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さよなら世界、こんにちは異世界
20.異世界でにいちゃん
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僕はそのイヤミたっぷりな言葉を聞いて、しょぼんとした。
「……にいちゃん、ごめんね」
でも謝ったから、2個目のミートパイを食べていいかな。いただきまーす!大きく口を開けてパクつくと、にいちゃんがまだいた。ミートパイを食べたいのかな?僕はミートパイをモグモグしながら、にいちゃんを見ると!?なんか、震えてるけど大丈夫かな?まっ、いっかぁ。おいしいなぁ~。
平民になったら、ばあやとパイ屋さんを開くのはどうだろう?牧場経営も憧れるけど、こんなに美味しいミートパイを僕だけ食べてるのは悪いよね。ああっ!にいちゃんも、ミートパイを食べたいのかな?僕は新しいお皿にそっとミートパイを置くと、ちょっとだけにいちゃんの方に寄せた。
にいちゃん、どうぞ。なんか怖い顔してこっちを見てるから、それ以上は近寄りたくないの。チラッと見たら、目が合っちゃったー!思わずニカっと笑ってごまかしちゃった。
はぁ~、ミートパイ2個目完食~!むしゃむしゃ、ごくんっ。
「ばあや、野菜スープも下さーい。うん?にいちゃんも飲みたいの?すごく美味しいんだよぉ。あとね、ミートパイが最高なの。にいちゃんも食べるとほっぺが落ちるかも~。そうしたら、僕が拾ってあげるね」
エディの記憶の中に、兄様は微かにしか存在しなかった。それだけ、関りが無かったかなと思うと寂しく思うけど、今さらどうしたらいのか分からないので、僕なりの付き合い方にしたい。最初から嫌われてると思えば、なに言ってもこれより嫌われることは余りないと思うの。要は、気を遣いませんよ~ってことだ。
「おまえは、本当にエディンか?」
えっ?僕、なにかおかしかった?う~ん、笑っておこうかな。困ったときほど良く笑えっていうよね。にっこりと、にいちゃんに笑いかけると、急に顔を真っ赤に染めた。
「俺の弟が天使になってるんだが……」
「に、にいちゃん、大丈夫?」
小首をコトンと傾けてまた微笑むと、今度は口元を手で塞いで何だか慌ててる。
アンディスール公爵家の二男サウズロード・アンディスール・ディディスこと、サウにいちゃんは氷の貴公子と異名を持つ精霊魔法騎士団の副団長をしている。その異名の通りに、外見は銀髪に瞳は冴え冴えとしたアイスブルーの美貌、柔らかな雰囲気だが薄い唇を常に引き結んでいるので、硬質な印象を見る者に与えていたんだけども。今は、顔を真っ赤にして鼻まで抑えた手のひらから、ポタポタと鼻血を流しているよ。
えっ?本の中では、余り出番が無かったけど、こんなキャラだった?
「エディ、お、俺の事を今度から、サウにいちゃんと呼ぶようにいいね?」
「うん、サウにいちゃん」
「じゃあ、今日のところはこれで失礼するから、また明日来てもいいか?」
「うん、もちろん!僕、待ってるね」
「その、さっきは済まなかった。明日も、この時間に来るから俺もそこに座って、ランチを一緒に食べていいか?」
「サウにいちゃんと一緒に食べるの初めて!僕、うれしいな。約束ね」
ゆびきりげんまん、しちゃった!サウにいちゃんは不思議な顔してたけど、ゆびきりって好きなんだ。でも、サウにいちゃん、鼻血が出てたけど大丈夫なのかな。あれで良かったのかな?でも、明日も来るって言ってたからいいのかな。
「ばあや、サウにいちゃんと約束しちゃったけど大丈夫?明日は僕もランチの準備を手伝うよ。僕が作ったら喜ぶかな?」
「エディン様、もちろん喜びますよ。ばあやは、ばあやは嬉しくて嬉しくて涙が出そうになりましたよ。エディン様がお兄様とお食事をするなんて、本当に良かったですね」
