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さよなら世界、こんにちは異世界

18.異世界の魔法のこと

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 あれから、僕は毎日のように本館の図書館に行って本を何冊か借りてきて、別館に戻って読む日々を過ごしていた。
 何度もパルシオン帝国の歴史書を読んで記憶の中と確認したけど、やっぱり「精霊と勇者と滅びの国」の本の世界と同じだった。
 
 精霊信仰の国、精霊に守られて自然豊かな国、王家が精霊に愛されている国。精霊の力を借りて、適性がある者だけが精霊魔法を使えた。
 精霊魔法の種類は基本的に、天、地、雨、炎、風、の5種類がある。その5種類から、また派生した精霊魔法もあった。

 天からは空と星と光に分かれ、空は天高く飛げて、極めると転移が出来るようになった。
 星は、夜空に浮かぶ月と星々を操り流星と叩き込み、極めると月光を燦々と降り注ぎ、その光を浴びた者全てが状態異常を引き起こされる。
 光は、あたたかい光に満ちて全ての者を治癒出来る。その力は極めると大地をも癒されるという。まだ、精霊魔法の光を極めた者は、建国して以来まだ1人もいないという。
 
 地からは植物と土と闇に分かれ、植物はその名のとおりに萌え出る草木を支配して育て天より高く聳え地中深く潜り込む。植物を極めて創造のスキルがあれば、全く新しい植物を生むことが出来た。この者を、緑の賢者という。
 土とは正しく、地を震わせて地面を割り全てのものを飲み込んだ。極めると土は沸騰しマグマを地に底から呼び出し、地を這う者全てを灼熱の熔岩で溶かす。
 闇とは正しく暗闇の中の暗がりであり、極めれば陽光すら闇に閉じ込め、人心に闇を蔓延り気を狂わせた。

 雨からは水と氷に分かれ、水は川を作り海と生してまた雨に戻る。極めると豪雨を降らせて全てを水で流し去った。氷は凍てつく刃を空から降らせて、あらゆるものを凍らせた。極めると空から雪を降らせて、地上を白銀に変えると川も海も凍りついた。

 炎は、正しく焔と化して地上のあらゆるものを焼き尽くした。炎はなにものにも分かれず、火に始まり火へ終る。全てを煤となり焦土となすだけだった。

 風は、正しく風として流星を流星群と生して、土を舞い上がらせて、水を放流し、炎をうねらせて、全てのものを巻き上げて天へと還した。

 人は、この精霊魔法の適性と精霊力によって使える魔法はどんなに魔法に長けていても、せいぜい中クラスの魔法が使えれば充分に王宮精霊魔法士として勤めることが出来た。
 
 人々はこの精霊魔法を基礎として、魔法力が少なくても使うことが出来る(生活魔法)として使うことが多かった。
 中クラス以上の魔法は主に、貴族か王族だけが使えると周知されている。

 僕は魔法力が少なくて、主に生活魔法しか使えないはずだった。でも、出来れば鑑定してもらいたい。冒険者ギルドか教会に行けば、10歳を過ぎれば誰でも鑑定する事が出来る。確か有料と言っていたが、冒険者ギルドは依頼を受ければ無料で鑑定して貰えた。
 近々、冒険者ギルドに行きたいな。前回はベヒモスが現れたせいで、結局は行けなかったから。

 それにダンにも会いたいな。貰ったパンのお礼もしたいし、ギルドの事もいろいろ聞きたい。ダンは僕のことを覚えてるかな?覚えてくれてたら、すごく嬉しいのだけど…。
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