダの手すりから下を見ると、もうダンは背中を向けて歩き出している。ダンに呼び掛けたかったけど我慢して、その背中に念じた。振り向け、振り向け~~。
あっ、振り向いてくれた。大きく手を振って声には出さないで、何か言ってる。じーーっと、見つめて……。「エディ、またな」と言ってる。うん!またね、ダン!僕は心の中で言って、ダンの背中が見えなくなるまで、手を振り続けた。
ダンがくれた物はなんだろう?布で包んであって、その上を縄ひもでぐるぐる巻きにしてある。すごい厳重で開封するのが大変そうだけど、壊れないようにしてくれたんだ……。なんか、うれしくなる。ハサミもナイフも見当たらないから、短剣で縄を切ろうかな。でも絶対に失敗して壊しそうだから、ばあやがきてくれるまでおとなしく待つ。
そういえば髪の毛も起きたら腰の長さまであって、うっとおしいから切りたいんだけど、にいちゃん達が許してくれないらしい。
本の中ではエディの容姿は幼い頃は可愛かったけど、16才になった頃には男らしかったはずだ。髪型もダンみたいに短髪で、身体は筋肉はそんなについてなかったけど身長はもう少し高かったはずだ。断罪された時の挿絵では、髭が生えていて髪もざんばらに短くなっていた。
比べて、今の僕の容姿は豪奢な金髪を腰の長さまで伸ばして、手足は細く華奢でしなやかだ。身長も160cmそこそこしかない。しかも日に当たってなかったから、色白で頬はつるんと無精ひげ知らずなのだ。
例えるなら、教会の壁画の精霊さんみたいな感じ。生活感無し、農業も畜産も冒険者もやらなそう!妖精さん、異世界に飛ばしてくれるなら、ダンみたいに男らしいタイプが良かったんだけどな。
冒険者をして、年を取ってからの牧場経営はどうだろうかと憧れていたのに。いや、待てよ。今から成長期かも!これから、ダンみたいに身長が伸びて筋肉隆々になるんだ。可能性は極少ないけど、異世界転生出来たんだからまだ分からないし~。体調が完全に回復したら、身体を鍛えようっと!
よし!さっそくだけど、スクワットなら出来そう!今なら、ばあやもいないし……。チリツモ、チリツモ。フフフッ、ばあやも知らないうちに身体を鍛えて、マッチョエディになるんだ。そうしたら、ダンも冒険に一緒に行ってくれるかな。
ーーエディ、いつの間にマッチョになったんだい?俺より、上腕二頭筋が逞しいじゃないかー。あっはっはっはなんて、肩をたたき合って笑いあいたい。僕も、その時は俺って自分のことを言ってみようかな。
――1,2,3,4,……5,6,7,…………8,9,……10
うん、おーけー!まずは、休もう。僕は今すぐに、休養をした方がいい。たった10回のスクワット運動をして、ぜーぜーと息をして寝台に転がり込んだ。
ふぁー、びっくりした!最後の10回目で腰をおろしたらプルプルしちゃって、もう立てないかと思った。今じゃあ、こんなキラキラした見た目だけど、僕だって男だからね。スクワット10回でへたり込むのは、男のプライドが許せないから……必死に起き上がったよ。
16才の男子高校生なんて、アレだからね。僕は心臓が弱くて体育会系の運動部は入れなかったけど、友達がサッカー部にいたから話しは聞いていた。その話を聞いてるだけで、男同士ってやることが荒々しいし7割はエロい事も考えてるなぁと思ってたよ。
朝食を食べたら昼食の前にお腹が空いておにぎり1個食べて、昼食を食べたらおやつにサンドイッチかおにぎりか牛丼を食べて、夕食も完食する。底なし沼みたいな胃袋だけど、本当にお腹が空いて食べても食べても太らないって言ってた。僕は小食だったから、関係ない話しだけども。
そんなわけで、僕も男なんだぞって主張をしたいけど、まともにスクワットも出来ない僕は鼻で笑われそうだ。
そういえば元気かな?サッカー部の友達。中学も同じで、入院をするといつもお見舞いに来てくれた。ええ~と、名前は何だっけ?どんな顔をしてたっけ?手術が成功したら、サッカーを教えてくれるって……約束してたような気がするけど。
僕は、あっちの世界のことを少しだけ忘れてしまったみたいだ。なんで、忘れてしまったのかも思い出せなかった。
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