僕とばあやは、しばらくお互いの手を握り合い喜びを分かち合った。それから、明日のランチメニューを2人でいろいろ考えた。楽しい時間になりますように……精霊にお祈りして眠った。
「……にいちゃん、ごめんね」
でも謝ったから、2個目のミートパイを食べていいかな。いただきまーす!大きく口を開けてパクつくと、にいちゃんがまだいた。ミートパイを食べたいのかな?僕はミートパイをモグモグしながら、にいちゃんを見ると!?なんか、震えてるけど大丈夫かな?まっ、いっかぁ。おいしいなぁ~。
平民になったら、ばあやとパイ屋さんを開くのはどうだろう?牧場経営も憧れるけど、こんなに美味しいミートパイを僕だけ食べてるのは悪いよね。ああっ!にいちゃんも、ミートパイを食べたいのかな?僕は新しいお皿にそっとミートパイを置くと、ちょっとだけにいちゃんの方に寄せた。
にいちゃん、どうぞ。なんか怖い顔してこっちを見てるから、それ以上は近寄りたくないの。チラッと見たら、目が合っちゃったー!思わずニカっと笑ってごまかしちゃった。
はぁ~、ミートパイ2個目完食~!むしゃむしゃ、ごくんっ。
「ばあや、野菜スープも下さーい。うん?にいちゃんも飲みたいの?すごく美味しいんだよぉ。あとね、ミートパイが最高なの。にいちゃんも食べるとほっぺが落ちるかも~。そうしたら、僕が拾ってあげるね」
エディの記憶の中に、兄様は微かにしか存在しなかった。それだけ、関りが無かったかなと思うと寂しく思うけど、今さらどうしたらいのか分からないので、僕なりの付き合い方にしたい。最初から嫌われてると思えば、なに言ってもこれより嫌われることは余りないと思うの。要は、気を遣いませんよ~ってことだ。
「おまえは、本当にエディンか?」
えっ?僕、なにかおかしかった?う~ん、笑っておこうかな。困ったときほど良く笑えっていうよね。にっこりと、にいちゃんに笑いかけると、急に顔を真っ赤に染めた。
「俺の弟が天使になってるんだが……」
「に、にいちゃん、大丈夫?」
小首をコトンと傾けてまた微笑むと、今度は口元を手で塞いで何だか慌ててる。
アンディスール公爵家の二男サウズロード・アンディスール・ディディスこと、サウにいちゃんは氷の貴公子と異名を持つ精霊魔法騎士団の副団長をしている。その異名の通りに、外見は銀髪に瞳は冴え冴えとしたアイスブルーの美貌、柔らかな雰囲気だが薄い唇を常に引き結んでいるので、硬質な印象を見る者に与えていたんだけども。今は、顔を真っ赤にして鼻まで抑えた手のひらから、ポタポタと鼻血を流しているよ。
えっ?本の中では、余り出番が無かったけど、こんなキャラだった?
「エディ、お、俺の事を今度から、サウにいちゃんと呼ぶようにいいね?」
「うん、サウにいちゃん」
「じゃあ、今日のところはこれで失礼するから、また明日来てもいいか?」
「うん、もちろん!僕、待ってるね」
「その、さっきは済まなかった。明日も、この時間に来るから俺もそこに座って、ランチを一緒に食べていいか?」
「サウにいちゃんと一緒に食べるの初めて!僕、うれしいな。約束ね」
ゆびきりげんまん、しちゃった!サウにいちゃんは不思議な顔してたけど、ゆびきりって好きなんだ。でも、サウにいちゃん、鼻血が出てたけど大丈夫なのかな。あれで良かったのかな?でも、明日も来るって言ってたからいいのかな。
「ばあや、サウにいちゃんと約束しちゃったけど大丈夫?明日は僕もランチの準備を手伝うよ。僕が作ったら喜ぶかな?」
「エディン様、もちろん喜びますよ。ばあやは、ばあやは嬉しくて嬉しくて涙が出そうになりましたよ。エディン様がお兄様とお食事をするなんて、本当に良かったですね」
僕とばあやは、しばらくお互いの手を握り合い喜びを分かち合った。それから、明日のランチメニューを2人でいろいろ考えた。楽しい時間になりますように……精霊にお祈りして眠った。
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